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電動二輪新興;Ather(印)がIPOで5.3億ドル調達へ

インドでは政府が補助金/規制緩和を推し進め、燃料費高騰が後押しして電動化が進んでいますが、4強の1社がOla-Eに続いて上場します。
今回、ArtherEnergy社が当局に上場申請を行い、5.3億ドル程度の調達を目指しているとのことで、資金は製造能力強化/研究開発に充当するとのこと。
インドの電動二輪市場は新興企業が席巻しつつも、バックには既存企業が陰に陽についている構図が見えてきました。
https://www.bseindia.com/corporates/download/321863/Project AAA_Final DRHP_20240909120753.pdf

1;ArtherEnergy社のIPO

 9/9にインド証券当局に提出された資料によると、インドの電動スクーター新興;AtherEnergy(AE社)はIPOで5.3億ドルの調達を目指す。目標評価額は15-20億ドルで、IPOにおいては3.7億ドル相当の新株発行及び、既存投資家による2200万株の売出を予定。本件IPOの主幹事はAxis Capital/HSBC/JM-Financial/Nomura。AE社は正式コメントを出していない

 今回のIPOは電動二輪市場が[政府インセンティブ]と[燃料価格上昇]というファクターで活況となる中での実行。
 インド政府は2030年までに[自家用車;30%][商用車;70%]を電動化する目標を掲げており、AE社は調達資金をマハラシュトラ州の新設製造拠点の建設資金/借入金返済/研究開発に充てる予定
 直近FY23の業績は[売上;2.13億ドル][純損失;1.26億ドル]であった

2;AE社とは

 インドのバンガロールに本拠を置く電動二輪メーカーで、2013年にTarun Mehta氏とSwapnil Jain氏が設立された。
 インド工科大学の補助金及び個人投資家からの資金で開発をスタート、16/02に技術展示会;Saajで初代スクーター;S340を発表。その後、複数回の資金調達を行い、HeroMotocorpや複数VCと関係を強化。さらに複数の州政府と連携協定を結んでいる

 現在インド国内で電動二輪を製造/販売しており、下記ラインナップ/拠点をもつ
 製造;2拠点(バンガロール;ホワイトフィールド/タミルナードゥ州;ホスール)
 販売;Ather 450 Apex/Ather 450S/Ather 450X/Ather 450X Pro/Ather Rizta
 充電;Ather Gridと呼ばれる電動二輪充電インフラを全国に構築

 製造業務は内製アプローチで、主要コンポネントの80%は社内で設計。
 現在のインドにおける電動バイク市場はOla-E(31%)を筆頭に、TVS-Mortos(20%)/Babj-Auto(19%)/AE社(19%)となっている

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