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電動船外機振興のPureWatercraft社が破産手続きへ

米国で電動船外機の製造/開発を行ってきたPureWater社が破産手続きに向けて動いています。
同社は船外機の電動化を世界に先立って進めて資金調達/製品開発を行って、GMも出資していました。
今回の開示文書では製造品の少なさやデリバリ不備などが見受けられ、色々ときな臭い展開になりそうです…

1;PW社の破産手続

 電動船外機の製造/販売を行うPure Watercraft(PW社)が管財人管理下へ移行したことが明らかに。ワシントン州当局が最近公開した資料によるとPW社は7月に管財人管理(破産手続)に入ったとのこと
 厳しい事業環境に抗えない中での決定だが、8月にはウェストバージニア州で計画されていた数百万ドル規模の工場建設中止が報じられていた

 当局資料には現状の財務状況も明示されており、下記状況が明らかに。
 (資産) 2500万ドル相当の無形資産が存在し、[製造サポート][ノウハウ][ブランドライセンス]等の非金銭資産が計上
 (資産) 360万ドル相当の[完成品]も計上、PW社が製造したモーター/バッテリーユニットとみられるが、予約金を払った顧客に引き渡されず…
 (資産) 2550万ドル相当の[原材料]も記載されるが内容は不明
 (負債) 個人投資家/VC/銀行などが名を連ねるが、筆頭はGMで3500万ドルを投資している

2;PW社の概要

 PW社は2011年にガスベースの船外機の完全電動化を目指して設立され、2016年に商用電動船外機の予約受付を開始。直近24/04には500万ドルをDebt調達、従前の資金調達額はEquityで6700万ドルに上る
 *ちなみに、2021年にはGMが1.5億ドルで株式25%の取得を実施

 PW社はボート搭載/パッケージ化(ポンツーンボートやインフレータブルボート)できる電動船外機の開発/製造に強みを持つ。
 価格は船外機のみで[21,600ドル~]でボート一式で[100,000ドル近く]と値が張るが、クリーンではある。静音/小型/軽量/長寿命/メンテの容易さ/高効率などを売りにするとともに、特に音の小ささと乗船体験の高度化を強調

 一方で、電動船/船外機市場はまだ黎明期にあり、他の新興企業としてCandela/Navier/FleetZero/Zin Boatsなどが研究開発を進めている

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