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【週刊ユース分析】2021年版・サガン鳥栖U-18を調査!!

ちょうど1年前。

中断中だった高円宮杯プレミアリーグのチームをひとつずつ予習しようとして、まず真っ先に取り上げたのがプレミア初参戦のサガン鳥栖U-18でした。
理由は他でもありません。強かったからです。


その時は以下のコアメッセージを紡いでnoteを綴りました。

19年度 サガン鳥栖は20億円の赤字を計上。

しかしながら経費の無駄遣いは見られず、赤字のほとんどは大型スポンサー離れによるもの。

堅実な経営をするためには地元のスポンサーを味方につける必要があり、そのためには”生え抜きバンディエラ”の存在が必要不可欠。

すなわちユース強化は必須である!!


これは僕のnoteのテーマである「ユースの強化は、チームの光」の基礎部分です。

そして、

赤字経営で非難されている竹原社長だが、実は裏でアヤックスと業務提携しており、次世代への種を蒔いている!
これからの鳥栖ユースは大注目!

ユース卒ルーキー松岡選手と本田選手は開幕スタメン。
もしかしたら高2の中野選手も今シーズン中にデビューするかも。

と言って締めくくったのでした。



■あれから1年

僕の着眼点は間違っていませんでした。ただ、

そのスピード感については完全に目測を誤っていました(汗)。


記事を投稿したあと目の当たりにしたU15、U18の全国制覇。その後OBおよび現役生のトップチームでの活躍。中野選手に至ってはトップデビューをサクッと通り越して17歳でU24代表入り。

これら全て、1年以内に起きた事。

プレミアリーグでどんな戦いを見せてくれるのかな~と悠長に楽しみにしていた自分にとっては驚き以外の何物でもありませんでした。

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↑ 1年前には「そろそろトップデビューかな?」と言っていた選手



★ここで改めて1年間で起きたことを整理してみます。

☑2020年2月22日 J1 川崎戦
松岡大起選手本田風智選手(当時高3) 開幕戦スタメンデビュー

☑2020年8月1日 J1 FC東京戦
中野伸哉選手(当時高2) Jリーグデビュー

☑2020年10月9日
兒玉澪王斗選手相良竜之介選手(当時高3) トップ昇格内定

☑2020年12月28日 高円宮杯 全日本U-15サッカー選手権大会
サガン鳥栖U-15 優勝

☑2020年12月30日 日本クラブユースサッカー選手権
サガン鳥栖U-18 優勝

☑2021年2月26日
安藤寿岐選手(当時高2)、福井太智選手(当時高1) 2種登録

☑2021年3月19日
中野伸哉選手(当時高2) 日本代表U-24選出

☑2021年4月30日
岡英輝選手(当時高3) 2種登録

☑2021年6月18日
二田理央選手(当時高3) 2種登録、トップデビュー


また、上記の時系列で挙げられなかったユース出身・鳥栖所属の選手は、
樋口雄太選手(大卒3年目)
石井快征選手(高卒3年目)
板橋洋青選手(高卒2年目)
大畑歩夢選手(高卒2年目)


更に最近の2種・3種の代表候補メンバーは、
二田理央選手
 (2021年4月30日 U-18代表候補メンバー)
北島郁哉選手
 (2021年6月17日 U-17代表候補メンバー)
楢原慶輝選手
 (同上)
坂井駿也選手
 (同上)
小池朝陽選手
 (2021年7月2日 U-16代表候補メンバー)
林奏太朗選手
 (同上)
大場章太郎選手
 (2021年5月2日 U-15代表候補メンバー)

と、ものすごい数。


さらに強豪・明治大学に進んだユース選手権MVPの永田倖大選手、得点王の田中禅選手もいますからね。

もう語彙力無視して言わせてもらうと「ヤバい」。この一言に尽きます。



■鳥栖ユースの更なる進化

アヤックスとの提携に話題を持って行かれがちですが、近年鳥栖ユースが力を入れているのが「AI分析の導入」。(footballistaさん参照)

2020年5月にAI企業のLIGHTzとパートナー契約を締結。分析プラットフォームもオリジナル開発するんですね。これは凄い!!

