見出し画像

【日記】日記祭に行った日の日記。本を買うということとか。

4月9日。日曜日。

今日は「日記祭」というイベントへ。

下北沢にあるボーナストラックというスペースで開催される日記祭。全国各地からいろんな日記本の著者さんが集まって、著書を直接ブースで販売するイベントだ。事前にチェックした情報によると、私が好きな作家さん、気になっている作家さんの名前も複数載っていてワクワク。好きな作家さんに直接会えたら嬉しいし、さらには面白そうなトークイベントもあった。

日記を読むことも書くことも好きな私にとってはものすごく魅力的なイベント。そもそもボーナストラックには「日記屋月日」という日記専門店がある。ずっと行ってみたかったお店なので、初訪問できるいい機会だ。

とはいえ実は、今回日記祭に行くかどうかギリギリまで迷っていた。というのも、すごくくだらない理由なのだけど、行ってしまったら絶対にいろんな魅力的な日記本に出会ってしまって、買いたくなってしまうに決まっているからだ。事前にチェックした情報からして、魅力的な出店者さんと日記本だらけで、気になったものを全部買っていたら出費がすごいことになりそうだった。それでなくても最近本を買いすぎなのだ(だって本が好きなんだもん…読みたい本がいっぱいあるんだもん…)。ここは自制しておとなしく家にいるべきではないか。

出費を恐れているなら、別にイベントだけ覗いてみて、何も買わなければいいじゃないか、と私の中のもう一人の自分が言ってきたりもするのだけど、そういう単純なものでもない。せっかく好きな作家さんに直接会えるという滅多にない機会、ただ遠くから見つめているのはもったいないし(というかずっと遠くから見つめていたら怖い)、ブースに寄って話しかけるなら、ちゃんと販売されている著書も買いたい。

絶対に商品を買わなければいけないという義務はもちろんないと思うけれど、私個人としては、せっかく好きな作家さんに会える機会なら、「あなたの書くものが好きです!これからの活動も楽しみにしています!」みたいな、その人の作品から受けとったものだとか感動だとかそれに対する感謝の気持ちのようなものを伝えたいと思うし、それを伝えるためには、やっぱりご著書を買うことが作家さんにとっては一番嬉しいことなのではないかと思うのだ。

日頃から、本を買う行為というのは、もちろん一番にはその本を読みたいから買うのだけど、それと同時に、その本を買うことによって、(それが作家さんの目の前であろうとなかろうと)やっぱりその作家さんへの感謝とか応援のような気持ちも、かなり大きい。

本に関連していえば、本屋さんを訪れるときも、似たような感覚がある。私はとにかく本屋さん巡りが大好きで、よくいろんな本屋さんを訪れるのだけど、せっかく訪れたなら、何か一冊でも本を買って売上に貢献したい気持ちが湧く。私がこの本屋さんで本を買えば、本屋さんも、その本の著者さんも、出版社さんも、ほんのちょっとだけでも応援できるのでは、と思う。 

本と本屋さんが大好きだから、出版業界全体を応援したいという気持ちは常にあって(昔出版取次会社にいたので、なんとなく”出版業界”は他人事に思えないというのもある)。私の買う数冊の本の値段なんて、大した金額ではないけど、でも、自分ができることはやりたい、なんて気持ちが湧いてきたりするのだ(だからこの日、日記屋月日さんにも行ってしまったら、絶対何か買って帰ってきそうな予感がした)。

と、ごちゃごちゃ頭の中で考えて行くのをギリギリまで迷っていたのだけど、結局のところ、私の気持ちとしては、全力で行きたいのだ。そんなわけで、最終的には、「会いたい人には会えるときに会っておけ!行きたい場所には行けるときに行っておけ!」の精神で、日記祭に向かうことにした。トークイベントもぜひお話を聞きたかったので、午前中に出発することになり、子どもたちのお昼ご飯の用意は夫にお願いすることに。夫よ、いつも好きなことをさせてくれてありがとう。

下北沢は普段はあまり馴染みがないのだけれど、自宅からは電車を一度乗り換えて40分ほどの距離。実はつい先月、下北沢に一度訪れる機会があった。そのときは、偶然にも今回日記祭が行われるボーナストラック内にある「B&B」という本屋さんが目的地で、そこで開催された僕のマリさんという作家さんのサイン会に立ち寄るためだった。そしてそのときこそ、私が下北沢を訪れるのは10年ぶりかというレベルで、しかもよりによって大雨の日で、駅から徒歩5分の書店さんに辿り着くまでに20分も雨の中を彷徨ったという苦い思い出がある。

ちなみにそのときの日記はこちら


前回迷ったおかげで、今回はボーナストラックの場所もしっかり把握していた。下北沢駅から外に足を踏み出したら、迷うことなく歩みを進める。とってもいいお天気で、歩きながら暖かい日差しを頬に感じた。暖かくて気持ちのいい日曜日とあってか、下北沢の駅周辺からボーナストラックに至るまでの道もなかなかの人出で、日記祭のスペースに到着した瞬間から賑やかな雰囲気が伝わってきた。

