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【週刊ユース分析】静岡の新風!富士市立高校を改めて調査!!

もう年度末ですね。
世の中は卒業、それから入学のシーズン。いくつになっても新たな始まりと言うのは気持ちが良いものです。

高円宮杯プレミアリーグもまた新シーズンがスタートします。
高体連勢が躍動しそうな予感がするし、川崎・鳥栖をはじめとしたクラブユース勢が更に攻勢を強める気もするし、興味は尽きません。


しかし今回は、
そんなプレミア参戦チームを深掘りする前に、静岡の新風・富士市立高校を探ってみたいと思います!!

きっかけは昨年の選手権予選、静岡学園戦。ライブ視聴して濃青のユニフォームに少なくない衝撃を受けました。
2019年に決勝進出したときはレジェンド杉山隆一氏のお孫さんである杉山朋哉選手のワンマンチームなのかと思ってましたが・・・自分は何かを勘違いしていたのかもしれません。

チームは延長の末に破れてしまいますが、
強かったです🔥


新シーズンも東海プリンスで戦う富士市立。
静岡県民も、静岡県民以外の高校サッカーファンもぜひ覚えておくべきチームです!

チェックしていきましょう。



■プレミア11年の戦歴

2018年に東海プリンス昇格。その後着実に力を付けて昨年4位という最高成績を残しています。まさに右肩上がり

プレミア参入戦以上の実績が無いためポイント0ですが挑戦権を得る日も近いでしょう。
プリンス初参戦した2019年は選手権予選で決勝にまで勝ち進んだ年でした。後に全国制覇する静学相手に結果は離されてしまいましたが、これを機に知名度は抜群に上がりましたね。

間違いなくあの時、静岡強豪校の仲間入りを果たしたと言えるでしょう。

ユニカッコいい✨


■ちなみに

少し脱線しますが、
富士市立の進化って”サッカー王国静岡”を今なお彷彿させる象徴だと思うんですよね。

近年の静岡2種はまさに群雄割拠。

静岡学園をはじめとして、藤枝明誠浜松開誠館らの私立勢が優位かと思いきや、藤枝東清水桜が丘清水東らの伝統公立もいまだ健在。

清水ユース磐田ユースも強いし、特に磐田ユースの影響を受けて磐田東も強くなってきている。
かと思えば西の伝統公立である浜名もここに来て絶好調。

そして、

近年新たに名乗りを挙げたのが富士市立。ここで新興勢力として市立高校が出てくるというのがいかにも静岡らしい。元サッカー王国としての底知れぬマグマを感じずにはいられないわけです!!

つまり、
富士市立の進化と経歴を追うことが静岡サッカーの今、それから未来を紐解くヒントになるかもしれないんじゃないか、と。

割と本気でそう思うようになりました。


少し大袈裟な気もしますが・・・調査してみるとそうでもないんです!

参考にさせていただいたREIBOLAさんの記事を見ながら、さっそく紐解いてみたいと思います!



■富士スポーツクラブ

この手があったか、と思わず膝を打たずにはいられない。

学校を拠点としたスポーツクラブは滅多になかったので、一つのサンプルになればいいと思っています。ゆくゆくは部活動という物が形を変えて、「地域スポーツ」に移行していくのではないかと思っていたので、その一つの先駆けとなれればいいなと思って設立しました。
REIBOLAさんより引用

簡単に言うと、
公立高校の部活の在り方として「地域スポーツ(NPO法人)」との融合を考えたというのです。


これには2つのメリットがあると思うのですが、一つは費用をはじめとした環境面の補助。資金繰りは公立高校の永遠の課題なのですが、それをNPO法人に頼ってしまおうという考え。

それからもう一つは、その地域スポーツをジュニアユース的立ち位置にしてしまおうという考え。
強豪私立が中等部を設けて一貫した強化を図っているのに対して公立校はなかなかそれが出来ない。であれば富士スポーツクラブという法人団体がその役割を担ってしまおうというもの。

実際に富士スポーツクラブは富士市立高校のグラウンドを活動拠点にしているようですし、物理的にも関係性は深いようです。


でもさ、その「地域スポーツ」とやらが近所に無かったらどうするの?
その疑問はごもっとも。

では富士市立の杉山先生(監督)はどうしたか。
なんと!「地域スポーツ」自体を自ら作ってしまったんですよ。あっぱれとしか言いようがない(笑)。


富士スポーツクラブは自らを、
地域の子どもからシルバー世代までの人々が色んなスポーツに取り組めるような総合型地域密着スポーツクラブ。
と称していますが、実態はやはりサッカー中心みたいですね。
そして、
そんなサッカークラブの設立が許されてしまうのが静岡。これぞサッカー王国の土壌!!というわけです。

富士市立のグランドであり、富士スポーツクラブの活動拠点でもある。素敵!!


