オットを嫌いになるまで⑤
妊娠中も、オットが今まで以上に家事をするなんてことはなかった。
私以上に寝ていたし、私以上にラクをしていた。
切迫早産で絶対安静のときに、安静にしておきたいのに義母が来た。
「様子を見に来たのよ~」
なんの?
それで身の回りのことをしてくれるのかと思ったけれど、来て、ずっと座って、ぺちゃくちゃ喋って(自分の話だけして)、帰った。
たいしたことはしていないが、お茶入れたりコーヒー淹れたり、なにより人が来るから掃除して、帰ってからも片付けして…
この人は何しに来たんだろう、と思った記憶がある。
数日後に私の友達が、「大丈夫?」と様子を見に来てくれた。
差し入れを玄関に置いておくからね、と言ってくれたが、少しだけ話して、すぐに帰っていった。
気を遣ってくれて、とてもありがたかった。私も友人の顔を見れて、嬉しかったし。
実母は食べるもの、いるものを買って、届けてくれた。
私だけの分ではなく、オットのぶんまで。
オットはなんなら私の面倒も見てくれるのかと思ったが、そんなことはしてくれない人だった。そうだった。
比較的元気な妊婦だったので、今まで通り生活ができていた。
ただ、当たり前だけれど、しんどかった。
「これだけしんどいねんから、なにかご褒美でも買ってよ~」と冗談半分でオットに言ったら「ん~それはなんか違うよね」と言われたことがとても違和感だった。
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