SMショーの雰囲気を盛大にぶち壊した話
あろはろは!
メンズストリップダンサーの朱雀ガラティアです☆
メンズストリップショーってどんなことするのって言ったとき、
まぁ主だったものはソロで踊って焦らして脱いでく、ってことに尽きるのですが、
キャスト2人でのストーリー展開を見せるペア演目や、
その日のキャスト全員が登場する圧巻のフィナーレ演目などもあり、なかなかに飽きさせないラインナップだと自負しております。(笑)
そしてそんなペア演目の中でも定番と言えるのが、男の子同士のSMショー。
これがなかなかに好き嫌いが分かれる演目ではあるのですが、
「冷たい目の攻めにドキドキしちゃう❤︎」っていう方や
「M男君がいたぶられているのを見てニヤニヤしちゃう(*´艸`)」って方にはたまらない演目なんでございますのよ。
かく言うわたくし朱雀自身も、何度かSMショーに挑戦したことはあります。
S役でもM役でも。
元々毎度自己紹介している通り自分は受けのSという立ち位置ではあるのですが、
まぁどっちもやってみようってことで。
ちなみに具体的に何するかって言うと、
ソフトなものだと軽く引っ叩いたり首絞めたりする程度。
あくまでストーリーに沿って演じるだけなので、さほど力を込めたりはしません。
対しハードなものは……
縄、鞭、ロウソクなどの道具を使います。
まぁロウソクに関しては低温蝋燭という融点の低いものを使うことがほとんどなので、ちょっと熱めのシャワーのお湯を垂らされている程度の感覚です。
縄と鞭はガチで痛いです。
好きじゃない人には、ほんっと勘弁してくれってレベル。
(個人差あり)
鞭はもう見た目通り、パシッと打ち込むので服の上からでもなかなかの衝撃があります。
縄は、身体を吊り上げた際に全体重がかかるのでジワジワ来る痛みですね。
めちゃくちゃ重い物が入ったビニール袋を手で持つと食い込むでしょ?ああいう痛み。
こういうのを経験するたびに、つくづく自分は身体的Mにはなれないなぁと思うのですが、
手法の内容よりも重要なのはショーの雰囲気です。
BLのSMショーって「何をやったか」も大切だけど「どういう2人がどういう関係性で、どういうストーリーを進行していくのか」が肝になるんですよね。
ぶっちゃけ、実際に痛かろうが気持ち良かろうがそんなのどうでも良くて(暴言w)
今、キャストたちが演じているキャラたちはどんな気持ちでいるんだろう?
ってところをわかりやすく想像させなきゃいけないってコト。
過去、押しても引いても終始無表情だったとんでもないM役のキャストもいたみたいですが(笑)、
原則、苦しかったり悲しかったりそれでも主人を慕うのかもう逃げ出そうとするのか
そういった感情はしっかり顔に出して作るのが良しとされています。
さぁ、そんな雰囲気第一のSMショーにおいて、
「痛いのチョー嫌いだけど頑張ってM役も演じる自称Sの朱雀」が
過去、SMショーの雰囲気を盛大にぶち壊してしまった事件が2つほどありまして。
今回はその失態を赤裸々にお伝えする記事となります。
恥ずかしいけど思い切って書いちゃう!!
当時男性向けの公演をやっていたメンズストリップ団体が、コアなファン向けのシークレットイベントを開催していたときのことです。
団体のメンバーキャストとして活動していたわたくし朱雀は、そのイベントにお手伝いで行くことになりました。
それは、普段のマイルドな(?)演目とは打って変わり、SM系のショーに特化したイベント。
また、コアな常連のお客さん限定ということで、会場もいつもより狭いスタジオのようなところでした。
客席もステージもなく、お客さんは床に座って至近距離でショーを観ることができます。
出演していたのは、男性緊縛師の方や責め師さん、団体のM役キャストの子達それぞれ数名。
先述のような緊縛や鞭、ロウソクなどを使ったショーを行っていました。
ところで、
メンズストリップの興行でSMショーに特化したものがウケるのかって??
