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「ソーシャルワーク記録」社会福祉のレポート作成の参考にどうぞ。

「ソーシャルワーク記録」の書籍を参考に記録の意義、ワーカーのジレンマ、記録の活用などについてまとめた読書メモです。広く発信したいと考え、noteに投稿します。後半部分は有料です(本文3867文字)。

✔ソーシャルワーク記録,J.D.ケーグル著,相川書房,2006

参考図書
amazon.co.jp/ソーシャルワーク記録-J-D-ケーグル

本書の個人的所感

社会福祉分野の現場におけるソーシャルワーカーは、常に援助業務を行っているわけであるから、必然的に支援に応じて記録も求められる。支援のかたわら記録をこなしているという感覚は現場のワーカーならばだれもが実感することではないだろうか。
いかんせん突発的な事案や緊急対応は予期せぬタイミングで発生する。支援は現場で起こっている。机上で支援をしているのではないのだ。記録を書くための時間の捻出が困難になるという現実について、本書ではソーシャルワーカーにとっての「記録のジレンマ」として触れている点は評価できる。
記録の必要性も意義も重要性も誰もが認めるところである。だが、現実的にその記録を書くための時間の捻出ができない状況が多々ある。そして、記録を「コスト」と位置づけたこともソーシャルワーカーの立場を代弁してくれた内容である。
記録をいかに効率的に正確にとるべきかはワーカーの力量に委ねられている。福祉分野においては、アセスメントスキルや援助技法、法制度の知識に関するアップデートなどの研修や教育の機会はあっても、記録に特化した研修や教育制度が少ないのが現状だ。記録のスキルは個々人でも習得し、研鑽することは可能であるものの業務量における記録のコストについてはワーカー個々人で解決できるレベルのものではない。組織としてガイドラインを明確にし、記録のコストを軽減すべき仕組みをつくる必要がある。

ソーシャルワークの記録の意義

記録はソーシャルワーク実践にとって常に不可分な部分であり、さまざまな用途がある。ソーシャルワーク専門職の初期、メアリー・リッチモンドは「社会診断」の基盤をケース記録においた。その後、ゴードン・ハミルトンは、記録が実践知識の発展にとってばかりではなく、クライエントへのサービスの向上にとっても有効であることを示した。記録はコミュニケーションを支え、クライエントとワーカー間のフィードバックを可能にする実践の道具(ツール)として利用することもできる。

記録には、ソーシャルワーカーは何をしたのか、なぜそうしたのか、サービスがクライエントと状況にどのような効果をもたらしたのかを示すような膨大な記録を求められる。さらに記録はクライエントへのサービスの過程で直面する多岐にわたる個人的社会的ニーズを記述するため、膨大にならざるを得ないという側面がある。したがって、ソーシャルワーク記録の複雑さは、ソーシャルワーク実践の深さと幅の広さを反映している。

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福祉分野のソーシャルワーカーとして、2021年社会福祉士(社会福祉系通信制大学卒)取得、2022年公認心理師(Gルート)、2023年精神保…

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