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【東北暮らし日記】小学1年生のバリスタ?!と出会う

最近、仕事帰りに、素敵なコーヒー屋さんを見つけた。

職場から最寄り駅までの間が住宅地なのだが、一軒家の敷地内にある店だ。傾斜が急な坂を上り切った突き当たりにある家で、庭先には、キッチンカーが停まり、その横には離れと、アウトドア用のタープが貼られた飲食スペースがある。
離れは焙煎用のスペースで、キッチンカーでコーヒーを淹れたり、会計をしたりしている。

お店は高台にあるので、仕事帰りの夕方に寄ると、仙台の市街地の灯りが良く見える。景色が良いところで飲むコーヒーは、実に美味しくて、秋特有のひんやりとした空気も気にならないほどだ。そして、店の雰囲気も温かい。

ご夫婦でやっているお店なのだが、私が立ち寄る時間は、小学生の息子さんが庭で遊んでいる。お友達が来ていて何人かで駆け回っていることもあれば、仕事の合間には店主であるパパが遊ばせていることもある。
こないだ行った時は、突然「ガオー」と驚かすパパの声がして、男の子がゲラゲラと笑っていた。お客さんである私を見つけて、照れくさそうに「びっくりしましたよね?」と苦笑いする店主と、「いらっしゃいませ~」と少年が声をかけてくれた。そして「こんにちは~」と笑顔で奥様が出てきた。心が和む光景だ。

私は、いつも豆を買いに行くのだが、サービスで試飲用のコーヒーを淹れてくれる。「コーヒーをハンドドリップで淹れるものの、自己流なので店のように美味しくいれられない…」なんて話をしていたら、実演してくれた。

お湯をコーヒー豆に少しずつ注ぐ時、ポットから少しずつお湯を回し入れていく。「手首は固定して、肘で回すようにするといいですよ」と店主が言った時、「そうそう肘で回すように」と合いの手が入った。遊んでいたはずの少年がいつの間にか私の横にいた。思わず店主に「お子さんもコーヒー淹れるですか?」と尋ねると、「そうなんですよ~。小1なんですが、コーヒー好きで淹れて飲んでますね」と笑いながら答えた。
小1でコーヒーか!私が小1の頃なんて、ジュースばっかり飲んでいた。大人だなぁ…育った環境って大きい。

「将来はバリスタになってたりして~」なんて、横で聞いていた店主の奥様が笑いながら言ったが、「数年後には、有名なバリスタになっていたりして…」なんて、無邪気な少年を見て思った。
彼が淹れたコーヒーも飲んでみたい。お店を出したら、行ってみよう。