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イラッ・ザワ・モヤ・スッキリしないコミュニケーションには、理由がある!!うっかりポイントまとめnote

クライアントにいつも「コミュニケーションは、練習し放題!ですよ」と話しています。周囲の人とすぐに練習できるし、毎日練習できます。

「練習ってどうやるんですか?」
そう、練習するにも知っておいた方がいいことがいくつかあります。

知れば知るほど、コミュニケーションって本当に面白い。
練習すればするほど、うまくなります。

ではでは、さっそく
コミュニケーションってなんやろ?からはじめましょう

コミュニケーションとは、「人と人がお互いに社会生活を営むために、意思や感情、思考を伝達しあうこと。」

わたしたちは、生まれてから育つ過程で、コミュニケーションのやり方を自然に経験から学んできました。生来の性格傾向も影響しているし、周囲の人の性格や態度や言葉、あらゆるものから培ってきました。

なんとなく身に着いたともいえます。
なので、意識したらどんどんスッキリする展開も夢ではない!


上手くいっている人は、そのままで!

コミュニケーションって難しいぃぃぃぃ!!!!
イライラする
モヤモヤする
ザワザワする

そんな人のために、
イラッ・モヤ・ザワが発生する落とし穴
コミュニケーションの基本的な構造
知ってると得する
自在に扱えるポイントをご紹介します。
少しでも面白いなぁと感じてもらえると嬉しいです。

対人コミュニケーションの基本要素と構造

私たちが普段、他者とのコミュニケーションで扱っている基本要素は、
① 誰が(話し手側)
② どこで
③ 誰に(受け手側)
④ 何を(内容、メッセージ)
⑤ どのように(経路、手段、手法)伝え
⑥ どんな影響(効果)を与えているか

整理するとこれだけです。
なのに、何故、噛み合わないと感じたり伝わらないもどかしさや憤りが起きるのでしょうか。

まずは、基本中の基本。
話し手側から受け手側に何が起きているのかをみていきましょう。

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コミュニケーションは、
① 話し手側が発したいと思ったことを相手に伝わるだろう「言葉」に変換して伝えます。
② 受け手側は、自分の培った経験から意味を読み取ります。

ズレるポイントに気付きましたか?

話し手側の「伝わるだろう」と受け手側の「自分の経験から」がズレるポイントです。

普段、わたしたちは自分が話している内容をおなじ精度で、相手もわかっていると思いがちです。日本には、「あうんの呼吸」という言葉があるくらいに相手の気持ちや空気をよめて当たり前だろうくらいの文化があります。
がっ!まさに!この「わかるだろう」と「わかったつもり」がうまくいかないウッカリポイントです。

伝わるものと伝わらないもの

伝わりやすさのコミュニケーションの順番は、
①「対面」⇒ ②「電話」⇒ ③「テキスト」の順番になります。
①「対面」は、③「テキスト」よりも、より多くの情報が伝わります。

頭に思い描いたことを言葉に変換し、伝えていくプロセスには、文字情報の「言語」とそれ以外の「非言語」の情報があります。
伝わりやすい順番の①「対面」や②「電話」は、「非言語」の音声で伝わる「パラ言語」や「身体動作」、「環境」や「距離感」からの情報伝達も加わります。(パラ言語:音の高低・強弱・スピード・音声の質・声量のこと)

情報量が多いということは、たくさん伝えられるメリットもあれば、誤解も生じやすいデメリットもあります。

一方、テキストコミュニケーションは「文字」だけでのやり取りになります。情報が少ないために、文脈が伝わりにくい傾向があり同等の言語の解釈と状況の理解が求められます。簡潔に伝えやすいということがメリットでもあり、デメリットにもなりうる。
昨今のスタンプ文化は、テキストコミュニケーションの文字だけでは伝わりにくいデメリットをイラストで補っていますよね。

「文字」で伝えるべきこと、「対面」で伝えるべきこと。
コミュニケーションは意図と目的によってどんな手段を使うか、考えて使い分けてください。
そうそう、直接言いにくいことをテキストコミュニケーションで伝えるのは、おすすめしません。誤解が生じて相手との関係性が悪くなりがち。言いにくいことほど対面で正直に会話することをおすすめします。

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ふたりいれば、ふたり分!

