短歌 新作７首 『この世が終わり迎えるときも』
もしも世界が終わるなら、残された時間をどう過ごすだろう。
それは数年後かもしれないし、今日かもしれない。
あと数時間後、数分後かもしれない。
だから、一瞬も見逃さず、そばにいたい。
そしていつだって希望を忘れず、未来のことを話していたい。
そんな気分を、７つの短歌で書いてみました。
第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。
もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。
あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。
『この世が終わり迎えるときも』 鈴掛真
昏々と眠る体に湾曲を合わせて君のシェルターになる
鮮血を両手で掬うようにしてふっくり包む赤ちゃんの頬
噂話の聞きまちがいが誤伝して燃え続けているような戦火
争いは止まない閃輝暗点に重なり歪む地平の彼方
ため息がもしも見えるのなら同じ形で俺を苦しめさせて
ハイボール片手に夢を語りたいこの世が終わり迎えるときも
かさぶたを剥がした膝がちりちりと痛むくらいに君が好きだよ
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