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【ビジネス考察】職場における虚勢の価値

会社とは、村。

僕は小さな田舎で育ち、都会に憧れ、必死に受験勉強をして、上京し、独り暮らしをして、東京の真ん中でバイトをし、東京の真ん中で遊びほうけ、そのまま就職し、また田舎に帰ってきたような感覚に陥りました。


配属されて間もない頃、会社って地元以上に村社会だな、と思いました。
一日のほとんどを同じ空間で、同じ人たちと過ごす。それも1年2年ではない。長い人だと10年以上もずっと、同じ人たちと過ごしている。

上京して自由になって好き勝手やって来て、その最終到着地が生まれ育ったそこより村社会だったから驚いた。会社とはそういう所だったのです。



■だからこそ、虚勢が効いた。

効いてしまった、という方が正しいかもしれません。
会社の人たちは皆、リアルより他の人の話を信じ、易々とレッテルを貼っていました。

「彼は優秀だと○○部長が言っていた。」「彼は出来るらしい。」
「あいつはダメだ。」「そうなんですね。あの人ダメなんですね。」

早々にそれに気付いた私は、この習性を活用させてもらうことにしたのです。


社会人になった私の実力が平均以上だったかどうかはわかりません。ただ僕は、割と意識的に強がっていました。オレなら出来る。オレなら負けない。オレなら楽勝だ。

このこと自体は自分を高めるうえでは正しいモチベーションだったと思います。
なぜならいたずらに不安がるより”自分には出来る”と思って取り組んでいるやつの方が一緒に仕事をしていて頼もしいし、実際に結果も良い。
そうして得た経験が自分の中にしっかりと残っている、という実感もありました。

そして何より、「彼は出来る」と多くの人が盲目的に過大評価を始めました。



■歳をとると効果は無くなる。

「虚勢」とは自らをポジティブに錯覚させることを指すのであれば、これ自体悪いことではありません。

しかしこれをポジティブの表現ではなく、他と比べることによる自己肯定感の維持に変わってしまうと、少し問題が生じます。

はっきり言って若いうちは良いのです。競争の中で、虚勢でも自らを鼓舞すればいいでしょう。しかし、ある程度キャリアを重ね、チームの運営を任される段まで来ると、この虚勢癖は見るも無残に使えなくなります。

なぜなら、

チーミングとは自らを誇示して運営するものではなく、裏方(サーバント)となって他のメンバーに成し遂げてもらうことだからです。

他と比べることによって自らを高める術をいくら持っていても、チームは成功、成長しません。



■能ある鷹は爪を隠す

新しい言葉ではありませんが、歳をとればとるほど、ここに帰着していきます。
結局大切なのは自分自身の真の実力であり、それを裏付ける豊富な経験であり、自らを誇示しなくても周囲が自然と認めてくれる、人間力なのです。

自分自身が賞賛されなくても、チームが、あるいはチームのメンバーが賞賛されることに喜びを感じ、情熱的に、片やロジカルに取り仕切る。リーダーのスキルとは、メンバーを輝かせることが出来るスキルなのです。


名刺や名札から社名や肩書が無くなっても、あなたは輝いていますか?


30代後半ぐらいで問題なく輝いていれば、勢まで張って上司の評価なんて得なくても、それで十分なのかもしれません。
焦る必要はありません。




本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!


最近では転職もポピュラーですから、この感覚自体古いのかもしれませんね(汗)。










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