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月報Okishima Life

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同市内から沖島にやってきた、単独男性が漁師になった四季折々、年々変化のあるリアルな暮らしのご報告。毎翌月10日更新。2021/10~。それまでは総集編。
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月報Okishima Life 概要

島に住んだらどんな暮らしが待ってるんだろう?そんなことを思い浮かべてみたことはありませんか? ゆったりとした空気感、自然が豊か、波や船の音がBGM、夕日を見ながら水辺や堤防で黄昏る、魚を釣って食べる etc.  十人十色、人によっていろんなイメージが湧きたってくると思います。 実際、住んでいる人でも暮らしは様々。 ここでは、同市内から沖島にやってきた、ある一人の単独男性は、どんな島生活を過ごしているのか、四季折々毎月ごとの年々変化のあるリアルな暮らしから、ゆるく報告し

月報Okishima Life 2024.7 漁獲量(収入)が安定することの大事さ

引き続き幸運に恵まれた7月7月に入ってからも、出漁を断念するような梅雨明け前の雷ラッシュや強風に遭うことなく、休漁知らずでスジエビを獲り続けることができ、先月よりさらに幸運に恵まれていた。 前から感じていたが、上手くいく時は驚くほど続くし、上手くいかない時はずっと上手くいかない。漁師はおもしろい。 水草地獄から脱出日に日に水草は伸び、スジエビはもちろん、タツベに一緒に入ってくる小魚の種類が増えたり、浅場で泳いでるのが見えたり。魚の楽園感が今年も垣間見えて嬉しい。 その反面、

月報Okishima Life 2024.6 タツベでも稼げることを自分自身に証明した6月

今年はスジエビを獲りにいく昨年のタツベシーズンは、 「とりあえずやってみる。ある程度形になって、来年以降に繋がればそれで良し」 という、あまり自分にプレッシャーはかけない程度に目標を掲げ、無事達成できた。しかし結果的には、手の数ナンボの漁法なので、他の方々よりも後手後手になり、スジエビが満足できるほど獲れず、暑い中、時間と体力だけを消耗し続け、悔しい結果となった。 なので、今年のタツベはなんとしてもスジエビを獲って自分自身に、 『タツベでもスジエビは獲れて、しっかり稼げ

月報Okishima Life 2024.4 姉川13日間の戦い くさつFermars'Marketに初出店!

(3月終盤、スジエビが深場から一斉に姿を消した)その後3月も残すところ数日となったところで、スジエビは深場から一斉に姿を消した。その後、何度か通ってみても状況は変わらず。それにしてもいなくなるのが極端すぎる。毎年の傾向だが、今年は一層そう感じた。(何が影響しているのか確実なことは分からないが、今シーズンの対象となるスジエビの絶対数は間違いなく少ない。) あちこち足を運ぶ これから浅瀬に寄っていくスジエビに、いつまでも深場で期待していても仕方がない。そして、何と言っても今回

月報Okishima Life 2024.3 若手仲間との沖曳き出漁 完璧な3丸半

3/11全層循環確認 深場に魚が集まるずっと待ち望んでいた全層循環が3/11ついに確認。日に日に湖底の様子が変わっているように感じていたものの、3月を跨いでも一部でしか確認されていなかったから、ほっと一息。 そして水深80m後半~90m台にはスジエビを筆頭に魚が集まり、例年までとはいかないが、まともな漁の日々が続いた。 琵琶湖若手漁師仲間との沖曳き出漁同じ琵琶湖で頑張っている若手漁師仲間が沖曳きを見てみたいと、同行してくれた。 この日は少しばかり手伝ってもらい、普段1人でや

月報Okishima Life 2024.2 漁師やってるなと思える瞬間 2/29ついに獲れ始めた

全層循環一部で確認2月に入り、少しずつ深場で見られる魚たちが増えてきた。しかしながら、例年に比べてはまだまだ。少し獲れた!と思えば、次の日にはまた獲れない…そんな調子。 全層循環と深場の魚の関係性は非常に密接だが、2月中旬に発表された全層循環を一部で確認というのをまさに実感しているような日々。全層循環前に深場で魚を獲ることは、より高難度だ。 すでにこちらは水深80‐90m台地点まで到達してるので、全層循環完了の準備は万端だ。 漁師やってるなと思える瞬間漁に出られない日が多

月報Okishima Life 2024.1 3丸半

2024開幕今年も新年早々、友達たちが沖島まで遊びに来てくれ、賑やかに2024年の沖島暮らしがスタートした。 そして、左義長の準備や組合の鏡開きなど、毎年と同様に沖島での新年を過ごした。 左義長当日。朝からは吹雪いている中、市内で行われた消防団の出初め式に初めて出席。終わったら、昼からの左義長のためにそそくさと帰島。昼前には雪は止み、曇り空の下、無事に左義長が執り行われ、着火。 過去には雪がざざ降りの中で執り行われたこともあると聞いたことがあるが、よく火が着いたもんだなーと

