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ArcherがSW航空と連携してNW整備を加速へ

eVTOL新興;Archer社が米国SW航空を顧客データ利活用/サービス連携に向けた提携を行い、サービス基盤/インフラ整備に動き始めました。
同時にStellantisへのワラント/予約受注資金の獲得で製造拠点整備も進めるとのことで、2025年の商業サービス実現に向けて動いています。

1;ArcherとSW航空の提携

 7/12にArcherとSouthWest(SW)は顧客データ活用に向けた協業の覚書を締結。ArcherはSWの顧客データにアクセスし、垂直離着陸場/eVTOLステーションの設置候補地の選定を行うことで、エアタク事業NW形成を目指す
 ArcherのUnited Airlinesとの提携に続く第2弾でSWと連携して地域路線拡充を目指すものとみられる
 ‐SWはCA州内14空港に就航、一方でArcherは[車で60~90分の都市通勤を、10~20分の航空飛行]にシフトさせようと事業設計
 ‐eVTOLの主要用途は[都市-空港の移動]にあるが、当該移動は往々にして渋滞のせいで費用/時間/ストレスがかかる移動となっている

2;Archerのサービス連携の目論見

 ArcherのCCO;Nikhil Goel氏は下記のように述べてサービス統合などのビジョンを明らかに
 -[我々はサービス統合を見据えており、SWのチケット購入時にフライト前後のArcher移動を追加できるようなサービスを実現したいと思っている]
 -[例えば、SF国際空港に行く場合にTerminal2の保安検査場にすぐ後ろでeVTOLが着陸して、検査を受けずにSW便に調節乗れるようになれば素晴らしい]
 -[他特典として、Aリスト乗客への優待料金/割引適用に加え、Archer利用でRapid Rewardsポイントの獲得なども想定しうる]

 ちなみに現在、Archerは垂直離着陸場での保安検査を容易にすべく交渉中とのこと

3;Archerの資金調達

 Archerは2025年の商業事業ローンチにむけてキャッシュが必要で、NW構築の大前提に向けた製造強化とはニワタマとの関係ではある…最近提携を進めているが先に既存インフラを持つ会社と連携してNW構築を進める算段。
 -United/Atlantic(固定基地運用)との提携時にはマイアミ/SF市での事業開始を狙うとしていた
 -Atlantic/Signature(空港運用)との契約で200空港拠点へのアクセスが可能ではある

(資金調達)
 24/06にStellantisから予約購入契約の一環として5500万ドルの引出しを実行。契約の一環でStelantisはジョージア州でのArcher試作機の製造に向けた拠点整備/拡張支援に合意
(資本調達)
 Stelantisに向けたワラント(新株予約権)も発行し、製造施設コストを非現金の方法で決済してキャッシュを温存
 クラスA普通株を最大57,050株/1株あたり0.01ドルで購入可能とする権利で総額30万ドルの調達。Goel氏は[現金の温存でなく、パートナー企業への株式発行で一蓮托生の関係となることを目指す]としている…
(製造体制整備)
 Archerは現在CA州の生産施設で6機の適合航空機(量産基準に準じた試作航空機)を製造中。ジョージア州の新施設で生産拡大し、FY24-4Qから年間650機の航空機生産を狙う
 商業事業開始に十分な数のMidNight航空機製造の他に、FAA認証通過をする必要がある。24/06には[Part135の航空運送事業者/運航者証明書を取得。これによりMidNight発売前にシステム/手順を改良するための商業運航を開始できる
 ただ、型式認(設計が規制安全基準を充足している証明))/生産認証(生産プロセスのの準拠商人)を取得する必要があり、量産化にはまだ課題が…

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