納豆を腹いっぱい食べたくて手作りした
私はいま海外に住んでいるのだが、日本の何が恋しいかって、それは日本食である。
中でもいちばん恋しいのは、納豆。
日本にいたときには冷蔵庫に常備して、ほぼ毎日食べていた。
とはいえ、食にあまりこだわりがない私は、どうしても海外でおいしい日本食が食べたいわけではない。
こっちにある食材を使って似たようなものがたまに食べられれば満足だ。
しかし、納豆だけは、他に代替が利かないように思う。
もちろん海外でも、アジアスーパーに行けば納豆は売っているのだが、1パック500円くらいする。
わたしの中で納豆は、忙しい朝に何も考えずパクパク食べるからいいもので、ステーキのように「今からいただきまっせ」と意気込んで食べるものではない。
納豆一食分(米なし)に、500円はどうしても払えない。すまん。
それでもやっぱり、納豆を毎朝食べたい!と思い、自分で作れないのかと思って調べてみると、案外海外在住の日本人が色々と工夫して作っていることが判明した。
これはやるっきゃないということで、わたしも真似をして作ってみることにした。
必要なものは、納豆(納豆菌をもらうため)と大豆のみ。
作る際の最大のポイントは、納豆菌を繁殖させるための「絶妙な温度での保温」で、ヨーグルトメーカーを持っていると一番いいらしいのだが、もちろん持っていないので炊飯器を使う方法でやってみることにした。
カスピ海ヨーグルトと同じ要領で、種となる菌さえ手に入れればあとは継ぎ足し継ぎ足しで増やしていけるそう。
早速アジアスーパーで納豆と大豆を購入した。
作り方は、豆を煮て、納豆と混ぜて、保温モードにした炊飯器の上に放置するだけ。
さて、そんなんで納豆ができるんかいね、と疑心暗鬼だったが、翌日放置した大豆を見てみると、豆が茶色くなり、その上に白い膜がうっすらと広がっていた。
端っこをすくって混ぜ混ぜしてみると、しっかり粘る。
うぉおお!納豆だ!と感動した。
納豆は冷凍保存が可能だそうなので、小分けにして冷凍庫に入れた。
普段2工程以上ある料理を作らない私だが、愛さえあれば納豆も手作りするようになるのか、と妙に感心した。
だからといって、日本に帰ったらきっと納豆なんて作らないんだろうけど。
大豆を煮るのが案外時間かかることを知ったので、時給にするとわりにあわないが、冷凍庫にたくさんの納豆が眠っていると思うと、心が躍る。
明日の朝も納豆をたべるぞ!
ちなみに、しょうゆ、みりん、味の素、お酢、砂糖、出汁の素をいい感じに配合してまぜまぜするだけで、おいしい納豆のたれも完成する。
ごはんにかけて、納豆をほおばるのはなんて幸せなんだろう。
毎朝起きるのが楽しみになった。
誰にとっても、起きるのが楽しみになるような朝食ってあるのかな?
私にとっては、納豆。
納豆、ありがとう。
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