月報Okishima Life 2023.12 エリ漁に参加&直○の試行

まだまだ暖かいそして、水位は‐79㎝少しずつ冬の景色になってきているが、例年と比べたらまだまだ暖かい。漁をしていると段々と暑くなってきて、ネックウォーマー・ニット帽なんて着けていられなくなるくらい。 案の定、スジエビは最後の最後までパッとするような塊を見せてはくれなかった。そして、水位は一向に戻ることなく‐79㎝を記録。この真冬に塊ってくれるのを願う他ない。 エリ漁に参加今年は声を掛けて頂き、エリ漁に乗せてもらえることに。エリ漁は1シーズン経験あるだけなのでまだまだ不慣れ、

2023そして、2024

2023早いもので2023年もあと少し。2023年開幕当初はまだ1人で出漁するなんて想像も出来ず、「3月の独立に間に合うんだろうか…」と不安と焦りしかなかった。 そこから1年、なんだかんだ気づけば魚を獲って得る収入がしっかりと生活の糧となり、日に日に経験値を積み上げることが出来、ポツンと1人沖合いで漁をしていても不安なくやりきれるようになっていた。 タツベも早々に慣れることが出来、秋口まで無事にやりきり、12月にはエリのチームに(お手伝いとして)参加させて頂けたことで、今

月報Okishima Life 2023.11 久しぶりの湖底は状況が変わっていた 

11月中旬、漁船帰還先月末に船を整備に出してから半月。ついに整備完了の連絡がきたので、迎えに伺った。久々に船の姿を目の前にして、正直ほっとした。そしてエンジンを始動。「ブゥン!ゴゥッゴゥッゴゥッ」っと息をするかのように鳴るエンジン音を聞いたら高揚感に包まれた。 明日から半月間溜め込んだフラストレーションをようやく解放できる!(この間、島外アルバイト生活だったので、より溜まった感じ) と、思ったものの、数日荒れた天気で、ひとまず網直しから仕事再開。 網を触っているとなんとなく

月報Okishima Life 2023.10 十数年ぶりの不漁 スジエビ唐揚げ初出店大成功!

十数年ぶりの不漁でお手上げ状態9月から一向にまともに姿を見せてくれないスジエビ。例年のことを思うと、10月に入れば多少なりとも獲れ始めるだろうと焦る気持ちを落ち着かせていた。しかしながら10月後半に入っても一向に獲れない...。こんなことは十数年ぶりらしい。(なんなら十数年前でもこんなにひどくなかったらしい。) ここまで獲れないとさすがに毎日出漁し続けるのは、経費的にもメンタル的にもしんどい。さすがにお手上げ状態なので、2~3日に1回程度の出漁(様子見みたいな感じ)、他は漁

月報Okishima Life 2023.9 タツベシーズンやりきってみて そして次なる一手

タツベの終盤戦タツベで獲れるスジエビが日に日に減っていき、各々の判断で沖引きへ切り替えていく時期がついにきた! この時期の沖引きは夜の漁になる事が多く、沖引きで獲れたという情報が回ってきても、暗闇での沖引きに不慣れな自分がすぐにでも切り替えられるかと言われれば、そうでもなく。切り替え判断が非常に難しい。。(そもそも最近は早々に獲れ始めたという情報はなかないとか。) 波はあるものの、ギリ最低限のスジエビは確保できていたので、少しタツベで粘ってみることにした。 景色もだいぶ秋へ

月報Okishima Life 2023.8 理想の島暮らしを見つめ直す

ペースダウン&改めて理想の島暮らしを見つめ直すこの時期になると暑すぎるので、漁は無理せず潔くペースダウン。(と言っても、早朝の漁から団子作りまでの昼前後までは、やりきる。) そのぶん、改めて理想の島暮らしに着目してみた。 やはりこの島暮らしには自分の好きなモノやコトを詰め込んでいきたい…! とりあえず、”個人的必須アイテム”であるハンモックを部屋に設置してみることに。 最高か。 そして泳ぐコトは、自分にとってはやはり欠かせない夏の習慣の一つ。そこにプラスして、夏には欠

月報Okishima Life 2023.7 圧倒的な団子の差

夏が始まったこの家での初めての夏。正直言って、かなり快適。1階はほどよく風が入って涼しいし、2階はいい感じに陽当たりが落ち着き、外の景色はまるで理想の夏景色。入道雲が溢れかえってます。 近隣のホンミチも涼しくなった夕頃にひぐらしの鳴き声を聴きながら散歩していると、とても気持ちが良いです。 沖島近辺へ大移動これまで苦戦を強いられていたエビタツベ。そうこうしているうちに、気温がぐんぐん上がってきたので、あまり時間をかけてやってられないと判断し、毎年この時期に行く沖島近辺の場所へ