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経団連の規制改革要望について

 今年も経団連が「Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言」ということで規制緩和要望を政府に対して出しています。新規要望事項として「電帳法の抜本的見直し」「給与明細等の電子化」が掲出されており菅政権の進めるデジタル化の波に乗る感じになっています。
 曰く、「電帳法改正しても結局は要件厳しくて紙保存を強いられるのだから法規制を抜本改革すべき」「コロナ下で接触機会低減/ペーパーレス化進めるべく、従業員同意なしで給与明細/源泉徴収票は電磁的方法をデフォとすべき」とのこと。これが実現できると企業のバック業務が相当に軽くなってこようかと。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/091_honbun.pdf

【新規要望事項】
No. 68. 電子帳簿保存法の抜本的な見直し
<要望内容・要望理由>
企業はバックオフィスの効率化を図る観点から、あらゆる書類の作成及び授受のデジタル化を推進している。しかし、国税関係帳簿書類の保存を電子的に行う場合、検索要件をはじめ書面での保存に比べ電子帳簿保存法の厳格な要件を満たすことができず、結局、紙での保存を強いられるケースもある。
感染症下における新しい生活様式を実践する妨げともなっていることから、この機会に見直すべきである。なお、取引のデジタル化をさらに推進するため、電子帳簿保存法の改正とあわせ、授受される数量が多い領収書について、電子的交付を担保するための法制上の措置を検討すべきである。
紙の書類を前提とするスキャナ保存についても、適正事務処理要件、タイムスタンプ要件など、無謬性を求められる電子帳簿保存法の各要件のため、社内整備等のソフト面、機器等のハード面の双方でハードルが高く、企業において導入が進んでいない。経済活動の全面的かつ即時のデジタル化が現実的ではないことを踏まえると、こちらについても要件の合理化が不可欠である。一定の基準により、内部統制が確立されていると見なすことができる法人については、個別の要件を免除するなどの措置も検討する必要がある。
電子帳簿保存法については、個別規定の修正に留まらない、抜本的な見直しを要望する


No. 69. 給与明細等、源泉徴収票の電子化に向けた本人同意の廃止
<要望内容・要望理由>
所得税法では、給与明細等、源泉徴収票を電磁的方法で従業員に交付する場合には、従業員一人ひとりの「同意」を必要としている。しかし、コロナ拡大の下では、給与明細等を適切なタイミングで書面にて交付することは困難である。郵送対応はコストおよび作業工数増となるほか、担当者の出勤が必要でテレワークの阻害となる。一部の従業員が電子化に同意しない場合は、書面と電子明細が混在するため、さらに煩雑な作業となる。
そこで、業務の効率化やペーパレス化のみならず、感染症の拡大防止に向けて、本人同意を廃止し、給与明細等の電子化を促進するべきである

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