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【つらかった】ハンドメイドアクセサリー作家として費やした7年間をぜんぶ書く。

割引あり

ハンドメイドアクセサリー作りを始めて7年も経ってしまったので、次へ進むためにこのタイミングで振り返りをしてみようと思った次第です。正直なところ大人気な作家じゃないですし、華麗なサクセスストーリーでもないので役立たずな情報かもしれません。

ただ、悩めるハンドメイド作家さんや、これからハンドメイド販売で稼ぎたいという方がこの拙い記事をみて何か得られるものがあれば少しばかり救われます。

なお、これまでの経験をできる限り細かく記載しています。そのため300円の有料記事とさせいただくことをお許しください。有料にすることは読者さんに対する責任も生じると思うので、しっかりと書き記していきますね。



私とSuze Accsessoryの紹介

はじめまして。Suze Accsessory(スーズアクセサリー)というハンドメイドアクセサリーブランドを運営しているAkiといいます。現在はオンラインショップや委託先店舗さまにて、主にイヤーアクセサリーを販売しています。

もともと会社員としてデザイナーをやっていた関係から、現在はフリーランスでデザイナーをやりつつ、本業としてハンドメイドアクセサリーブランドを営んでいる感じです。夫も長らくIT関連のデザイン職に勤めているので、ブランドに関するクリエイティブは全て私たちで作成しています。ちなみに今は千葉県に住んでます。


この記事を書いた理由

冒頭にも書きましたが、ハンドメイドアクセサリー制作を始めてから約7年が経ちました。始めた当時は社会経験も浅くモノを売るなんてノウハウも無いままにスタートしたのでもちろん売れません。マーケティングと言われるあれこれを試したり、モチベーションを失ってサボったり、また何かに感化されて走り出したりと浮き沈みありながら、現在は月に1度の販売で平均25万円ほど売り上げがある状態です。インスタのフォロワーは4000人ちょっと。(2024年2月現在)

そしてこれからの目標として「ハンドメイドアクセサリーだけでやっていく」という御旗をかかげたので、今をちょうど中間地点と捉えて一旦これまでを振り返ろうというところです。ハンドメイドアクセサリー作家に一本化するために、具体的には50万円/月の売り上げを目指しています。


ハンドメイドアクセサリー作家として歩んできたこれまで

他のハンドメイド作家さんがどうか分かりませんが、売れない期間(暗黒時代)が長かったと思います。誰にも認知されることなく、ひそひそと制作していた頃です。当時はコーヒー豆販売のアルバイトをやりつつだったので、時間的にも体力的にも厳しかったのが正直なところ。ただあるところで変化が出始めて、何度も購入いただけるリピーターさんが増えてきたタイミングでハンドメイド作家としての覚悟的なものを持った気がします。

上京から現在までを具体的に遡っていきます。

ひとつひとつの出来事を細かく振り返っていきます



【2015〜2016年】 沖縄から上京しバイト生活

2015年の夏でした
アルバイト時代の私

上京は突発的で、あっという間の移住でした。もともと沖縄県内のIT企業でデザイナーとして働いていたのですが、お付き合いしていた先輩(いまの夫)が急遽都内に転勤となったので私は退職、そして共に上京することになりました。(その際に入籍しました。)

これを期に一気に環境がリセットされたので、まずはと思い最寄り駅内のドトールでアルバイトを始めたものの半年ほどで終了。次もコーヒー関連ということでコーヒー豆専門店の販売員として務め始めました。あまりに忙しく疲弊する日々、そして上京時に抱いていた漠然とした期待感と高揚感に対するギャップに苦しみ始めたころでした。

  • 彼の転勤/マッハで入籍

  • 移住まもなくドトール定員

  • 続いてコーヒー豆販売員

  • 理想と現実の暮らしとのギャップ


【2017〜2018年】 無名のハンドメイドアクセサリー作家爆誕

作家として駆け出した頃の作品

この頃は相変わらず微妙な不安と不満を引きずりながら、せかせかとコーヒー豆を焼く日々でした。夫がわりかし仕事できるマンだったので生活に不便はありませんでしたが、支払いのための最低限のお給料しかない私は趣味やファッションにあてるお金もなく、外食などもほとんど払ってもらう状況がつらかったです。

ちょうどこの頃、youtuberだったりフリーランスだったりと「好きなことで稼ぐ」系の人々がフィーチャーされていた時代だったと思うのですが、その流れで「ハンドメイドで稼ぐ」という世界を知ってしまった私と、何か趣味を与えないと妻がどうにかなってしまうという夫の焦りがフュージョンして爆誕したのが無名のハンドメイドアクセサリーブランドSuze Accsessoryでした。

