見出し画像

秋といえば

秋といえば、なんといってもカマキリである。

幼い頃すんでいた家のまえは、一面のすすきだった。
小さなわたしは、そこが主な居場所。
たくさんの植物、虫とであった。

秋になると現れるのは、鈴虫、コオロギなど色々いるが、主役はやっぱりカマキリさん。

すすきにわけいっては、彼らを探していた。

秋になり、どこかからすすきの匂いが漂ってくる。
そんなときわたしは

「あ、カマキリのいる匂いだ」
「秋が来たな」

と思うのだ。

こっちに来てからは、彼らにはあまり会えていない。
見かけたとしても、アスファルトのうえで押し花のようになっている人たちだけだ。

それでもやっぱりカマキリさんは、私の鼻腔のなかにいるのだ。

いただいたサポートは、わたしの、あなたの、みんなの心に水を撒くために使わせていただきます。