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トヨタEVの市場ルポとマスク氏の煽り

はじめに

 Business Insider誌のルポでトヨタのEV;bZ4XでライターさんがNY→DCのドライブを行ったところ、[充電に時間掛かりすぎ][静かだけど、それだけ]といった酷評が出ておりました。Twitterでのやり取りですが、そこに対してTeslaのマスク氏が[ToyotaもNACS採用しようぜ]とコメントし、界隈が若干賑わっております。ちょっとまとめてみました。
 ToyotaへのNACSへのお誘いですが、政治発信もTwitterで行われる昨今。意外とこういったところから対話が始まることもあり、注視必要ですなあ。

1;マスク氏の煽り

 今回のルポ記事ライターのツイートに対して[NACSにおいでよ]とリツイート。EVチャージャーの公式アカなどは[そうだそうだ]的な賛意を示しております。

2;Insider誌のトヨタEVルポ

 記事で言いたきことをサマると、
[トヨタEV;bZ4XでNY↔DCで往復、9時間運転で3時間充電が必要…]
[暖房による快適性と航続距離の長さが両立しない]
[静かで環境に優しいが、ドライブ向きではない]
となります。

2-1;旅程(9時間の運転に2時間の充電が!!)

 NYからの往路でElectlify-Americaのステーションに[残37%]で入って充電。bz4xは最大100kWだが、35kW以下でしか充電ができず、74%までの充電に45分もかかった。bz4xの予測では充電で150kmの航続距離が追加されたが、高速道路を使ったところ、121kmという結果に。
 NYへの復路では[残6%]でEVgoステーションに立ち寄り。今度はbz4xの充電電力が50kWを超えないので、80%まで充電するのに1時間15分もかかってしまいましたが、結果として必要な航続距離よりも少し余裕ができ、約25%の余裕を持って帰宅。

2-2;充電時間の長さ

 bZ4Xの最大充電電力は100kWで他社性能に劣る水準(急速充電からの許容能力値)だが、更に車両側制御で最大充電効率は発揮されなかった。
 トヨタによるとバッテリー寿命に重きを置いた設計故、バッテリーの消耗を早める急速充電の能力を抑えているとのことだが、充電時間の長さは致命的で、TeslaもHyundaiも上市される殆ど全てはbz4xの360kmを上回り、充電頻度/充電時間が少なくて魅力がない。

2-3;航続距離への余裕

 充電の度にGoogleMapの残距離とEV予測距離の間に余裕を持たせる必要があるのは厄介で何を信用したらいいやら。
 EVは走行環境/車内設備などの変化をもろに受けるため、予想以上に早く航続可能距離が短くなることがあり、EV予測距離は信用してはいけないというのが常識に。特に今回旅程ではNJで充電してDCに向かう際にEVは[303Km航続]を示していたが、到着時には[残14Km]にまで消耗…地図距離では150Kmといったことも。
 EVステーションはまだ少なく、スポットサインも目立たないので事前に充電箇所を確認しておく必要がある。

2-4;ながら充電

 EVの利点の一つは充電中に車内にいなくても良く、用事を済ます間に充電が完了することで、今回旅程ではDCについた翌朝に[残3%]で、市内のEVgoで1時間充電して[残77%]にまで回復させることが出来た。しかし、時間が意外とかかったのでホテルの駐車場に充電器があればよかったとも。

2-5;車内環境と航続距離

 ガソ車はエンジン稼働の副産物として熱を発生させるのでラジエーターを回すのは簡単だが、EVではバッテリー燃料を使って熱を作るのでドライバーは最大航続距離と車内快適さを選ばないといけない
 今回の旅程ではNYに戻る際、270Kmの航続距離で走行していたが、途中で暖房をつけると[201Km]に減少、結局暖房をあきらめて寒さに震えながら運転したとのこと。

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