そしてもうひとつ特筆すべきは、杉山監督の「ゆくゆくは部活動という物が形を変えて、「地域スポーツ」に移行していくのではないか」のところ。

アンテナ高い人はご存知だと思いますが、公立校の部活動がまさにこの形になろうとしているんですよね。
恐るべし千里眼と行動力。

時代の先取りと、公立高校ならではの課題を克服した富士市立の取り組み。
これに呼応するかのようにチームも成績を上げている。

まさに静岡サッカーの新しい形として、富士市立は注目すべき存在なのです!!



■注目選手!!

僕はこの選手を改めて紹介するためにこのnoteを書いていると言っても過言ではない(笑)。
前に述べた昨年の選手権予選、静岡学園戦で拝見して惚れ惚れしました。
”山藤”と書いてやまとう選手。昨年東海プリンスの得点王です。


FW 山藤 大夢(富士市立3年)

富士市立のエースであり、日本代表を撃破したSBS杯の静岡代表メンバー。
セルティック古橋選手を目標しているようで、自分自身でも裏抜けと1対1を得意と述べています。

グラウンド内でどこか余裕を感じさせて、いつでも点を取りそうな雰囲気を持ってる選手っていると思うんですけど、まさにそんなタイプ。
本人は裏抜け得意と言っていますが、クロスに合わせるのもかなり上手いです。まさしく万能型。

2023年3月の時点で進路の発表がありませんが、どこの大学で活躍するのか個人的にも超注目しています。

年々注目度の上がっている大学サッカーですが、ぜひ”山藤”と書いてやまとう選手は追っかけて欲しいと思います!!


MF 渡邉 奈那斗(富士市立 新3年)

新人戦では10番を付けいていた新チームの心臓。ボランチの選手。

山藤選手は県外(岐阜)からでしたがこちらは沼津市出身の地元産。
テクニカルなサッカーを信条とする富士市立において象徴的な選手になりそうですね。注目したいと思います!



■「今こそ遊びがものをいう」

近年高校サッカー界を席巻する超個人技型のチーム。

有名どころでは埼玉の昌平高や大阪の興國高。そしてそのトップに君臨する静岡学園。公立校でありながらそれと同じサッカーを富士市立は目指していると言います。

そのスローガンは「今こそ遊びがものをいう」


一瞬なんのことだろう?と思う人もいるかもしれませんが、富士市立が代名詞的存在である静岡学園の隣に位置し、その存在を大いに意識してこのスローガンを掲げたのだと思うと、非常に奥の深い言葉に見えてきます。

そして、
実際に僕自身が衝撃を受けた昨年の選手権予選、静岡学園戦。まさにこの目指しているところを体現し、静学相手にテクニックで真っ向勝負してましたね。
しかも負けてなかった。

注目選手で挙げた山藤選手も元々はFCV可児の出身で帝京大可児に入ろうと思ってたらしいんですけど、実際に富士市立のサッカーを観て入学を決めたみたいですね。

サッカーがすごく魅力的で試合にも勝って、ここでサッカーをしてみたいなと。1人1人がドリブルではがせるし、ボールを失うのが少ないし、ゴール前のアイデアもおもしろくて、観て楽しいサッカーだなと思いました。
「ヤンサカ」より抜粋

こういうチームはどんどん強くなりますよ。


最後に、
静岡サッカーを更に盛り上げてくれる存在になりそうな富士市立。略して「富市(とみいち)」でしょうか。
高校サッカー界で「とみいち」と言えば言わずと知れた富山第一のことを指しますが、いつかこれを覆して欲しいですね!!

静岡の富市のプリンスリーグの戦いに注目です!!


ちなみに、
杉山監督は杉山隆一さんと何か親族的な関係があるのかと思ったのですが特に何もない(無縁)みたいです。



本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!






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