●まず道具を揃える

道具がなければ始まらないということで、最低限の設備と素材などを揃えました。というかお金がなかったので全て買ってもらいました。レジン、硬化用UVライト、ヤットコ、ピンバイスなど諸々を揃えて、とりあえず作品作りの状態は整いました。
浅草橋の貴和製作所やパーツクラブには電車ひとつで行けたので、必要なものがあれば直ぐに行ける環境は作家さんとしては幸せだと思います。

●ブランド名/作品について

ブランド名の由来となったSuze

Suze Accsessory(スーズ アクセサリー)というブランド名は夫が電車の中で考えてくれたもの。Suzeというのはフランス生まれのハーブリキュール(お酒)で、ゲンチアナという植物に由来するほろ苦さが特徴です。可愛いだけのアクセサリーではなく、ちょっとしたスパイスやビターさを感じる大人な女性をイメージしたものです。

そんなブランドイメージに合わせたアクセサリーとして、ちょっと大人な配色とドライフラワーを組み合わせにこだわりました。当時はバリエーションも少なく、調色やコーティングなどもまだまだ。
でも、今となっては新たな人生のスタートとなった愛すべきデザインです。

●minneの登録

作ったアクセサリーを販売するためにminneにて販売ページを作成しました。minneは初期費用が掛からず、はじめから多くの機能が備わっていてハンドメイドアクセサリーショップを開設するにはとても便利なサービスでした。販売手数料が10%くらい掛かりますが、minneの特集記事に商品を拾ってもらえると購入者が増えたりとありがたいことばかり。同じようなサービスでcreemaもありますが、たいした比較をすることなくminneを選びました。

●Instagram運用の開始

ブランドの存在を示すにはInstagramの運用は間違いなく必要ですよね。この頃は作ったアクセサリーの写真のみを投稿していました。このときはまだリールやストーリーズの機能はありません。いかに多くの人に投稿を見てもらえるようにタグ付けするかの勝負でした。ただし時系列に流れていく投稿は瞬時に埋もれてしまうし、既に人気作家さんが大勢いらっしゃる中でSuzeのフォロワーが増えるのはポツリポツリという感じでした。

この頃のフォロワー数は200人程度。投稿への反応に心をすり減らす日々。

●振り返り

minneで販売していた頃の作品

この頃は強気の値段設定では到底売ることはできず、約1300円で販売していました。(今は素材や作りも変え、3倍ほどに価格を上げています。)また現在のように月1回の販売ではなく、作った分が売れるまで掲載しておくという感じ。

売り上げについては思い出すのも辛いのですが、手数料を引いて月に1000円ほど。地元の友人がまれに買ってくれました。元を取るどころの話ではありませんでした。たしかこの状況が1年くらい続いたはずです。

ただ2年目を過ぎたあたりにminneの季節特集に私の商品が掲載されたことで、3万円ほど売れた月がありました。だけど特集の終わりにあわせて売り上げは元通り。私のモチベーションもガタッと崩れてしまい、売れるイメージを失っていました。そんな状態が続いた2年間でした。

販売を始めて数ヶ月後、初めての売り上げ。


思い返せば、安くすれば売れるはずという考えがダメだったなぁと思います。ハンドメイド作品とは作家さんが手間ひまかけて作るもの。買い手としても、作家の想いやこだわり、商品のストーリー性に共感して購入に至るのだと思うのですが、それを安価で販売してしまうとそれらがボヤけてまう。「良いものを買う喜び」という購入体験を提供できていませんでした。


【2019〜2021年】 したたかにやる。そして小さな変化

現在も販売している大事な作品のひとつ(TANZAKU.)

この頃はコーヒー豆の販売員からネット販売部へ異動になり、受発注作業に加えてWebサイトのデザインや店舗用のポップなどさまざまなクリエイティブ制作にも関わっていました。ですが2020年に入るとコロナ禍となってしまい在宅勤務に移行。徐々に勤務日数も減っていくことになりました。

新たなアルバイトを探すにもきっと状況は変わらないしSuzeを育てることはできない。ここでSuzeに比重を向けないとこの先の成功はないだろうと、小さな決意をもったことがターニングポイントになったのだと思います。

夫もその想いを理解してくれて、ありがたいことに知り合いのデザイン会社からフルリモートの案件をいただけるように手配してくれました。これを期にアルバイトは辞め、ハンドメイドアクセサリー作家兼、フリーランスデザイナーとして踏み出しました。色々な施策にしたたかに取り組み、この時期に売り上げが5万円/月に達しました。

●ブランディングの見直し

私自身の再スタートに合わせて、Suzeのブランディングの見直しを開始しました。これまでは「ドライフラワーを使ったアクセサリー」という説明を添える程度で、ブランディングが一切されていない状態でした。多くの作家さんの作品の中からSuzeを選ぶ理由が無い状態です。

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