超超超満員でしたよ。
さてそんな満員御礼の中、自分はお客さんへのドリンク提供やお話のお相手、衣装の回収など行なっていました。
まぁお客さんにお酒奢ってもらって一緒にショー観て、って半分遊びみたいな気持ちだったけどね。(笑)
イベントも後半に差し掛かった頃、主催者だったか出演者だったかに、「朱雀も飛び入りでショーに出演しろ」とのお達しが下りました。
しかもM役で。
ゲリラ調教ショーだー\(^o^)/わーい
ということで、相手役の緊縛師さんと2分ほどの軽い打ち合わせの後、即席のショーが始まりました。
ちなみにこの緊縛師さんとは当時から友達のように慕わせていただいており、今でも仲良くしてくださっています。
「特別な動きとかはいらないから、身を任せてればいいよ」と言われていたので、
誘導されるがままに会場中央に立ちます。
(特別な動きいらないんだよね、ただ立ってればいいんだよね。うんうん、それならオラにも出来るぜ。)
そして会場中の全員が見守る中、身体に縄が掛けられていきます。
(これ、ストーリーとかなんも決めてないけど、とりあえずこれから縛られるわけだから不安そうな顔とかしとけばいいかな。)
後ろ手で縛られ、上半身が動かなくなったところで
相手の方が後ろで何かゴソゴソやっています。
(何か道具でも取り出してるのかな?)
次の瞬間。
パシーーーン
いっっっっっっったあああああああああい!!!!!!!!
予告なしでいきなり鞭打ち込んできやがりました。(°_°)笑
まぁバラ鞭(鞭の中でいちばん痛みが少ないやつ)だったので直接的な痛みはそこまででもなかったですが、
何せ音が大きいのでかなりびっくりしましたね。
その時点で朱雀のお芝居モード、決壊。
横に来た縄師の方をキッ!と睨みつけ、「てめぇこのやろう」をモールス信号のように瞬きで送りました。
モールス信号は嘘ですけど。
当時、普段からわがままな強気キャラで通っていた自分なので、この「Mじゃないのに無理やりM役やらされてる朱雀」という構図は常連のお客さんからしてもなかなか面白かったらしく、
世界観が崩れてもみんな笑ってくれました。
なによりでござい。
しかしそんな程度では相手も引きません。
「何だその目は?抵抗してみろよ?」と言わんばかりに、再び後ろに回り笑顔でどんどん鞭を打ち込んできます。
チクショウ、終わったら覚えてやがれ…
自分が苦虫を噛み潰していると、突如鞭の音が止みました。
ん?どうしたんだろう?
上半身が固定されているので振り向いて確認することができません。
終わったのかな?
そう安堵した瞬間。
ピシーーーーーッ
一本鞭打ち込まれました。
一本鞭は鞭の中でも最上級に痛いやつです。
空白の時間は終了の合図なんかではなくただのフェイントでした。
もうその時の自分はめちゃくちゃ痛いしびっくりしたしであばばばば状態。
その後もそいつ(緊縛師の方ごめんなさい笑)は
打つ??と見せかけて
打たない??からの
打つ!!
みたいな姑息な焦らしというかフェイント攻撃を仕込んできます。
身構えても来なかったり、気を緩めた瞬間に来たりでもうこんな手法ホラー映画でも最近ねぇよってぐらいの古典的な精神錯乱アタック。
規則性が読めない鞭の打ち手。
そしてまたもや空白の時間が訪れました。
来るの??来ないの??どっち!!!
我慢できなくなった自分は、渾身の力を込めて魂の叫びを上げました。
「打つんだったらさっさとやって!!!」
………
………
………
その瞬間、会場中大爆笑。
その後のことはよく覚えてませんが、世界観も情緒もあったもんじゃない状態でショーは終了しました。(笑)
まさかの、Sに楯突くM(メタ)。
SMショーの様式美が崩れた瞬間です(笑)
後に団体の代表からも「受け手として最低なM役」と揶揄され散々笑われたのでした。
続いては、外部のイベントにお呼ばれしてBL緊縛ショーに出演したときのこと。
とあるパフォーマーさんのデビュー◯周年、みたいなお祝いの会だったと思います。
そこでゲストとして駆り出されたのが自分ととある男性緊縛師さん。
それぞれが共通の知り合いであり、
主役のパフォーマーさんも緊縛師さんも日頃お世話になっていました。
ショーの内容に関しては細かい指定はなかったのですが、「2人のペアらしさを生かしたBLショー」ということで、
じゃあまぁいつも通りやればいいですね〜なんて話していました。
こちらも、具体的なストーリーなどは決めず、縛り手の誘導に従ってお互い空気を読みながらショーを作り上げていくというスタイルでした。
緊縛ショーってそういうの多いんですよ。
大雑把に決めていたのは「美しくエモい感じで」ということのみ。
(当時エモいなんて言葉はなかったけど笑)
つまりお耽美でシリアスなショーです。
いよいよ我々の出番になり、ステージに立つ2人を会場の皆さんが固唾を呑んで注目します。
暗くて不安を煽るような曲から始まるBGM。
曲に合わせ、M役である自分の表情も不安で曇らせていきます。
一本一本、身体を這っていく縄。
恥じらいと僅かな高揚感をブレンドした感情を顔色で表現。
徐々に身動きが取れなくなっていき、ついには完全に抵抗不能な状態が出来上がりました。
曲も3、4曲目あたりに差し掛かり、
雰囲気も盛り上がりを見せていく!
