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とにもかくにも白ごはん

白いご飯が好きだ。

健康のために雑穀ご飯を食べていたこともあるし、すぐに炊けるようにもち麦をいつもストックしている。
でも、私はほかほかの白いご飯が好きだ。

私の実家は、昔は田んぼをしており、いつも家の横の倉庫には玄米の入った袋がびっしりと積まれているような家だった。
時々、母にくっついて精米をしに行く。
精米機はなぜか少し離れた小屋に置いてあった。
そこまで重たい米を運び、精米している間は近くにある畑で農作業をし、終わったころにぴかぴかのお米を家に持って帰った。

私は畑のお手伝いをしないで、精米機に吸い込まれていくお米を見ていた。
古いタイプで、精米機の上は空いている。
ぐわんぐわんと揺れながら米を吸い込んでいく、なんとも怖い機械だった。
おまけに、あまりきれいに精米はできないようだった。

私の実家では、朝に夜までのご飯を一気に炊くのだった。
炊飯器の性能もあると思うが、夜ごはんの時のご飯は、朝よりも美味しくない。
保温しっぱなしだからだ。

でも、それが普通だと思っていた。


大人になって、飲食店で働き始めた私は、いろんなおいしさを知った。
魚や肉も、野菜も美味しいものがいっぱいあると知った。
それでも、いちばんびっくりしたのはお米だった。

私が働いたお店では、お米のこだわりはもちろんのこと、水も井戸水。
そして、なによりお客様ごとにお釜で炊いたご飯だった。
ちょっとあまったそれを食べた時、美味しくってびっくりした。

「ご飯って、こんなに美味しいんだ。」

結婚して、私は土鍋を買った。
始めは上手く炊けない時もあったけれど、食卓でフタを開ける瞬間がいいなと思った。
休みの日は夫婦そろって、朝からお粥を作ったりして、なかなか楽しんでいた。

それでも、子ども達が小さいうちはバタバタで、土鍋で炊くなんて余裕はなくなって、炊飯器にいつも助けられた。

東日本大震災が起こった年、土鍋がたくさん売れたと聞いた。
確かにあの時、計画停電があって好きな時間に炊飯器でご飯を炊いたり、予約炊飯をしたり、保温したりすることができなかった。
そんな時、お鍋でご飯を炊いた人もいるんだと思う。
節電の為に、なんて言いたくはないけれど、もしかしたらそれがきっかけにハマった人もいるかもしれない。


今また、少し余裕ができて土鍋でご飯を炊いている日がある。
それは特別に「ていねいな暮らしがしたい」とか「ご飯のおいしさを子どもに伝えたい」とかではない。

ただ、土鍋で炊くご飯が美味しいなと思うから。
炊飯器よりも早く炊けるし、洗い物も少ないし、子ども達もおかわりしてくれるし…と自分にとってのメリットがたくさんあるから。
そして、土鍋でご飯を炊くと、1品作ったような達成感も生まれます。
土鍋ご飯に、ご飯のお供を色々と並べたら、それだけで不思議とご馳走のようになる。


だから、もしお鍋でご飯が炊きたいなと思っている人がいたら、一度気楽に炊いてみてほしいなと思うのです。
自分の家にフィットすれば続けてもいいし、合わなかったら辞めればいい。
お鍋でご飯を炊くことに、心構えなんていらないし、特別に素晴らしいことでもない。

何気ないおかずの一品のように、白いご飯も炊いてみてほしいなと思うのです。


土鍋ごはん

(2合分)
お米 2合
水  360㏄


(作り方)
①お米を研いで、水(分量外)につけて吸水させておく。

②お米の水をきり、分量の水を加えて鍋に入れる。

③火をつけ、沸騰するまで強火、沸いたら弱火にして13分ほど炊く。

④少し蒸らして出来上がり。


お料理メモ


知らなくてもいいけど、知っていると便利なことをご紹介。

●お米を水につけておくのは、季節(正確にいえば気温)によって時間が変わります。
暑い夏は15分ほどで、寒い冬は30分から1時間ほど。
お米の表面が少し白くなるくらいが目安です。
炊くまでに時間が空く場合はざるにあげて、冷蔵庫へ。
時間がない時でも10分くらいつけれるといいかなぁ。

●土鍋や鍋でご飯を炊くときに難しいのが「沸騰したら弱火にする」タイミング。
気づかずに水の量が減ってしまうと、炊きあがりが固くなったり、焦げてしまったりします。
ちょっと邪道ですが、私は沸騰するまでフタを開けています。
そうすると沸騰するタイミングを逃すことがありません。

沸いた〜と確認してから弱火にして蓋ができます。

●基本的に蓋ができれば、どんな鍋でも炊くことができます。
(なければアルミホイルでもギリギリいけます)
こびりついちゃう!!ってことがあると思いますが、炊きあがってすぐに混ぜない、時間がたつことではがれやすくなります。

●炊き上がったかどうかわからない時は、土鍋などの穴が空いている蓋の場合は、穴に手をかざすとわかります。
(蒸気がでると熱いので近すぎないように注意!)
まだ水分が残っていれば、穴にかざした手に水蒸気の水分がつきます。
鍋の水分がない時は、手のひらは乾燥したままです。水分がなくなったということなので、ご飯は炊けています。
おこげを作りたい方は、最後に10秒ほど強火にするとできます。

穴からでる蒸気は熱いので注意!

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