恥知らず

一般的な、常識ある人から見て
到底理解できない神経の人間というのが一定数いる。

良心の欠如だとか倫理観の逸脱だとか
色々な言い方はできるけれども、
100人中ほぼ全員が「ありえない…」というような言動をする人間だ。

猟奇犯罪者などがその代表に当たる。

しかして、意外と日常の中にもこういった人間が潜んでいるというのが恐ろしい。

犯罪ではないにしろ、「狼藉者」「恥知らず」と呼ぶに相応しいキ印は、あなたの隣にだっているかもしれないのだ。

前に、満員電車内で、2人の男性が喋っていたことがあった。

満員電車とはいえ、その時は乗客が皆無言で、ギュウギュウとは思えない静まり具合であった。

つまり、2人の話し声だけが車両中に響き渡っていたわけである。

当然、その声は乗客の誰もに聞こえることとなる。

静寂の電車内で喋り続ける2人の男……

この時点でやや迷惑な乗客だが、その話の内容が凄い。

「お前、最近どこでネタ漁ってる？」

「う〜ん、あんまりいいサイトねぇんだよな。規制が厳しいから過激なの全然落ちてないし。」

お察しの通り、2人は"毎晩のオカズ"の話をしているのだ。

驚くべきはこれだけではない。

「でも、検索次第である程度は出てくるぞ。
"○○○○"とかって調べたら普通にあるよ。」

自分は耳を疑った。
否、聞こえている乗客全員が耳を疑った。

犯罪的用語だった。

彼らの周りの乗客何人かは、露骨に不快な表情を出した。

共感性羞恥で顔を下げる人、軽蔑の目で彼らを睨みつける人、
様々だったが、この事象を好意的に捉える人がいるはずはない。

誰もが聞こえる静かな空間で、恥ずかしげもなく完全アウトな犯罪的エロ発言をのうのうとできる神経。

普段下ネタばっかり言ってるこの自分でも、
さすがに時と場合は弁えますって。

車両全体が地獄と化した。

誰かが諌めるということもなく、彼らはその後も似たような話題を延々と喋り続けていた……。

人の趣味にとやかく口を挟むつもりはない。

ただ…公衆の面前でそんな話ができる時点でなかなかに危険人物ではないだろうか。

このように、時折びっくりするような言動、もちろん悪い意味で、をする人間というのが我々の日常には潜んでいる。

現代は物騒な世の中だ。
前触れもなく知らない人から突然刺される可能性もないとは言えない。

センサーを常に光らせて、ヤバい人物からは必ず距離を取るようにしたいものである。

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