吊り上がった〜〜!!
朱雀が浮いた〜〜〜!!!
そして回った〜〜〜〜!!!!
ぐるぐるしてる〜〜〜〜〜!!!!!
ショーも山場を越え、
右足、左足と着地していきます。
先ほどまで身体を拘束していた縄もまた一本ずつ解かれ、M役の子(わたしw)にも安堵の表情が浮かびます。
とここで、相手が鞭を持ち出してきました。
「あー…打たれんのかいな。」
痛いのが苦手な自分ですが、ショーのためだから仕方ありません。
それに打たれると分かっていれば覚悟の決めようもあります。
打ち込まれた鞭が身体に食い込みます。
耐えろ。耐えるんだ朱雀。
君は今M役を演じているんだ。
「気持ち良い」とか「痛くて苦しい」って表情でいないといけない。
間違っても「何だこの野郎」という率直な感情をそのまま出したりしてはダメだそ。
自分で自分を励ましている間にも容赦なく鞭は襲ってきます。
もう少し!あともう少し耐えれば鞭のパートが終わって、おそらくこの後抱擁からの手を繋いで退場みたいな流れだと思うぞ!
そう考えていたのですが……
長い。なんだかやけに長い。
終わる気配がない。
もう十分打ったよね!?見せ場的には作れたんじゃないの!?
そろそろ解放してくれや!
これ以上表情維持するの限界ナンデスケドーーー
と、終わらない鞭打ちタイムに朱雀がとった次の行動は。
笑う。
一回鞭を打たれるたびに笑う。
儚げなBGMの中、声高に笑う。
この謎すぎる行動のせいで客席は困惑、
ショー終了直後に緊縛師さんからも「笑うなよ……」と呆れて苦笑される始末。
今思い返してみても、自分でもなんであの時あんな選択したんだって思います。(笑)
なぜそんなことしたのか???
もちろんちゃんと意図はありました。
「打たれているうちに精神崩壊して痛みが快感に切り替わり、打たれるたびに条件反射で笑うようになってしまった」
みたいな思いつきの突飛な設定を、打ち合わせも無しにその場で実行してしまったんです。
その場で思いついたんだから打ち合わせなんてそもそも不可能なんですけど。(笑)
しかし観ている側からすれば、普通に綺麗な(過激だけど)BLショーだったのに突如鞭で打たれて笑うなんていうチグハグなシーンが現れさぞ理解に苦しんだことでしょう。
もちろん演じている側の緊縛師さんからしても。(笑)
きっとその時の自分としては良かれと思ってやったことだったろうし、もしかしたら痛みを少しでも紛らわせるための策だった可能性もあります。
(よく覚えてない)
ですがSMショーでM役がしばかれて笑うなんて演出はそうそう見たことないし、やっぱり特異すぎただろうなと反省です(笑)。
それ以来、「必要以上の設定を盛り込んだ演技は極力しない、するとしても相当注意してうまくやる」という自分ルールが出来上がった朱雀なのでありました。
ということでSMショーの雰囲気を盛大にぶち壊した話2選、いかがでしたでしょうか!
もうこれ思い出しながら書いてて、やっぱり自分にはM役向いてないわと思いました。
演出上、必要とあらばやるけどね(笑)
SMショーではやはり、観客に何を求められているかをより繊細に察しなければいけない部分があると思います。
不甲斐ないSが頑張って調教する話や途中から責め手と受け手が入れ替わる逆転SMなんかも一部の層にとってはウケるかもしれませんが、
やはりオーソドックスなのは「絶対的なSとそれに怯える可哀想なM」という構図だと思うんですよね。(あくまでシリアスなショーでは)
その他の細かい設定はそこの根幹から派生させていけばいい。
間違っても慣れてない人間が「Sに(メタ的に)楯突く」「攻められて笑う」なんて不自然なことをやってはいけません(笑)
自分自身、いじめる側でショーを演じることもありますが、
もし相手の子が突飛なことをやってきたらどうしよう。
その場で堪えきれずに吹いちゃうかもしれない(笑)
ちょっとそんな未来のトンデモM男君にささやかな期待も抱きながら、朱雀の過去の失敗談を締めさせていただきます!
お読みいただきありがとうございました( ^∀^)
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