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米国での再利用資源を用いたLiB生産へ大手が協業

 米国で化学メーカー大手BASFが主導して回収したLiBから回収した希土類を用いてLiB再生産を行う取り組みがリリースされました。
2024年の商業化を目指すとのこと、米国の最近の状況を見ると都市鉱山へのリーチは今後の一つの大きな事業になりそうです。

1;取組概要

 LiB素材/部材製造を行う4社が連携してリサイクル希土類を含むLiB生産で協業を行うことを表明。
 -BASF;ドイツ本拠の世界最大の総合化学メーカー
 -Nanotech-Energy;米本拠のグラフェン蓄電池メーカー
 -American Battery Tech Co(ABTC); 低コスト/低環境負荷なLiBリサイクルを手掛ける
 -TODA Advanced Materials;戸田工業の完全子会社でLiB向け正極材を米加で製造/販売する
 協業/リサイクル事業の仕組みは下記の通り
 (1)ABTCがCA州に置くNanotech拠点の試験操業と、Nanotechが計画する工場で発生したLiBスクラップ/規格外材料をリサイクル
 (2)TODAが前駆体の生産を行う
 (3)BASFはABTCが回収したニッケル/コバルト/マンガン/リチウムなどの希土類から正極材を製造
 (4)Nanotechはリサイクル材料をバッテリーセルの製造に再利用
 *前駆体は正極材になる前の最終段階/形成する素材、正極材は電池の性能を左右する重要な原材料

2;今後の計画

 今回の取組は2024年に開始され、早々に商業ベースに乗せる方針でBASFのSr-VPであるSchoenfelder氏は下記のようにコメント
 [今回の取組を通じてBASF/Nanotechは米国でリサイクルされた内容物を含むLiB生産が可能となり、米国のサプライチェーンを強靭化できる]
 ちなみに、今回の取組によるLiB生産では従来型の生産に比べてCO2排出量を25%削減できるとのこと

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