見出し画像

エピソードトーク『夏の思い出-二日目-』

毎日順調に書いて二日目まできました。高二の僕は順調に行くのでしょうか?

【二日目】

神戸の公園で野宿を始めた三人。
テンションが高かったのと昼寝をしたこともあり寝付けずに2時か3時ぐらいに再出発。

ちょうどの日の出の頃に明石海峡大橋に到着。
朝日をバックに明石海峡大橋がが映えるーってことには方角的にならなかったけど、朝日に照らされる橋は今でも思い出せるほど印象に残っています。

その後も順調に走り加古川市に入った頃、9時くらいに

C君「暑くなってきたし、海入らね??」

海がない奈良県民の3人が、海沿いを走りながら考えてないわけがないんです。海が見えてから、野宿してるときも、明石海峡大橋を眺めてる時も、ずーーっと海に入りたいと考えてました。

「その言葉を待ってた」と言わんばかりに、先頭を走っていたA君のスピードが上がり、海水浴場の看板を左折、駐輪場らしきところに止め、勢いよく服を脱ぐ三人。打ち合わせをしたわけでもないのに三人とも下には水着を履いていて、波打ち際に走り出す男三人。

二時間程遊びヘトヘトになってると、近所のおばちゃんに話しかけられ、いろいろ話していると、海で泳いでたら疲れて自転車こげないと怒られ、さっさと出発しろと煽られ、落花生をもらいました。

案の定疲れ果てて、大幅なペースダウン。泳いで自転車乗って、後は走ればトライアストンだなぁとか話てた気がします。

疲れと暑さから、コンビニがある度に休憩してた気がします。当時は今よりコンビニの数はそんなになかったのかなぁ。

そんなこんなで、姫路市に入った頃、急な夕立が降って来たので、民家の軒先に避難。すぐに雨は上がったのですが、その家のおばちゃんに見つかり、怒られました、そしてまた事情を説明。すると、おしることマスカットをもらいました。真夏に食べるあつあつのおしることキンキンに冷えたマスカット。この組み合わせを食べたのは、後にも先にもこの時だけですね。

そこで三人は気付いたんです、ここまで落花生とおしることマスカットしか食べてないことに。気付いた途端お腹が空き、近くで見つけた定食屋さんに入りました。

ご夫婦でやってる定食屋さんのようでした。僕らが自転車で来たのを見えてたのか、お水を持ってきたおばちゃんがどこへ行くのと聞いた来たので、事情を説明。注文を聞くのを忘れる程、話をグイグイ聞いてくるおばちゃん。
注文を聞き終えても一旦下がるも、すぐに戻ってきてグイグイ聞いてくるおばちゃん。
食べ終えて、さぁ出ようとすると、おばちゃんが「お代はいいから」と言われ、そうはいかないと払うと食い下がるも、厨房から「いらねぇっつってんだから、早く行けよ、先輩待ってんだろ」とおじさんの怒鳴り声。また怒られました。お礼を言いながらも逃げるように出て行こうとすると、常連さん?らしきにおじさんにコーラを奢ってもらいました。
おかずも多かった気がしたし、ご飯は大盛りでした。

その後、あまり話さず出発したのですが、三人とも自転車を漕ぎながら泣いてたはず。少なくとも僕は泣きました。

と、その時A君のケータイが鳴ります。近くの公園に寄り、A君が電話を掛け直します。相手は一か月ほど前にできた彼女からです。
電話が終わるとA君は言いました。

A君「一日早く帰らなきゃいけなくなった」
C君「え?なんで??」
A君は言いにくそうに
A君「彼女が誕生日祝ってくれるって…」
そう夏休み最終日はA君の誕生日だったのです。
あと二日で広島に行って帰って来なくちゃいけなくなりました。
今思えば、この時誰も一人で帰れば、とか今から引き返そうって考えがなかったのが不思議です。

自転車に付いてるメーターで今まで走った距離が200kmとわかり、姫路から広島までの距離は道路標識から250kmほどとわかり、絶望しました。

A君「あれやるか」
C君「やっちゃいますか」
ぼく「あれ??」
C君「ヒッチハイク!」親指を立てながら言う得意げなC君の顔は今も忘れません。

暗くなりつつあったので、急いでヒッチハイクできそうなところを探し、三人交代で手を挙げることになりました。

根気との勝負だと思ってたんですが、いあー見事に止まること止まること。
ただ僕らは、男三人+自転車三台という編成なので、乗用車では絶対無理なんです。止まってくれた人に謝り続け、申し訳ない気持ちでいっぱいになったので、作戦を変更することになりました。

ターゲットを絞って大型トラックを狙い撃ちしようということになりました。、食堂のある大きなドライブインに行き、大型トラックの前で戻ってくる運転手に声をかけるといった作戦。

一人目は向きが逆だったので断られましたが、二人目であっさりとOKをもらい、日付が変わるまでに広島大学周辺に着けるとこのと。

運転手さんは本当にいい人で、しつこくご飯を奢ってくれるって言ってくれるし…、眠たかったら寝ていいよって何度も言ってくれるし…、コーヒーを一人2缶ずつ買ってくれるし…。いあ、本当にいい人なんです!!
本当に嬉しかったのは、お風呂に入れてくれたこと。長距離運転手用に大きなガソリンスタンドにはお風呂があるところがあるんですね。その時初めて知りました。ガソリンスタンドでお風呂に入るっていうレア体験ができました。

そうこうしてるうちに、広島大学付近に到着(すごく眠たかったけど、助手席に座った僕だけが一睡もできませんでした。)

波乱の二日目はここまでです。人の温かさに触れた一日でした。

【三日目】に続きます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?