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11曲目『ZEGEN VS UNDERCOVER』(平成12年 2000)12曲目『I don't know』(平成14年 2002)ナンバーガール

 さらに、コアな作品へと進んでいきます。
 満を持して、オルタナティブロックバンド、ナンバーガールの曲を紹介します。
 1995年に福岡県で結成、2002年に解散。そして、2019年、待望の再結成が実現(~2022年)しました。
 メンバーは、向井|秀徳(Vo.Gt.)、田渕ひさ子(Gt.)、中尾憲太郎(Bs.)、アヒト・イナザワ(Dr.)の4人。作詞・作曲のほとんどを、フロントマンを務める向井秀徳が担当しています。
 曲調は、ヒリヒリするようなパンク、ハードコア、ギターロックで、向井のボーカルスタイルもシャウティングを多用しています。また、祭囃子や合の手を入れたり、ラップを取り入れたり、と様々なアイディアが盛り込まれます。
 詞は、これがもう、向井独特の世界観が展開されていて、十代の頃のコンプレックスの塊と性的衝動、大正時代や昭和を彷彿とさせる人間模様を私は感じます。
 見た目、ですが、これがまた、普通過ぎて驚いてしまいます。解散前の向井秀徳は、オーディエンスから「のび太~」とか呼ばれていました。銀縁の眼鏡に、チェックのボタンダウンシャツを着てパンクを演る人は他に見掛けません。

 ナンバーガールの曲を紹介する、となると、選曲が大変難しくなります。あれも、それも紹介したいからですが、今回は、私が最初に彼らに出会った曲『ZEGEN VS UNDERCOVER』と『I don't know』の2曲を紹介します。
 『ZEGEN VS …』のZEGEN は「女衒」ですので、すでに、題名からして…です。
 向井のボーカルのスタイルは、シャウティングと声色を変えた高い音の組み合わせなので、どの曲も歌詞を聞き取ることが難しいです。下記に、歌詞サイトのものを貼っておきましたのでご覧ください。https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=F02573

 一部、取り上げてみます。

♪女衒が暗躍して 街が色 女郎とねんごろの潜入刑事
 《が》殺されて見つかった
 《のは》この街の路地裏で

 《  》から小節を歌い出す向井スタイルですが、歌詞を知らないで聴くと理解不能です(笑)

 以前に、CSのある音楽番組のインタビューで、ギターの田渕ひさ子が「ナンバーガールの曲に、歌詞は必要ですか?」というとんでもない質問をされたのですが、ひさ子は「はい。必要ですね」と真顔で即答したのが印象的でした(笑)
 
 アップする映像は、2001年のフジロックフェスティバルでの演奏ですが、向井は、其処だけでなく、普段からステージ上でビールを飲み、MCでは煙草を吸います。そして、すぐに、ギターの弦を切らして垂れ下げながら構わず弾きます(笑)
 向井は、「福岡県博多区から参りました、ナンバーガールです。ドラムス、アヒト・イナザワ!」と言ってから最初の曲、そして、最後の曲の演奏を始めます。
 アヒト・イナザワは、前回、紹介した川口千里ちゃんとまた違った千手観音スタイルで前にどんどん出てくるドラマーです。あんまり私が好きだったので、一時期、生まれる息子の名前に彼の本名の「亜人《アヒト》」と名付けようと考えたことがありましたが、のちに、グロいアニメーション「亜人《あじん》」が流行ったので、息子は違う名前でホッとしていると言っていました(笑)

♪『ZEGEN VS UNDERCOVER』ナンバーガール(2001年フジロックフェスティバルより)
 作詞・作曲:向井秀徳
https://www.youtube.com/watch?v=AudJY1cwDRU

 もう1曲、『 I don't know』を紹介します。
 宮崎あおいと蒼井優主演の映画「害虫」のタイトル曲になっています。
 また、いきさつは公になっていませんが、ドコモdビデオのCMに使われた曲にパクられています(笑)

 映像は、2002年のROCK IN JAPAN FESTIVALでの演奏です。
 見聞きしていただければお分かりになると思いますが、詩を静かに語り、曲が始まれば “明日がない”ような強烈なシャウティングをする向井秀徳です。
 これも、歌詞を聞き取るのが難しいと思いますので、貼っておきます。
https://www.uta-net.com/song/63225/

 この映像を撮影したカメラマンは、本当に、ナンバーガール愛を極めた人だったのではないか、と思うほどのカメラワーク&編集になっています。

♪『 I don't know』ナンバーガール(2002年ROCK IN JAPAN FESTIVALより)
 作詞・作曲:向井秀徳
https://www.youtube.com/watch?v=r6XjKSET35o

 騒がしい曲やパンクのお嫌いな方、ごめんなさい。
 しかし、鈴懸の琴線には触れまくりなナンバーガールであります。