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良きサーフカルチャーを象徴する人の温かみ

サーフィンをしていると本当にたくさんの人と出会います。
髪の毛と髭をボーボーに伸ばしている仙人みたいなロングボーダー乗りのおじいちゃん、僕と同い年くらいの娘さんと一緒にサーフィンする親父さん、ダンパー波でもガンガン攻めるロコ系女性サーファー。
海の中には個性に溢れたたくさんの人がサーフィンを楽しんでいます。

そんな中で、僕は人の優しさといいますか、良きサーフカルチャーに触れた瞬間がありました。

それは日本でコロナが流行し始めた2020年。
安倍総理大臣は2020年4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言を行い、4月16日に対象を全国に拡大しました。

緊急事態宣言発令に伴い、どのサーフポイントも封鎖。
僕は毎週の日課であったサーフィンに行くことができなくなってしまいました。しかし、当時も自分たちの行動でサーファーの社会的価値を下げてはいけない。また、コロナが明けたら皆んなで楽しくサーフィンするまで我慢しようとStay Homeをしていました。

そこから約1ヶ月半後、5月25日に緊急事態宣言が解除になります。
僕たちはその週末に海へ向かいました。
久しぶりにサーフィンができるというワクワクと、本当に今行って良いのだろうか?という後ろめたさを感じながら。
そしていつも入るポイントとは違うサーフポイントに行きました。
ポイント真ん中がリーフブレイクになっていて、自然と波が割れる中心に人が集まるようになっているポイントです。
周りを見渡すとおそらく皆んなで談笑しているのでローカルの方々。
僕は一番端で波待ちをしながら、おこぼれの波を狙っていました。
正直、久しぶりのサーフィンだったので海に入れるだけでも感動、そんな気持ちでもありました。

セットが入ってきます。
サイズは腰腹くらいだったかな。続々テイクオフしていくサーファー達。

そんな時、一人のおじさんが声をかけてくれました。

「珍しい板乗ってるねぇ。今日ここ初めてきたの?」

僕、「ありがとうございます。このシェイパー好きなんです。はい!初めてです!」

おじさん、「良い板だよね。ようこそ。今日は緊急事態宣言も明けてせっかく来たんだから思う存分楽しんで。割れるところで波待ちして大丈夫だよ。」

確かこんなような会話だったと思います。
申し訳なさがありつつ入ったポイントで、怒られるかなと思ったのとは裏腹に歓迎の言葉をかけてくれました。
そこから良い波を順番にシェアしつつ、楽しいサーフィンをすることができました。

海と同じで誰に対してもオープンな人達。
そんな素敵なサーファーの方々は日本にもたくさんいらっしゃいます。
良い文化として、サーフィンを誰に対しても開けた、多くの人に海が救いとなるように僕も後世に残せていけたら良いなと思っています。

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