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空想現実 人生 返信 。

僕は 特別に生まれた。
神様は、意図してか意図せずにか
分からないが、僕を つくった。

世界は残酷だった。
僕は 何も出来なかった。

初めから、父親という存在は
知らなかったし、母親はいつも
家に居なかった。

毎日 薄暗い 部屋の中で過ごした。
そこしか 知らなかった。

誰もいない 部屋に1人。

僕の中には 僕しか居なかった。

だから、僕は 僕の中に
もう1人 僕をつくった。

そいつは、僕のことを何でも
分かってたし、

どんな時も そばにいて
僕に 話しかけた。

何もない時も 苦しい時も 消えたい時も。

いつも 一緒に居て、話してた。

そいつがいると何でも出来た。

スーパーマンごっこもした。

あの時は 人生で
1番楽しかった。

でもある日、知らない人達が
僕のことを 見つけた。可哀想な子として。

突然、世界は広くなって
僕の周りは人であふれた。

沢山の人から
好奇の目で見られた。

僕は みんなと違うらしい。
やっと 気付いた。

僕のことを分かってくれる人は
1人もいなかった。

僕の中のあいつ以外は。


やがて、新しい居場所が出来た。
血は繋がっていないけど、
家族という存在も出来た。

本当の家族じゃないからか

僕のことを真剣に考えてくれた。

いつしか、何でも話すようになった。
どんな事も 聞いてくれて、
僕を褒めてくれたり、たまに
怒られたりもした。

僕に沢山の愛をくれた。


いつの間にか、あいつは居なくなってた。


もう 大丈夫
俺は 必要ないだろ

そう言われた気がした。

微かに微笑んで
消えていくあいつが浮かぶ。


いつかの スーパーマンを想った。
次は君の番だ と、バトンを渡された
様だった。

僕は 大物になるかも と思った。
いつか世界は 僕のものになる って。



時間は過ぎていって、

僕は大物にはならなかった。
平凡を歩いた。だけど、小さい頃の
あの時に比べたら、僕の世界は豊かになった。

僕は 何でも出来るようになった。

一緒に居ると 楽しい仲間たちも出来た。
こんな 人生も悪くない。

そんな時に君と出会った。

君は いつも
「私は …」と
どうせ出来ないですって顔で
笑うのが癖だった。

何故かその顔に、あの頃の僕が写った。
何も出来ない とさめた顔の僕が。

僕には、君が 本気を出せば
何でも出来る気がしてた。

君は 何かを抑えてるようだった。
解放出来たら、楽になるんじゃないかな。

本当の君は 何でも出来るんだ。

ある時 それを君に伝えたら、
否定も肯定もせず
君は 何とも言えない顔で
僕を見つめてきたね。

それから、君は
「ありがとう。」と呟いた。

家に帰って、僕は 何だか
あの頃の僕の事を 想ったよ。




僕は 特別 に生まれた。
その特別は、僕のことを苦しめて

僕に何も出来なくした。

僕は 愛を知らなかった。

でも、人生は 分からない。

こんなボクでも、此処まで来れたんだ。

あれから 沢山の愛をもらった。

だから、今度は
誰かに沢山 愛をあげたいんだ。

僕は 出来るなら、君の人生を
見ていたい。

君が 笑ってくれるなら、僕は
笑っていられる。

僕はただ、伝えたかったんだ。

君は 特別だってこと。



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