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コロナショックで売り上げが7割減った、とある地方の飲食店がやったこと。〜GWの結果とその先の長期ビジョン編〜

STAY HOMEなGWを乗り越えて、あっと言う間の5月です。
前回書いた記事は多くの反響があり、同業者の方からもご連絡をたくさん頂きました。
今回は以前の投稿にもあった『3・4月の種まきがどのような結果になったのか』という報告と、『これからの長期的なビジョン』なんかを書けたらいいなと思います。

4月月の結果

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この数字は7店舗あるうちの、コロナショック前から弁当事業を行っていた店舗の売上実績です。この店舗のお弁当は、基本的にオーダーを頂いてからおかずを詰めてご用意するスタイル。一方で企業や自治会等でご利用いただくことも多く、事前予約の団体向け(単価:1,000〜2,000円)のお弁当が売り上げの主軸でした。

しかし、コロナショックにより、入っていた予約は3月時点で70%キャンセル、4月となるとほぼ100%キャンセルという状態。そこから舵を切り替え、個人向けの(単価:700〜800円台)の商品開発をすすめ、「のり弁」シリーズを展開するに至ります。(詳しくは前回のnote記事をご覧ください!)
このシリーズは、手軽な価格と馴染みやすい商品イメージの設定に加え、SNSでの広告を重ねることで、徐々にユーザーに浸透していき・・・市外のお客様の目的来店も得られるような商品にまでなりました。
この小さな種まきが、先ほどの数字やその後の動きにつながります

【 行動① 】店舗オペレーションの変更

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4月中の推移から、週末を中心にかなり来店数が伸びていることを感じ始めました。さらに、GWに入ると感染症対策をしながらの営業に加え、昨年を上回る来店数に対応するため、まずは店舗内のオペレーションを組み直すことが急務となりました。

お弁当の需要が高まると、仕込み内容や店頭での対応など、店舗のあらゆるオペレーションが大きく変わります。
以前までの主軸は団体向けのお弁当だったため、店舗では前日に様々な準備ができ、「仕込みが8割・当日2割」の段取りでした。が、当日来店でのお弁当がメインとなると「仕込み8割・当日10割」!?(笑)で、仕込みも到底追いつきません。
もちろん、店頭のスタッフも当日来店型のオーダーに慣れていないので、店舗は非常にバタつきます。

そこで実施したのが、作り置き弁当の販売です。
作り置き弁当の販売を行うことは、店舗側の効率化を図るだけでなく、ここ最近の“込み合う場所を嫌厭する動き”にあるお客様にとって、最も必要なサービスだと考えました。
作り置き販売のスタイルは「仕込みの作業・詰める作業・販売・お客様が召し上がるまで」の全ての工程を、衛生面から徹底して整えることで、販売効率を大きく上げられます。日頃行っている衛生面の注意をさらに強化するほかに、検査機関でお弁当の細菌検査を行い、常温保存でも安心してお召し上がりいただけるかどうかの確認もしました。
こうして販売スタイルを変更することで、店舗全体の作業効率は大幅に改善。仕込みもスムーズになり、他メニューの強化などもできるような好循環を生み出してくれました。

<大手スーパーとの取引スタート>

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家庭内での時間が増えたことで、スーパーマーケットの利用率が急激に増えています。そんな流れを受け、4月前半にスーパーのバイヤーさんからお声掛けいただき、数回の打ち合わせを行って5月より卸販売での取引がスタートしました。
さらに、スーパー内で臨時の催事出店(地元の飲食店のテイクアウトを後押しするような催事)のお話もいただき、GW中だけで合計1000個以上のお弁当を販売することができました。
その後、次々と他の施設からもお声掛け頂き、週末は早朝からお弁当を製造してスーパーや商業施設などでのお弁当販売を実施。元々の店舗外の場所においても好成績を残しています。

販売チャンネルを変えることについて

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最大のデメリットは、今までの飲食店としての利益構造が難しくなることです。
単純に1個あたりの売り上げが卸価格になってしまいますので、販売数が増えなければ、正直きつくなります。
通常店舗で販売しているものよりも細かい計算が必要で、お弁当の容器、割りばし等の食材原価以外にかかってくる費用までを、1商品単位でしっかりと計算する必要があります。
現在、外出自粛の規制が徐々に緩和されてきてはいますが、まだまだ気を緩められない日々が続きます。利益は少ない状態にはなりすが、動きを止めないためにも多少の利益構造の変更は必要だと思いますし、飲食店経営者や管理職者であればその中でのオペレーション・仕込み等の段取りの考え方を少し変えるだけで、しっかりと利益を産み出せるのではと思います。

そして、メリットはSNS等でのお客様の反応がすこぶる良いことです。
これは正直予想していなかったことですが、お客さまの口コミのスピードが、大幅にアップしたと思います。店舗営業がなかなか通常通りできない今、店舗を知ってもらう為の手段としても有効になっているということです。
これってとっても重要ですよね。売上が取れて、広報もできて、たくさんのお客様に美味しさを通してお店の魅力を伝えることができる。
僕的に、スーパーさんとの取引は単純に売上と人財を止めない為に判断して実行したつもりでしたが、それがお店がパワーアップすることにつながり、新規のお客様の獲得にも繋がっていたのです。

チャレンジしまくることでの更なる好転換

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様々なチャレンジをし続けた3・4月。その種まきが、少しづつうまくハマってきています。そして5月下旬からは徐々に各店舗が営業再開の動きに。3・4月でやってきた土台に上乗せして、通常営業が戻ってくれば、僕たちの戦う武器は大幅に増えていることになります。

営業スタイルを変えて過ごした期間により、スタッフの視点も変わり、創意・工夫が産まれ、さらに良くなる。足を止めず前に前に進むことで、モチベーションが上がり、このピンチの中仕事の幅が増えることで、現場のスタッフも急激に成長しました。さらに、動き続けてチャレンジする姿がメディアの目に止まり、5件の取材オファーを受け、我が社の活動を大きく取り上げて頂きました。

とにかく思考を止めない。

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止まらない。少しでもいいから前に進む
進んだ先の壁は、どう乗り越えるか考えればいい。
まだまだ先の見えないこの時をどう過ごすかは自分で決めるものだからこそ、失敗してもいいから前に進むことをとにかく考えました。

想像力を掻き立てろ!

考えてわからなくなれば、僕は情報を探します。
それは日々の暮らしであったり、ふとした会話であったり。「あ!」と気づいたことがあれば、すぐにメモしたりシェアしたりして忘れないようにします。
僕の考える創造力は、才能ではなく「意識」です。日常にはきっといろいろなヒントがあるはず。思考を止めず、日々を意識しながら創造力を掻き立てましょう!

ひとまず、直近の結果と動くことの大切さをまとめてみました。
今日はこのあたりで。。。
お読みいただきありがとうございました!!


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