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迷子のキーホルダー 。

昔、食品売り場で迷子になった事があった。
気付いたら誰もいなくなってて、

たぶん 実際はそんなに離れてはいなかったのだろうけど、子供にしてみれば 視野も狭いし
すごく広く見えるんだろうね。

何処に走っても 母も姉も見当たらなくて
この世の終わりかと
パニックで泣きじゃくってた。

そしたら、そこの従業員の人が
声をかけてくれた。

なんかはきはきとした感じの20~30代の
若めの女の人で、もう 顔も覚えていないけど

私を落ち着かせようと
話してくれてたのを
覚えている。

私がだいぶ落ち着いてきたら
鍵か何かに付けていた大量のキーホルダーを
見せてくれた。

その人はご当地?のキティちゃんの
キーホルダーを集めているらしく、大量に付いてる中のひとつを
頑張って泣き止んだご褒美として私にくれた。

その直後に、母と姉が横を通りかかって
私の迷子は終わったのだけれど、

その時もらった キティちゃんのキーホルダーを
ずっと大事に持ってて、それを見る度に
あれは何処の誰だったんだろう と
迷子の記憶と共にその人を思い出す。

もう一度会って、あの時の迷子です。と
歳をとっておばちゃんになっているであろうその人に、お礼を伝えることとか出来ないかな
と考えたりもした。

暫く経って

ある時、なんとなく
そんな事あったなぁと
キーホルダーを探してみたら、

そのキーホルダーがいつの間にか
消えていた。

捨てた記憶もないし探しても探しても見つからない。あれは夢だったのかしら とまで思った。

結構独特なフォルムのキティちゃんだったから、私の記憶にはしっかり存在しているのだけれど。

思い出の品が無くなるというのは
思い出までなくなるみたいで、

この迷子事件をいま久しぶりに
思い出した。

何処にいったのか と
あのキーホルダーを探すことも
いつか忘れてしまいそうなので

此処に 書いておこう …

いつか 出てくるといいな …

あぁ!これやーって
出てきたらなりたい。

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