もう少し、ずれが生じるポイントを説明していきます。

「話し手側」が好意的・明るい声・笑う・目線を合わせる・うなずく・体を向けるなどのポジティブな態度で接する場合。多くは好き・親しくなりたい・認めたい・関心があるなどの相手との距離感を近づけたい心理が隠れています。
ですが、ここにもウッカリポイントが潜んでいます。話し手側が好意的に接したからといって「受け手側」も同じ心理的意味で受け取るとはかぎらない。どう受けとっているかは、相手に聞いてみないと分からないものです。


逆にネガティブな態度は、「話し手側」の意図した意味で伝わりやすく、大きな影響を与えがちです。
また、そんなつもりはないのに「話し手側」の意図に反して、「受け手側」が高圧的・威圧的・暗い声・無表情・視線をそらされた・体を背けらた・離れていると感じてしまうこともあります。
そして、嫌いなんだ・親しくなりたくないのか・認めていない・関心がないと思い込んでしまうケースも少なくありません。

実際のケースで、上司に対して、いつも怒った口調で話すので怖いと感じていた部下のAさんの話を伺い、上司のBさんに「Aさんの話を聞いていかがですか?」と訊くと「指示を出すのが苦手で毎回緊張していた」という背景が隠れていたなんてこともあります。
似たようなケースは、日常にたくさんありそうですよね。

意図したことが伝わらない。意図していないことが伝わってしまう。
それは、会話する瞬間、お互いに心理的意味が存在するからです。

意図したことが伝わっているかを確認したり、相手の気持ちを聞いてみる。自分の気持ちを話してみるということが本当は、大切なんですよね。
そんなことまで必要なんですか?と面倒くさそうに反応する方がいますが、そう面倒くさいことを早めにやっておくと、後々のコミュニケーションが楽になりますよ。

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ここまでのまとめ
・「わかるだろう」と「わかったつもり」がうまくいかないウッカリポイント。
・「テキスト」「対面」「電話」どの手段で伝えるかは、意図と目的に応じて使い分けよう。
・意図したことが伝わっているかを確認したり、相手の気持ちを聞いてみる。自分の気持ちを話してみることが大切です。

事前に知っていたほうが良い大切なポイント

スムーズなコミュニケーションを成立させるためには、大切なポイントが3つあります。
1.ふたつの共有があるか
2.ふたつの意味の理解があるか
3.協調の原則をふまえているか

1.ふたつの共有

事前に共有しておいた方が良いことがふたつあります。
①言葉に関する知識の共有
②価値観や文化、ルール、背景の共有

① の言葉に関する知識の共有とは、例えば「象」の話をしようとする場合、実際には、お互いに「象」を知っていても同じ言語を理解していなければ、どんなに説明しても伝わりません。言葉の意味や文法や言語のルールをお互いに知っている必要があります。

同じ言語を使っているから理解している!大丈夫!というのも要注意ポイント!ここにもうまくいかない落とし穴があります。
言葉の意味は、時代とともに変化しています。辞書が改変されるのはそのためですよね。本来の意味と使われ方が違っている言葉は、たくさんあります。

たとえば
「いそいそと」
本来は、『動作に嬉しさがあふれているさま』ですが、慣用的な用法では『気づかれないように行動するさま』として使われます。

「やばい」
本来は、『危険や悪いことが起こりそうな形勢』の意味がありますが、若い方には肯定的に使うケースもでてきました。

言葉の意味は、時代とともに変化していきます。世代や培ってきたコミュニケーションの傾向やパターンによって意味のニュアンスは「違う」という前提を忘れずに!

②の価値観や文化、ルールの共有がなぜ必要なのかも紐解いていきましょう。
同じ言葉を理解できても「象」そのものを知らない人には、説明しても「なんのこっちゃ?」と伝わりません。
「言葉」は知っている。けれど見たことも触れたこともない人には、話し手と同じレベル感で想像するのは難しいのです。

よく、経営者や上司が「組織が思うように動かない」「チームの行動が伴わない」と嘆いているシーン。あるあるですよね。
話し手側がイメージしていることがメンバーや部下には、同じように想像できていないという前提で丁寧に何度も会話をしましょう。

上司がたくさん話した後に「わかったか?」という問いかけに「わかりました」と反応応答しているケースなんて一番怪しいですね。
内容が理解できてわかりましたという意味なのか「わかったか?」という言葉の意味は、分かっていますよという反応応答にすぎないのかの見極めが大切です。
内容の理解度を確認するには、復唱させたり、話した内容の要約をさせたりすることをお忘れなく!

