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【週刊ユース分析】興國高校を改めて調査!!

2022年に現在の東西10チームずつから12チームに拡大される高円宮杯プレミアリーグ。
そこで新たに昇格が期待されるチームを高体連所属を中心に探っているのですが、

EAST(東日本)候補の帝京長岡(新潟)前橋育英(群馬)

WEST(西日本)候補の神村学園(鹿児島)に続いて4校目。

大阪・興國高校を調査します!!


正直 WEST、特に関西は強豪チームが多すぎてチョイスしにくいんですけど(汗)、注目度で言えば頭一つ抜けているのがこの興國高校。

調べれば調べるほど興味深くかなり面白いチームなのですが・・・あえて一言で言うと「よくしゃべる!」でしょうか(笑)。

果たしてこれは何を意味するのか。詳しく見ていきましょう。


■まずは9年間の戦歴から

長らく大阪府1部リーグの戦いが続いていました。といっても大阪ですから、強豪校が山ほどいる中で2位3位ですね。

そして2018年に念願のリーグ制覇。満を持してプリンス昇格を果たしました。

興國高校サッカー部は、内野智章監督が就任してから大阪でも屈指の強豪校になったのですが、就任年が2006年。ということで、
意外と時間を掛けているんだな。と言うのが第一印象でした。

しかし、

僕が就任した当初は部員も少なく、その半分以上が高校からサッカーを始めたばかりの選手でしたから。
※REIBOLAさんの記事より引用

上記見る限り、本当に一からの構築だったんですね。
強豪ひしめく大阪で10年ちょっとで代表校になるまでに成長させたとなると、むしろ凄い事です。

では、どうやってここまで強化してきたのか。
それが内野マジック、または内野イズム。
以下2つのキーワードで探ってみたいと思います。

① 美しく勝利せよ
② ボトムアップの融合



■美しく勝利せよ

サッカー部のスローガンです。
テクニック重視は静岡学園・井田監督を彷彿させますが、興國の場合、ボールを使わないトレーニングはしない。という徹底ぶり。

自らを”関西のバルセロナ”と呼びハッパを掛けます。21年マリノス新人・樺山選手の足元を見ているとその呼び方もフェイクではないとうなずけますね。

そして僕が興國高を改めて「インテリジェンス」と称したくなる大きな理由がもうひとつ。
それは内野監督と選手たちのLINEのやり取りに垣間見ることが出来ます。

監督と選手とのやり取りはよくあるノートではなく(中略)全てLINEで交わされるのも興国流だ。
試合の反省のほか、指揮官から参考にすべき動画や記事を、選手個人に送ることも日常茶飯事。

SNSを使って参考にすべき動画や記事を送り、選手自身の分析をフィードバックさせる。と言うのです。
この「自分で考える」という訓練が興國のサッカーをひと段階大人にしています。

それから、この”自分で考える”という内野流は、よくしゃべる部員たちを創出します。
2つ目のキーワードを探ってみましょう。



■ボトムアップの融合

いくら全国トップクラスと言えど2種年代ですから、やはり指導者の力が強くなる(つまりトップダウンが主流になる)わけです。

が、内野監督の場合、本当に徹底してボトムアップを求めてるんですよね。

ミーティングも選手だけで行い、自分は絶対に入りません。僕が口をはさむと、どうしても日本の文化的に選手たちのマインドや思考が支配されてしまう。
(中略)せーので意見をぶつけ合う。そうすることで選手たちと監督とで、純粋な意見交換ができると思っています。
※Forbesさんの記事を引用

ミーティングは基本選手たちだけ。一方で、タイミングを見て介入するとも述べられています。

やはり放任していてはチームは定まりませんから、適度にキッチリ締めるわけですが、ビジネスマンも参考にすべき理想的なDelegate(委任)型リーダー像だと思います。

これを思春期の高校生相手に実践しているわけですから凄いですよ。
大人相手にしたってなかなかできないことなのに(汗)。


で、この本気のボトムアップの何が素晴らしいかと言うと、やはり自分で考える力の向上だと思います。

高校を卒業したら親切な指導者はいなくなるわけです。多くの大人が言います。「先生がやって来て教えてくれるのは学生時代だけ」
社会に出て自分を支えてくれるのは、やはり自分で考える力なのです。


興國の選手たちはこれが出来るんですね。
これこそが内野イズムの神髄で、プロが興國の選手を積極的に獲りたがる理由なんだと思います。
大人なんですよ。既に。


自分たちで考えて、自分たちで進行方向をまとめるために選手同士、選手と監督、屈託のない意見をぶつける必要があるのです。
これが冒頭に称した「よくしゃべるチーム」の正体ですね。



■注目選手!!

マリノスの樺山選手はすでに有名ですから、それ以外の選手を3名ほど。


田川知樹選手 (興國 →横浜Fマリノス)

樺山選手と同級生のGK。さすが興國。売りは足元です。

本人も尊敬する選手に朴一圭選手(元横浜、現鳥栖)を挙げており、マリノスサッカー向きなのは明らか。
マリノスはベテランから若手までJトップクラスの選手層の厚さですが、ぜひJ1の舞台で見てみたい!!


田上涼太選手 (興國)

新チーム(21年度)の3年生。プロ5人輩出の強烈な先輩達に混じって堂々CBを務めていましたがやはり魅力は足元でしょうか。

静学優勝時の阿部健人主将もそうでしたが、やはり剥がせるCBってそれだけでプラス1人みたいなところありますからね。

こういう選手、どんどん出てきて欲しいです!


宮原勇太選手 (興國)

期待の新1年生。

先日行われた Blue Wave event tour 2021~大阪春の陣~スペシャルバウトにおいて、静学相手に中学3年生ながら10番を付けて先発。さらに1ゴール奪ってMOMに選ばれているスーパールーキー。

どうやら中学3年生で、 横浜F・マリノスのトップチームにトレーニングパートナーとして参加経験もあるようですね。
(恐るべし興國ーマリノス ライン)

2種ファンはもちろん、マリノスファンも要注目です!



■最後に、

独特の指導方針と明確な旗印でNEWインテリジェンスを確立している興國高。

内野監督自身、全国大会についてどのような考えをお持ちなのか興味があったのですが・・・その答えはスカパーさんの動画で明確になりました。

キャプチャを借用させていただきます。

良いですね~。これですよ!これ!!
全国の興國ファンの皆さん。今のうちから高円宮杯プレミアリーグに集合です(笑)!!


青森山田の黒田監督も「プレミアが生活の中心にある」と述べていましたが、
”プロになるならクラブユース”という定説に真っ向勝負を挑んでいるこれら高体連のチームがプレミアに増えてきたら・・・盛り上がりますよね。


現在のサッカー王国・大阪(私調べ)。そこで明らかに違いを見せる興國高。
彼らのプレミア挑戦と、量産されるプロ選手に今後も注目です!!




本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!



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