素朴なポスターがかわいい


とりあえずは入口のほうからブースを覗いていこうとゆっくり歩みを進めると、早速お目当てのブース一つ目が。

植本一子さん、金川晋吾さん、滝口悠生さんの共作日記本『集合、解散!』がこのイベントで初お披露目されると聞いていて、これは絶対に買うぞと思って来ていた(やっぱり買う気満々)。早速購入させていただくと、三人お一人お一人がサインを書いてくださった。ありがたい。イベント限定の特典フリーペーパーもいただく。とても嬉しい。

その後はひとまず道なりに一通り会場を回っていった。各ブース面白そうな本が並べられていて、やっぱりどんどん欲しくなってきていると、ある一角でこれまたお目当てのブースを発見。

ずっとエッセイ本『ちょっと踊ったりすぐに駆け出す』を買いたいと思っていた古賀及子さん。もともとお目当てだった本と一緒に、この日記祭のために急遽作成したという手製の冊子を購入。藁半紙のような紙をホチキスで留めただけのシンプルな作りのもので、そのシンプルな感じがむしろかわいかった。

思わず「これって古賀さんがご自身で作ったんですか?」と聞くと、本当に一つ一つ紙を切ったりホチキスで留めたりと地道な作業で作ったらしい。そのため部数が限られているらしく、レアアイテムを購入させていただきありがたい記念になった。そして、私が付けていたイヤリングを褒めてくださった古賀さん。とても明るく優しい方だった。

そのあとはお目当てのトークイベントまで少し時間があったので、日記屋月日さんでカフェラテを購入し、近くのベンチでちびちび飲みつつひと休みした。そう、日記屋月日さんは日記本のお店なのだけど、同時にコーヒーとビールも提供しているのだ。

カップスリーブの「 月 日( )」の印字が
かわいすぎる!


カフェラテ、とても美味しかった。ボーナストラック内はあらゆるところに緑やお花が植えられていて、私が座ったベンチの脇にもかわいらしい緑があってなんだか癒された。

飲み終えたところでちょうどいい時間だったのでトークイベント会場のほうに移動した。一つ目のトークイベントは先ほどエッセイ本を購入させていただいた古賀さんとphaさんの対談だった。「なぜオンラインで日記を書くのか」というテーマで、最初から最後までめちゃくちゃ面白かった。

このトークがものすごく興味深かったので、これはまた別途noteの別記事でまとめて書きたいなぁ。

トークイベントにて最高の一時間を過ごした後、実はこの日はもう一つ聞いてみたいトークイベントがあって、次の時間まで30分ほど時間があったので、再度ブース周りをうろうろ。

その際に、先ほどタイミングを逃して立ち寄れなかった柿内正午さんのブースへ。もともと柿内さんのラジオを聴いていたり、たまたま前日にオンライン視聴をした「随筆かいぼう教室」というトークイベントに柿内さんが登壇されていたりということがあり、ぜひともこの日ご本人から著書を購入したいと思っていた。『あまり読めない日々』を購入させていただくと、気さくに対応してくださる柿内さん。購入した本をかわいい紙袋に入れて手渡してくださる心遣いに感謝。

あっという間に次のトークイベントの時間になり、再びイベントスペースへ戻る。今度は『わたしは思い出す』という本をプロデュースされた松本さんという方と日記や月日さんのプロデューサーと店長さん三人の対談。『わたしは思い出す』の製作過程を振り返りながらの「思い出す」ということ、「記録する」ということについてのお話。

このトークイベントもまた素晴らしくて(語彙力が…)、本当に聞けてよかった。なんだか内容が濃厚ですごすぎて、未だ上手く感想を言葉にまとめられない。

実は今回ピックアップされた「『わたしは思い出す』という本は、以前から気になりつつもまだ購入していなかった。というのも、これがなかなかの分厚さであると同時に、なかなかのお値段がするのだ。一冊3,500円也…!が、しかし、このトークを聞いた後には、この本を買わない選択肢はなかった。これはぜひとも読まなければ!

トークイベントが終わるや否や、日記屋月日さんの店舗に駆け込み、『わたしは思い出す』を購入した。せっかく訪れるなら日記屋月日さんでも何か購入したいと思っていたので、ちょうどよかった。

最後に、ブースを回っていて、前情報なくその場で気になった日記本も一つ購入させていただいた。途中さんという作家さんの『まだ、途中』。ブースに設置されていた紹介文を読んで面白そうで購入させていただいた。こういった思いがけない本(作家さん)との新たな出会いもすごく楽しくて、嬉しい。これこそ日記祭というお祭りの醍醐味なのだろうなと思う。読ませていただくのが楽しみ!

子どもたちを夫に任せっぱなしなので、目的を無事すべて終えたら足早に日記祭をあとにした。

会いたかった作家さんに会えて、買いたかった本を買えて(結局買ってる)、参加したかったトークイベント二つも聞けて、頭も心もいっぱいになった日曜の午後。

素敵な本をたくさんお迎えして、結局幸せ。

こうなることはわかっていた…!(幸せ)


🌷製作した本を販売中です🌷

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?