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CATLが飽和状態の国内を飛び出して海外展開を加速へ

中国バッテリー最大手のCATLが海外展開を加速すべく、現在計画する6工場の新設に加えて2工場の追加建設を計画していると現地報道が伝えています。
グローバルで見てもBYDとシェアを二分するメガ企業ですが、ここにきて中国国内の需要が低迷しており、かつ中国と各国の関係悪化が表面化する中で海外での現地生産/消費を加速することで成長を維持する狙いがあるようです。

1;CATLの海外展開;計画の追加

 5/22の中国報道によると、CATLは国内市場での成熟を背景として新たに2つの海外工場を計画に追加したとのこと。以前に公表した6工場に2工場を加えて合計8工場を海外に新設する予定とのこと
 公表済みの工場はドイツ/タイ/ハンガリー/インドネシア/米国x2となり、米国は夫々Ford/Teslaと連携。Fordとの工場はミシガン州のものとは別で、LFPバッテリー生産工場/35億ドル程度の投資となる可能性が高い
 計画入りの2工場はスペインとモロッコでの開業で欧州への電池供給を狙うものと報じられている
 -スペイン;StellantisとのJV事業
 -モロッコ;CATL単独出資の工場で、正極材を主に製造

2;CATLの海外展開;方向性

 CATLは23年にYoYで31%増の300GWh近くのバッテリーを出荷、世界シェア36.8%(前年比+0.2%)を獲得。バッテリー市場では当然トップシェアで、1/3以上のシェアを取りつつもさらに成長を続けている
 中国国内では小規模サプライヤ参入でCATLの国内成長が鈍化すると予測されており、成長継続するためにも海外進出は必須
 CATLでは会長が先導して海外進出を進めており、中国国内の競争激化(主に対BYD)/NEV成長率鈍化に対応しようとしている。特にBYDが急速に追い上げをかけており、ここに危機感を感じている

 海外展開にあたっては自動車OEMと連携/ライセンス供与を通じて進出を図っているとのこと、現状で技術ライセンス供与に向けて約10社を交渉を行っている。
 現地報道では[GMとのLFPバッテリー技術のライセンス供与交渉]が進んでいるとのこと

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