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納豆のお供

納豆ほど他の料理を引き立てる名脇役もいないだろう。例えば、マグロ納豆。マグロと言えば高級魚であり、旨いマグロは値段もそれなりにする。だが、逆の意味でそれなりのマグロぶつだったとしても、納豆と混ぜた途端に評価が変わる。赤身の良くないところが一瞬で中トロに変わる。たいしたものである。

例えばカレーである。カレーに納豆を加えてみよう。味の世界がグッと広がる。勿論うま味も増す。チープなカレーでもいいやつでも、カレーがチューンナップされる。素晴らしいことである。

異文化交流もこなす。パスタしかり、オムレツしかりと洋風もいけるし、韓流でいけばキムチ納豆は完全に定着しているし、納豆スンドゥブも定番といっていいほどお馴染みだ。

勿論ご飯の友としてはほぼ最強の位置に君臨し続けている。まぁこの時くらいが納豆が主役になれる場面だろう。ご飯に納豆、ダブルメインキャストである。そしてご飯とともに納豆を食べる際、ちょいとアレンジしてあげることで、更に納豆が輝きだす。納豆に何かを混ぜる、ということである。

おそらく世の中的に最も支持されているのは「生玉子」であろう。確かに此奴はコクと滑らかさをイージーに納豆に加えてくれる。そして安価である。実にしっくりくるアレンジ納豆と言える。私もこれが一番と、最近まで信じてきた。

だが数年前、実家で納豆を食べたときのこと。母親が納豆に大根おろしとシラスを入れて混ぜだしたのである。私が子供の頃は、そんな光景は記憶にない。どういうことなのだ?母に聞くと旨いというので、すぐさま実行してみた。するとどうだ。滅茶苦茶旨いではないか!私の今までの納豆人生は何だったのだ!というくらいに。

シラスおろしという食べ物があるくらいだから、シラスと大根おろしの相性は良くて当然である。しかし納豆はなんとなくお邪魔な気が。でも食べると旨い。もっと言うと、シラスが無くても旨い。そう、納豆大根おろしが、最高に旨い。

ネバネバがおろしでサッパリとするんですな。でもうま味は消えたりしない。これは発見だ。そしてもう一つ私は発見してしまった。

近年の納豆界の大発明と言えば、ミツカンの金のつぶシリーズのたまご醤油たれ、だらう。前述したとおり、納豆の一番の引き立て役であった生玉子をタレに先に入れてしまったのだ。つまり生玉子を買わなくても、あの旨さが得られるのだ。実際いただくと、非常に上手にそれを再現している。確かにこのタレがあれば、生玉子は要らない。

そこで、である。大根おろしタレ納豆はどうか?これ発売したら爆発的人気間違いなしよ!私大金持ち間違いなしよ!でも念のためネットで既にあるか調べてみよう…ありましたよ、おろしだれ納豆。おろしだれには新鮮な国産大根100%使用。発売20年を超えるロングセラー商品!

ずっと前から、あったみたい。
今度買ってみよっと。

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