文学フリマで何を販売するか

2025年1月19日(日)に開催予定の「文学フリマ京都9」へ参加予定です。

もう参加費6000円ぐらいを振り込み済みなので引き返せない。開催日までに不慮の事故や病気で死ぬことがない限りは参加することになる。

前々から文学フリマに興味は持っており、2022年に札幌で開催された文学フリマには買う側として参加した。そこで創作欲を刺激された僕は、「よし、次はワシも出店側として参加するぞ、絶対にだ」と決意して、でも何となく怯んでいる間に2年近くも経過してしまった。時間が経つのってマジで速い。

なぜ怯んでしまうのかっていうと、僕は基本的に会社員を続けられないような社会不適合気味な人間であり、他者とのコミュニケーションも得意ではないからだ。札幌の文学フリマに参加して分かった。このイベントは書き手から読み手へ本を直接提供できる場所であると同時に、「文学」という共通概念を口実にして他者とコミュニケーションする場所でもあると。

札幌では、勇気を出してphaさんと滝本竜彦さんと会話させていただいた。ほんの2分ぐらいではあるけど。両者とも本を読んでいるし著名人でもあるので、声を掛ける正当な理由がある気がして、話しかけやすかった。

でも一般の参加者とは一切コミュニケーションしていない。そういうの、無理な人間なのだ僕は。「こんにちは、面白そうな本ですね、ちょっと読ませてください」みたいなのが無理。それで買わないのも気まずいし、かといって社交辞令で買うのもそれはそれで失礼に思える。どうすればいいのか分からない。

「コミュニケーションが苦手」と言って一般的にイメージされるような、人見知りでアワアワと挙動不審になってしまう、みたいな感じでは僕はなくて、むしろ表面的には図々しいというか、偉そうというか、ふてぶてしいぐらいらしいのだけど(そうしている意図は一切ない)、内面では「いかにこの場に気まずい空気を流さず、楽しい場にできるか」ばかりを考えてしまう。そしてそれが疲れる。人と一緒にしばらく過ごしていると、疲れてきて1人の世界に戻りたくなる。

なら文学フリマなんかに参加しなければいいのだけど、電子ではなく紙の本を自ら作り、それを読んでくれる方へ自ら直接お渡しする体験にはとても興味がある。それに僕だって他者との繋がりを欲している。人と一緒にいると疲れてきてしまう気質がありつつも、一度きりの人生なのだから、もっと他者と関わって、共に何かを創作したり、ただ雑談したりしたい気持ちも一方である。この相反する気持ちを抱えながら上手く生きていくのが本当にしんどい、面倒くさい。でもしょうがない。

とにかく、文学フリマ京都へ参加することは開催日までに死なない限り確定したので、そこで売る本を作りたい。ちなみに文学フリマ東京39(2025年12月1日(日)開催)にも参加申し込みをしたけど、そちらは応募者多数につき抽選とのこと。もし当選したらどうしよう。2回も参加するのか……? まあ、それは当選してから考える。

どんな本を作るか。案は複数ある。

  1. Kindleで販売済みの本の続編を、紙で先行販売

  2. 現代日本社会の「生きづらさ」と、それへの対処法を説く本

  3. ゆるいエッセイ集

案1については、以下の本の続編。

これは文学フリマに関係なく2ヶ月前ぐらいから書いているのだけど、7万文字ほど書いた段階で暗礁に乗り上げてしまっている。僕の実体験を綴る自叙伝みたいなものにはなるのだけど、じゃあ日記みたいに事実をそのまま書き連ねればいい、というわけでもない。全体を通したメッセージがあって、それを表現する手段としての自叙伝という位置づけだから、実体験をどう整理してまとめるかが肝であり、それが難しい。上手く書けない。改めて1から書き直そうとしている状況。文学フリマまでに書けるのか分からない。

案2は、今の僕が実は最も書きたい内容。しかし風呂敷を広げすぎると収集がつかなくなりそう。大真面目に社会批評と人間考察みたいなことをするのか、それとも実体験をもとにした個人的処世術なものにするのか。僕が書く意味があるのは後者に思える。前者は理知的で賢い学者的な方々に任せればいい。

最後の案3は、3000文字ぐらいのエッセイをまとめた本。肩ひじ張らず気軽に手に取れるような内容のイメージ。具体的なテーマは未定。

いずれの案も、イベント後にKindleでも販売はしたい。せっかく書いたものはなるべく広く展開したいからだ。僕は執筆業をナリワイにしているのだけど、書くのが遅いので、一定期間を捧げて書いたものを文学フリマオンリーにしたら、家計に対して少なくない影響が出かねない。

どの案であっても、せっかく参加するのだから、普段は閉ざしがちな心をオープンにしてイベントを楽しみたい。

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