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【vol.3】佐藤さんの想いをカタチにしてみた(中編)

【第3回 人の想いをカタチにしてみた】は

佐藤さんにお話をお伺いしました☘

 

佐藤さんは地方で作業療法士(OT)をしている10年目のベテランさん!

ちょっと強面だけど、喋るとめっちゃ柔らかくてユーモアのあるお方なんです。

 

私たちの出会いは1年前のX(旧Twitter)でした!

オンラインで話すようになり、いつの間にかオフ会をしていたという経緯があります!

そんな仲良しの佐藤さんに改めて作業療法士に対する想いを聞いてみました!


こちらの記事は【前編】【中編】【後編】に分かれています。

前編はコチラから

【中編】では佐藤さんの作業療法士になってから今に至るまでをお聞きしました。

佐藤さんの想いよ!皆さまに届け!

以下:(す)=すーみん (さ)=佐藤さん

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病院に就職してからの話


す)学生時代は作業療法学科に入って良かったことをお聞きしても微妙な反応でしたが、働いてみてからOTで良かったって思ったことはありますか?

さ)働いてみてからOTの良さに気づいたというか。

ある時、手術でもない、薬でもない、PTでもSTでもない、作業活動の自分の関りがよくて絶対に良くなったんだ!って言えるような症例を経験したんですよね。


「あっ、やりきったな」

みたいな感覚を味わえる時があって、その時はOTでよかったなって思ったことがあります。

す)言える範囲でいいのですが、どういう経験をしたんですか?

どういうプログラムを立てたか、どんな関りをしたから、どういう関係性を築けた…とか。


さ)脳梗塞で手術をしたけれども、高次脳機能障害が残ってしまった方ですね。

失語、右側半側空間無視、右上下肢の身体失認、左右失認。

運動麻痺の程度としてはそんなに重くはないんだけれども、身体失認がすごくって。麻痺側の右手を使ってくれない。

その人は何をやらせても左手が出てくるんですよ。

右手の訓練をしているのに左手が出てくる。もう本当に右手をないものとして扱っている人でした。


で、その人の趣味がソフトボールだったんですよね。

何か活かせないかなと思って、僕家からグローブを持ってきてキャッチボールをしようと思ったんですよ。

左手グローブだからさすがに右手で投げて返してくるだろうと思って。

で、それやったんですよ。それが結構劇的にうまくいって。


その後右手をめっちゃ使うようになったんです。

右利きなんですけど。右手をちゃんと使ってくれるようになった。

キャッチボールっていう作業で、右手を使わせることに成功した症例みたいな。


本人の趣味を使ったっていうのがうまくいったのかな。

これは薬でも手術でもどうにもできない、OTがやったことだろうって思えたので、これは良かったと思います。


作業に目を向けたきっかけ


す)(前編で)作業に目を向けるきっかけがあったって言っていたのはこの経験からですか?

さ)いや、それはまた別ですね。

す)そのお話も聞いていいですか。


さ)それは何だったかなあ。

僕OT2年目くらいの時に壁にぶちあたったというか。


当時、ボバースとかを勉強していて、

徒手的に治そうみたいにこってた時期があったんですよ。


でも、

・抗重力伸展活動ができるようになりました

・座位が安定しました


「で?」ってなったんですよ。


その人が今後どうなっていくんだろう?

っていうのを考えた時に、

徒手的にやるのって間違ってはいないけど「このままでいいのかな?」っていう壁にぶち当たったんですよ。

復帰を促さないといけないのに、座れるようになりました、だけでいいのかな?みたいな。


役割の獲得、趣味の獲得、ADL動作の獲得、まあ本人が1番やりたいことをすればいいと思うんですけど、それはできているのかな?って。


どんな理由があるか分かんないですけど

OTなら多分皆さん1度はぶち当たってるんですよね。

このままでいいのかな?みたいな。


で、壁にぶち当たった時に上司が紹介してくれたのが

作業ってなんだろう?(吉川ひろみ著)」っていう本だったんです。


作業って何なんだろう?何が作業なんだろう?

あっ何でも作業なのか!って。


本人が楽しいと思える作業、やりたいと思える作業を提供して、それが治療につながるのが1番良いよなって思うようになったんですよね。


それから1年か2年経ってからかな、さっきの症例は。


それから、患者さん本人がどういうことに思い入れを強く持っているのかを気にするようになりました。


主婦としての役割を大事にしているのか、夫としての役割を大事にしているのか、趣味は何かとか。

そういうのは患者さんとよく話すようになりました。


す)意識が変わったんですね。

さ)できるできないっていうのはちょっと置いといて、

できるようになるかどうかは分かんないけど、

何か自分の趣味でやってることって聞かれても別に悪い気はしないじゃないですか。

自分に興味を持ってくれているのかなって。


雑談の中にも、患者さんの趣味のことを僕が聞くようにしたりだったりとか。

そういうのを考えるようにはなりましたね。


当時を振り返ってみて


す)今、当時を振り返ってみてどうですか?

さ)あの時、壁にぶち当たったっていうのはやっぱり正解だったとは思います。

あとはもうちょっと勉強しとけばよかったかな。

当時、自分のできることは最大限やってたんですよね。

月1回は必ず県外の勉強会に行っていて。

それは作業っていうのではなくて、高次脳機能障害だったり、肩関節、ボバースだったり。

それが5年目まではやってたんですけど、もっと行けたかもしれないなって思います。


終わりに

今回は佐藤さんの作業療法士になってからのお話をお聞きしました。


やっと作業療法士になって良かったと思えるお話が出てきましたね!インタビュアーとして少しホッとしました(笑)


そして

「これでいいんだろうか?」

誰しもが抱える壁。

若手時代にぶち当たった壁が佐藤さんの作業に対する考えを変える転換期となったんですね。


過去に同じ悩みを抱えていた方、今その壁にぶち当たっている方、

この佐藤さんの経験が少しでも皆さまの支えになればいいなと思います。


次はいよいよ後編!

後編は佐藤さんが今読者の皆様に伝えたいことをお届けします!


~想いをカタチに 想いよ届け~

すーみん

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