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【今さら】やはりVaundyは良い。

■出会い

youtubeをザッピングしていて、ここのところ妙に幅を利かせている”シティポップ”の存在感に「はっ」と思わず心躍ってから早2年ぐらいが経っただろうか。

きっかけはtofubeatsだった。
「朝が来るまで終わることのないダンスを」のPVはヤバかった。学生のころ渋谷六本木のクラブに通い詰めていた頃の、終電が無くなってから始発を待つ東京の姿はまさにこんな感じだった。

もう二度と経験する事の無い空気感だと思っていたらコ口ナ禍がやってきて都内が閑散とし、再びそんな感じになった時は(不謹慎にも)痺れてしまった。

そしてtofubeatsと言えば最も有名なのが「水星」で、その水星がなんとあの「今夜はブギーバック」とコラボして、令和の時代に「良くないこれ!?これ良くない?」とか言ってくれるもんだからぶったまげた。
はじめてサントリーCMを見たときは「いつかこんな日が来ると思っていた・・・」と、謎の”知ってた風”を醸し出して独り震えた。

このように夜な夜なyoutubeを漁っていて色んな曲から少なくないインパクトを受けていたところに「かっこえぇー」と思わず唸ったアーティストに出会ってしまった。
他でもない。Vaundyである。


Vaundyとの出会いは「東京フラッシュ」だった。

やだ。何この気怠い感じ、なのに心地いい感じ。

「朝が来るまで終わることのないダンスを」とはまた違った夜の東京を現していてどこか懐かしい。

ここから僕はVaundyの楽曲を漁りだすわけだけど・・・次に目を付けたのが「怪獣の花唄」だ。
「東京フラッシュ」のクセの強さを思い描いていたら、こんなにどストレートのポップもいける。
かと思えばちょいラップ調の「不可幸力」とかいう社会派な楽曲も提供できる。

見て欲しいのはコチラのPV。これこそVaundyの真骨頂であろう。
カラスを主人公にしたこちらのPVはいかにも美大生らしいVaundyの特徴を顕著に示している。

そう、彼は現役美大生なのだ。


■記憶

実は自分にも美大生の友人がいた。かなり前の話になるが彼女はいつも課題に追われていた。
好きで入ったから乗り越えられるようなもので、美大生の生活における課題の占有率はハンパじゃない。というのが僕の記憶。

恐らくそれは現役美大生のVaundyも同じではないか、と。

ただ、

当時と今とで圧倒的に違うのは表現するフィールドが既に何種類もあること。ここでいう”表現するフィールド”とは他でもない、youtubeをはじめとする動画サイトやSNSである。

Vaundyはその申し子と言っても過言ではいない。(多分)課題をしっかりとこなしつつ、自らのプロデュースで既に世に受け入れられるところまで突き詰めた。
これはもうどんな優秀な課題の答えより、答えである。


ちなみにVaundyは最近ではこんな楽曲を出している。

「恋風邪にのせて」 とはこれまたどストレートな恋患いの歌。
そう、恋愛の歌だってきっちり仕立てられちゃうのがVaundyなのだ。


現役美大生の稀有なアーティスト、とくれば動画に映えそうな強烈なビジュアルをしているのだろうと想像してしまうが全くそんなことないのもかなり良い。

クリクリの天パにパーカーという組み合わせはかつて僕が見てきた美大生の風貌そのままだ。


■これから

しかしyoutubeなど動画サイトを通じた拡散速度はとんでもない。

昔FMラジオにかじりついて最新の曲を知り、現金を握りしめてCDショップに通っていた頃とは徒歩と新幹線ぐらいの差がある。

現役美大生がその世界観をあっという間に世界に見せつけられたということは、同じことが出来る人がごまんといるのと同義とも言える。
そんな中で今なお異彩を放ち続けるvaundy。

もの凄いスピード、かつ幅広い世界観で楽曲をYoutubeに落とし続ける彼の速度こそ、今の時代に生き残るための指標なのかもしれない。






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