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『教育デザイン』それぞれの視点を持ち、多軸評価へ

教育とビジネスの要素をつなぐと、経営能力や会社の運営に関わるスキル。教育と飲食業の要素をつなぐと、食育をはじめとする食に関わる学びの場。
教育といっても、経営学も人材育成も料理も食育も、全てが『教育』で、その時々で俯瞰的にみて教育のあり方そのものを考える必要があると思います。
僕たちの考える教育の考え方はもっと広い。そのため、『教育デザイン』という言い方をしています。


はじめに・・・

僕自身、バブルが終わった頃に社会人1年目を迎え、それまでの経済成長とは真逆の経済低迷期ーいわゆる“失われた30年”の中で社会人生活を送っていました。

そこをなんとか乗り越え、修行期間を終えて独立し、経営者になりました。
経営者になった途端に、2019年の“働き方改革”や“世界的パンデミック”など、これまでの考え方や価値観を180度変えることになるような時期を味わい、今に至っています。
まだ団塊の世代の方々は現代社会に多く存在し(それが老害としてとかそんなことではなく)、単純に価値観の転換機に置かれていると思います。
過去の成功事例で物事を判断する世代が社会の中心にい続けることで、若者離れが始まる。そんな世代と若者を繋ぎ合わせることも僕たちの世代が担う大きな仕事でもあると思っています。

“失われた30年”はまもなく終止符を迎え、より社会全体が新しい価値観へと転換していくことでしょう。その中で最も重要なのは、未来への投資、つまりは『教育』だと思っています。失われた30年の最前線にていて、気づき変化してきたものについて、教育デザインという視点で考えていきたいと思います。

1:教育とはなんなのか?

僕たちの生まれ育ったこの国の教育について、違和感を抱いたことありませんか?
僕は幼少期、勉強というものが苦手でした。幼少期ながら生意気なのかもしれないけれど、何の為に勉強をする必要があるのかがわかりませんでした。
教育とは様々な要素がありますが、多くは社会に出るための階段のようなもので、少しでもその土台を作ることで将来役立てて欲しいというのが大きな教育の役割だと思っています。
しかし、現代でも教育は良し悪しをはっきりさせるような1つの軸での評価制度や、詰め詰めの教育制度があり、何か窮屈な感じがします。

僕の場合、勉強が苦手だった上物覚えが悪く、クラスの授業にほとんどついていくことができませんでした。わからないと思っても進まなければいけない、そうなるとどんどん置いて行かれていくのがわかるのに何も言えず、ただ聞くだけという時間を過ごしていました。

大人になって自分なりに考えても、暗記する力が弱いのは自負していましたが、同時に自分にとって記憶することが必要かどうかもわかりませんでした。
ただ意味もなく覚えることはできない。やりたいことや必要だと思うことに対して、時間をかけて物事の意味を理解した上でやっと覚えることができたのでした。

会社を経営していれば、たくさんの従業員と共に組織を作って行かなければならない。
子育てをしていれば、子供のことについていろいろと考えることがある。
そのそれぞれに“正しい”答えはないと思っています。
教育とは何かを考える上で、今感じている違和感について少しだけまとめていきたいと思います。

2:現代の価値観

『教育』の中には一つの軸のようなものはあると感じています。それが果たして全てなのでしょうか?
学校教育での”成績”といえば、勉強ができる/スポーツができる/工作や音楽が得意 など様々ですが、社会に出ればそれ以外に求められることがたくさんあります。
コミュニケーション能力/課題解決能力/発想力/アイデア力・・・これは社会に出る上で重要な要素です。

社員の面談時、スタッフと話していてよく感じるのが、自己評価が低いことです。
低姿勢で控えめに自分を見ることは決して悪いことではないと思いますが、これまでの教育制度のあり方が大きな影響を与えていると僕は思っています。
みんなと同じようにしなければいけない。自由という感覚、自己表現という感覚が、自己の作った枠に収まってしまっているように感じます。

現代で従順することが正しいかのように見えることは、これからの社会では通用しません。少子高齢化が進み、人口減少、地方の過疎化が進む中で、教育の分野においても大きな価値観の転換が必要であると考えます。

3:多軸評価

これからの時代は、学校教育だけでなく社会における評価の変化も必要とされています。
それぞれの個性を活かす、コンピューターではなく人がやれる仕事に対しての広い視野が必要だと考えています。
近年の技術革新を考えると、機械技術により“良いもの”が作られ、作業的な業務はどんどん効率化されていくようになっています。その中で新たに「人」だからこそできる“魅力あるもの”を創造していかなければいけないと思っています。

そこで必要なのが、多軸な評価制度。
得意分野、性格などその人らしさは様々で、ダイバーシティーと言われる時代では、個の魅力を最大限に引き立てることができる形や受け入れるしくみが必要なのではないかと思っています。

4:創造し、デザインしていく

教育デザインはそれぞれの立場からの視点がとても重要です。
これまでとは少し視点を変えてみる、俯瞰的な視点で物事を捉える、ボーダレスで自由な空間を作る・・・ただ自発的なアイデアや思考はワクワクした状態でした出てこないと思います。
何がきっかけになるかわからない。その環境をいかに創り、それを許すそのスペースを作ることから創造が始まるのではないかと考え、僕たちの『教育デザイン』では、そんな自由で多角的な視点での教育を、実践を通して伝えていきたいと考えています。

鈴木 将

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