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家庭用洗濯乾燥機におけるブラックホールの存在について【洗濯天文学】

  本研究は、長年各地で観測されている「家庭用洗濯乾燥機に入れた靴下の片方だけが消失する現象(以下、靴下片方消失現象)」の原因ついて、確からしい結論を与えるものである。洗濯時に消失する靴下に関してはこれまでも、洗足泡男(1993)による先行研究が有名であるが、この論文は、より包括的で画期的な洗濯機天文観を提示するという意味で、新しい視点と問題を提起するものである。

1 研究方法

「靴下片方消失現象」が頻繁に観測される東京都と千葉県の家庭2組を対象に、三か月間、洗濯前の靴下の数と洗濯後の靴下の消失数を数えた。
その後、乾燥を行うことによって、乾燥前と乾燥後の靴下の数の変動についても追跡を行った。
比較のために、靴下以外にも、Tシャツやパンツについても、数の変動を数えた。

2 観測結果

 観測を行った家庭において、どちらも「靴下片方消失現象」が確認できた。驚くべきことに、洗濯前と洗濯後での靴下の消失数に変動はなかったものの、乾燥機をかけた前後で靴下の数が減ることが確認できた。
靴下以外の衣類については、数の変動は確認できなかった。

3 考察

 これまで「靴下片方消失現象」の原因として、「洗濯機に投与される以前の靴下の在処について(洗足、2002)」で指摘されているように、洗濯機に靴下を入れたつもりで床に置かれ、そのまま家具の下部に入り込むことが主流とされてきた。
 しかし、今回の研究で、洗濯機にしっかりと入れたにもかかわらず、乾燥の段階で靴下が消失することが確認できた。この観測結果は、今までの研究を再度見直さなければならないことを意味している。

 本研究が明らかにしたように、靴下は乾燥の時点で消滅している。このことを説明できるのは、洗濯乾燥機にブラックホールの存在があると仮定すると説明がつく。

 このように仮定すると、靴下だけがブラックホールに吸い込まれるのかという疑問が湧いてくる。しかしそれは、空気抵抗によって説明ができる。

 靴下は、Tシャツやパンツなどの他の洗濯物と比べて、質量が少ない。そのため、空気抵抗の影響を受けやすくなっている(回転樽、1967)。

 ブラックホールに近づいた洗濯物はみな、重力を受けて等しく地球の中心に引っ張られるが、空気抵抗の影響をもろに受けた靴下は乾燥機の中で遅れととって宙に舞う瞬間があり、その瞬間にブラックホールに引き込まれるのである。

このように、洗濯乾燥機の中にブラックホールがあると仮定することで、
1 靴下だけが消失する理由
2 消失した靴下が永遠に姿を消す理由
という、かつて説明できていなかった現象にすべて回答できるのである。

4 結論

 本論文では、長年未解決であった「靴下片方消失現象」について、ブラックホールの存在を仮定することで、包括的かつ合理的な説明を与えた。
 しかし本研究では、なぜ靴下の「片方だけ」が消失し、両方消失することがないのかという点についての説明ができていないのに加え、肝心のブラックホールが乾燥中につき観測できないというジレンマを抱えている。
 今後はより大規模な観測を行うとともに、ブラックホールの存在の確証を得る方法についての検討が必要である。

参考文献

洗足泡男『洗濯機に投与される以前の靴下の所在について(2002)』
洗足泡男『靴下片方消失現象における靴下の存在意義(1993)』
回転樽夢見『靴下とパンツにおける空気抵抗(1967)』

※この論文はすべてフィクションです

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