共通の体験や認識の数が増えるほど、物事の伝達はスムーズになります。
同じ景色がみえているか?どう伝えるかも試行錯誤が必要ですよね。
百聞は一見に如かず。手っ取り早く伝えるには、同じ体験や経験を積み重ねていく必要があります。

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2.ふたつの意味の理解

言葉には「外延的意味(がいえんてきいみ extension)」と「内包的意味(ないほうてきいみ intension)」があります。

たとえば、「象」で説明すると。「象」の外延的意味は、陸上の動物のうちで、最も大きい獣。鼻が長く、牙(きば)が大きいという誰にとっても同じ定義や意味を指します。
一方、内包的意味は、小さなころにみた初めての大きな動物かもしれないし、友人と遊びに行った動物園で鼻水をかけた動物かもしれない。その言葉をきくと思い出される感情や記憶。その人の経験や体験と密接に関係している固有の意味を指します。

共通して知っている言葉の意味(外延的意味)と固有のエピソードから生じる言葉の意味(内包的意味)。ふたつを理解するためには、自分と相手が「言葉」にどのような意味の理解とエピソードや印象をもっているのか知っていく必要があります。

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3.協調の原則

会話する者同士が会話を効果的に伝達するために、無意識または意識的に守っている4つの原理があると言ったのはイギリスの哲学・言語・心理学者であるH.Paul Grice H.(ポールグライス)です。
この原理が守られないと会話は、噛み合わなくなり違和感を感じます。

4つの協調の原理
1.質の原理・・情報が正確であること
2.量の原理・・求められている適切な情報量であること
3.関係性の原理・・会話のテーマに関係性があること
4.明確さの原理・・順序立ててわかりやすく簡潔に情報を伝えること

1.質の原理
相手の知りたい内容を正確に正直に伝えられていますか?
問いかけられたり、話されることに対してよくわからないのであれば「わからない」と素直に正直に伝えることが大切です。
(そんなこと当たり前じゃんと思ったあなた。要注意です。)
知らないという自己開示は、人によってはハードルがあります。できないという印象を与えたくないという心理が働き、とにかく「何か」答えたくなります。
相手が正確な情報が欲しいと思っている場合、あなたの意見を聞いてるんじゃないんだけどなと不快に感じている可能性もありますよ。

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曖昧で不明確な情報を相手に伝えると不信感を与えたり、いい加減な人という印象をもたれてしまします。(もったいないですよね。気を付けましょう。)相手があなたの気持ちや考えを聞いている場合は、これにはあてはまりません。思いっきり好きなように表現してみてください。

2.量の原理
相手が求めている回答の情報量は、無意識に要求されています。以上でも以下でもなく適切である必要があります。
だらだらと長く話されたり、内容が簡素すぎると受け手側は、協調性がなく不快だなと感じる傾向があります。

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相手がソワソワし始めたり表情がくもったり何かしらの身体動作がでてきたら要注意です。違和感が生じたら正直に話して、お互いにとってより良いコミュニケーションを一緒につくっていきましょう。

また、言葉の情報量についての補足ですが
相手との距離感によっても情報量は変化します。
例えば、相手と親しくない頃は丁寧な言葉と遠回しな言葉が多くなります。逆に近しいと感じている相手には、端的で簡潔になりがち。
ということは、お互いが感じている距離感が一致しているなら良いのですが、そうでない場合は、相手に違和感を感じさせている可能性もあります。

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3.関係性の原理
話されているテーマと関係する返答ができているか。
(そんなの当たり前じゃんって思いますよね。でも意外と出来ていないものです。)
文脈がズレているケース、意図の読み取りが不十分な場合も会話が噛み合いません。聞いてもらえていない不満が発生し結果、信頼関係が損なわれます。話しているテーマにそっているか文脈がずれていないかを確認したり、そもそもの意図や目的をすり合わせることが大切です。

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4.明確さの原理
不明確なあるいは、曖昧な表現によって相手を混乱させていませんか

順序だって簡潔にわかりやすく伝える必要があります。
会話の意図と目的をお互いが理解しているか
説明的な言葉が多すぎると、かえって相手を混乱させることもあります。

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おぉっと。私のこの記事も簡潔で分かりやすいか怪しいですね~。
うーむ…伝えるって むっ難しい。
じゃなくって、面白いんですよ。

これだけたくさんのことを書いてきましたが、うっかりズレてしまうポイントは無数に存在します。なので、違和感を感じたら正直に、素直に話して軌道修正していくこと

もうこれにつきます!

会話する相手とともに、
お互いの「言葉」の意味を理解しあいながら
意図や目的をすり合わせしながら
伝わったかを確認しあいながら

大いなるナゾナゾに取り組む感じで、楽しんでください!
Enjoy communication!
そう、コミュニケーションは練習し放題です。

みなさんからサポートしていただけると「書いてよかった!」とはげみになります!ありがとうございます!