AIって聞くとなんか難しそ~(汗)って思う方もいるかもしれませんが、ひとまず目的は「可視化」「共通化」なんだと思います。少し詳しく。


①可視化

サッカー以外でもそうですが、物事を突き詰めるとき「大体できてると思うけど、あとちょっと足りない」みたいに感覚で話していても限界があります。
個人だとセンスのみで何とかなってしまうのですが、レベルが上がってきてチームで共有する場合には不可能です。

そんな時、「今 ○○が50できていて、あと△△を30までやればいい」みたいに定量的に示すことが出来ればかなり効率的な改善が望めます。

AI(というかDXですけど)の本質は、まずこれを明確にすることです。

今治を率いる岡田さんの「岡田メソッド」も、この辺をかなり大事にしていますがユースレベルでは鳥栖が圧倒的に先を行っている感じがしますね。


②共有化

明確になれば当然、共有もしやすくなります。
ユースからトップに昇格して金監督の下で同じ言葉、同じ概念で指導を受ければすぐに試合に出てフィットできるのもうなずけます。

逆にトップ昇格できなかった選手に対しても、ここを補完して欲しいと伝えれば納得性も高まります。

ジュニアユース、ユースの一貫方針はクラブチームの強みで、柏ユースの吉田 達磨さんの指導が有名ですが、こちらもまた数字との融合で鳥栖が先を行っている感じがしますね。



鳥栖ユースに注目の皆さんは、これからは株式会社LIGHTzとセットで注目していく必要がありますよ!!

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いかにもやってくれそうなLIGHTzさんのHP


■これからの鳥栖

実績を出し続けている鳥栖のアカデミー。竹原元社長が投資したアヤックスとの提携は確実に鳥栖の地力をupdateしました。

ここまで来ると、やはり次は「A代表」でしょう。


林選手がU-24に選出されたことはとてもタイムリーですが、実はここに鳥栖アカデミーの次の課題が隠れいていると思っています。

それは得てしてクラブユースの利点の裏返しでもある、個性


可視化、共有化を駆使して強くなった選手が「代表」に入って世界と戦う時に同じようなクオリティを発揮できるのか。
そこで大事になって来るのが自律的に考える力、ポピュラーな言葉で言えばインテリジェンスです。

大阪の興國高校や埼玉の昌平高校がこの辺をかなり重要視して、Jチームから評価が高いのは周知のこと。

逆に鳥栖の中でそれを一番持っているのが林選手ですね。履正社、大体大と渡り歩いてきた苦労人は凄くいい意味で”異質”です。

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何かやってくれそうな男はAIを超える


■そんなこと言われなくてもわかっている鳥栖(笑)

僕が個人的に「さすがだな」と思うのが、鳥栖自身このことを良くわかっているし、それに対して圧倒的な速さで手を打っていることです。

次の林効果を得るべく、能力の高い大学生選手の内定を次々と発表していますね。例えば、

佐藤選手は磐田ファンの間でも噂になっていていた選手。京都のチョウ監督も教え子だし獲得希望したんじゃないだろうか・・・鳥栖さんズルい。

そして、

生え抜きの児玉選手(→相模原)、石井選手(→愛媛)にはレンタルで武者修行を命じました。


鳥栖ファンの中にはアカデミーで良い選手がいるんだから大卒選手なんてとらずにそっちを使うべき。と思う人がいるかもしれませんが、これは長い目で見れば誤った考えかもしれません。

理由は他でもありません。

アカデミーのデメリットを解消するための新しい空気の取り込み、および新しい空気を経験させる機会づくりは、代表で活躍できるバンディエラを育てるうえで必要不可欠だからです。

大学進学した永田選手、田中選手らにも同様のメッセージがあると推測します。


■最後に、

1年後。
鳥栖のアカデミーがどうなっているか、すでにとても興味があります。

中野選手はA代表選出もあり得るでしょう。運動量もクロスの質も高校生を超えています。長友選手の後継者になって欲しい選手です。

もしかしたらC契約の概念を打ち破ってくれるかもしれませんね。年俸480万円で契約する選手じゃないでしょう!(笑)


現時点で磐田U-18はまだ鳥栖U-18と対戦していないのですが、早くプレミアでみたいですね。
磐田にも良い選手がたくさんいますから、どのくらいやれるのか注目しています!

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ちなみに、

6/27 プレミア大津戦 スタメン
GK 41 長瀬 太陽
DF 3 安藤 寿岐・・・2種登録
DF 4 岡 英輝・・・2種登録
DF 6 中野 伸哉・・・U-24日本代表、2種登録
DF 17 竹内 諒太郎・・・U-17日本代表候補
DF 27 林 奏太朗・・・U-16日本代表候補
MF 5 坂井 駿也・・・U-17日本代表候補
MF 8 楢原 慶輝・・・U-17日本代表候補
MF 14 福井 太智・・・U-17日本代表候補、2種登録
FW 9 小西 春輝
FW 16 大里 皇馬


ヤバい(汗)。



本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!




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