「 私の 頭の中の 話です 」
仕事に 弁当を持って行かず、買って食べるということが 増えた。休憩が近付くと 何を食べようかと 考えることも多くなった。
今日は 何を食べようか …
あれでもない 、これでもない 、どれでもない 。
そう 考えていると、私の中に 1人の女の子が現れた。
(女の子と言っても背が高く だいぶ成長している。だが女の人と言うには少し違う気がする。)
その子は お金持ちの家の子なのか、何でも持っていて 欲しいものは大抵 手に入るようだ。
彼女は 目をキラキラ輝かせながら、踊って
希望に満ち溢れた声で 私の言葉を繰り返した。
今日は 何をたべようか 。
あれでもない 、これでもない 、どれでもない 。
彼女は 美味しいものを沢山食べてきたが、自分の満足するものが未だにないと言う。
彼女はいつか出会える 、最高のものがあるんだと、期待しながら 踊っている。
すると、もう一方から別の女の子が出てきた。 今 踊っている彼女とは 、正反対の 沈んだ目で、佇んでいる。
その子の服は ボロボロで服とも言えないぼろ切れだ。相当生活に困っているのだろう。
今日は 何をたべようか。
あれもない 、これもない 、何もない 。
そう ぽつりと言って、彼女はどことも分からない場所を 見つめている。
どうやら、食べたいものは沢山あるのに、
今日 食べれるものを なに1つ 持っていないらしい。
2人は 、お互いの存在に気付かないのか
周りが見えていないようだ。
2人は 、口を揃えて言った。
今日は 何をきようか。
あれでもない これでもない
( あれもだめ これもだめ )
どこにもない
( どれもだめ )
2人は、色々な服を思い浮かべた。
だが、片方は 世界には服が沢山あるが、どれも自分の心が踊るものがないと言う。
もう片方は、着たい服が沢山あるのに、そのどれも自分には着ることが出来ないと言う。
私は、2つの世界を
2つに仕切られた画面で 見ているようだ。
それぞれの世界にいる2人は、
ふと 、カメラを見つけて
声を揃えて 言った。
私を 抱きしめてほしいの 。
今すぐ 連れ出してほしいの。
あそこがいい 。 ここがいい 。
どこでもいい 。 幸せな みらい 。
全く違う環境で 全く違う世界なのに、同じことを想っているらしい。
これは 私の 頭の中の話 。
私は 今日、何を食べようか 。
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