天照大御神を祀る京のお伊勢さん~日向大神宮
京都市中心部から、そう遠くない山の中に存在する日向(ひむかい)大神宮。
伊勢神宮と同様に<内宮・外宮>が奉斉され、京のお伊勢さんと称されるゆえんのある神社。
その他、多数の神さまが祀られていたり、天の岩戸があったり。先日も関西ローカルのニュース番組「かんさい情報ネットTen」でも特集され、見どころ満載の神社に興味を抱き、一度訪れてみることにした。
参道途中の観光名所
訪れた日はちょうど、夏至のエネルギーが最高潮!
最寄りの京都市営地下鉄東西線「蹴上駅」から、神社の一の鳥居を抜けて参道を歩く途中に、京都の歴史を体感できる観光名所がある。
それが、琵琶湖疎水の上流にある「蹴上船溜」と「蹴上インクライン」。
蹴上インクラインは、疏水上流の「蹴上船溜」から下流の「南禅寺船溜」を結ぶ、舟を台車に乗せて運ぶための傾斜鉄道。琵琶湖疏水の約36mある高低差を克服するために、当時の知恵と技術を結集させてつくられた。
舟を見ていると、タイムスリップしたかのように当時の人々の生活が目に浮かび、なぜかエモい気分に。
ここから南禅寺方面まで続くインクラインの跡地の中は自由に歩けるようになっていて、桜の名所でもあるので、ぜひ一度は訪れていただきたい観光スポット。
境内のメインスポット(内宮・外宮・天の岩戸)
蹴上船溜から10分ほど歩いただろうか。赤い鳥居が見えてきた。
長い階段を上がれば、ようやく境内へ。
日向大神宮は、5世紀末、第23代顕宗天皇の御代に筑紫日向の高千穂の峯の神蹟(神さまが宿っていた場所)を移して創建された、京都最古の神社の一つ。日向の高千穂といえば、日本神話では「天孫降臨の地」とされる神聖な場所。
鳥居をくぐれば、目の前には外宮が。
御祭神は、天照大御神のお孫さんである天津彦火瓊々杵尊(あまつひこほににぎのみこと)と天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)。
天之御中主神は、この世で最初に誕生した神とされ、宇宙根源の神さま。
伊勢神宮の外宮で祀られている神さまとは異なるけど、こちらも素晴らしいご神気!
勾玉池の橋を渡ったところに、天照大御神を祀る内宮が。
とんでもなく素晴らしいご神気!
主祭神の天照大御神とともに、宗像三女神(多紀理毘売命・市寸島比売命・多岐都比売命)が祀られている。
直接は見られないけど、内宮の奥にあるのが荒祭宮。
伊勢神宮の荒祭宮では、天照大御神の荒御魂が祀られているけど、日向大神宮で祀られていたのは、月読尊(つきよみのみこと)・高皇産霊神(たかみむすびのかみ)・栲幡千千姫(たくはたちぢひめ)の三柱の神さまだった。
内宮の左手には、神さまが降りてこられる神聖な「影向岩」があり、そこから「天の岩戸」に向かう坂道がつづく。
岩戸の中にある戸隠(とがくし)神社。御祭神は、天手力男命(あめのたぢからおのみこと)。
中は狭いし暗いし、一人でくぐるのはいささか怖い気もするけど。
こちらの岩戸をくぐれば、厄が払われ運気もぐぐっとアップするとか!
数多く祀られた偉大な神さまたち
日向大神宮には、総勢32柱の神さまが祀られている。
その中でも、特に興味を惹かれた神さまがいらっしゃる。
まず、福土神社。
御祭神は縁結びで有名な出雲大社の神さま、大国主命(おおくにぬしのみこと)。本殿の前にたくさんの皿がお供えされているのは、「かわらけ」という素焼きの皿に願い事を書いてお供えするという風習から。かわらけは社務所で購入できるので、良縁を願う方はぜひ!
そして、御井神社。
平安時代、都に疫病が流行したとき、清和天皇が夢のお告げによってこの水を万人に与えたところ、疫病が治まったことから、「朝日泉」と名付けられた。現在も、元旦に祠の扉が開かれ、神さまにお供えするための水が汲まれる。
こちらは、境内の入口の右手にある細い山道を上がったところに祀られている龍神さま。
少し畏敬の念を感じつつも、今年は辰年なので、ぜひ参拝しておきたいスポット。
そして、境内を出た左手に伊勢神宮の遥拝所に向かう道がある。
15分ほど上ったところにある遥拝所。そこから、平安神宮・京都御所・伊勢神宮を望むことができる。昔は、交通網も発達しておらず、伊勢に向かうことのできない人たちがここから祈ることができた。
今回は時間の関係で上らなかったので、ぜひ時間と体力の許すときに訪れたいスポット。
あとがき。
日向大神宮でいただける御朱印は一種類のみ。
極めてシンプルなデザイン。神社のご神山でもある「日御山(ひのみやま)」の印が押されている。
昔から、伊勢神宮の代参としてにぎわった日向大神宮。内宮・外宮ともに祀られている神さまに多少の違いはあるけれど、人々の心の拠り所になっていたことは確か。
天の岩戸(祠)があるのも大変めずらしかった。
多数の神さまが大集結して祀られていることからも、この地は神さまにとっても居心地のよい場所なのかもしれない。
京都市中心部からそう遠くないのに、人も少なくて、ゆったりパワーチャージができる場所だった。
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