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小さくても、巡らせた経験は強い。自分が稼いだお金で友人のカゴバックを買った日のこと。


昨日、友人が作ったカゴバックを受け取った。

クルミの木の皮を使って編んだカゴバック。

前日にクルミオイルを塗ってくれたから、香りと照りがまだ残ってる。

美しい佇まい。




落ち着いた風合いだから、重厚感漂う見た目だけれど、持ってみると、びっくりするくらい軽くて、どこへでも持って行きたくなる。

そんな軽やかさがある。

軽いのに丈夫だから、500mlの水筒を入れても大丈夫。

その強さの秘密は、網代(あじろ)編みで編んでいるから。

網代編みは、目をずらしながら編む技法だそうで、隙間がない。だからとっても丈夫なんだそう。

三つ編みのようなラインが入っているのも良いアクセント。


そして特筆すべきは、友人のお母さんが、スペシャルバージョンにしてくれた、持ち手とバック本体とのつなぎ部分。

革で持ち手部分を覆って、1針ずつ手縫いしてくれてある。その丁寧な仕事ぶりに感動しきりだった。

笑みが抑えられない。


ただ、モノを買った。

たったそれだけなのに、なぜ私はこんなにも嬉しいのだろう。
なぜこんなにもしあわせを感じているだろう。


理由はきっと

【自分を活かして得たお金】で
【誰が作ったか分かる手仕事のモノ】を買うことができたから


だと思う。


【自分を活かして得たお金】というのは

私が【書く・聴くを仕事にしたい】と始めた活動を
いいなと思ってくれた人たちが、私に払ってくれたお金のことだ。

あの人が受けてくれた言語化セッション、
あの人が受けてくれたインタビュー。

何を考え、どんな準備をして、どんな風に話をしたか、上流から下流まで、マルッと自分で行動した上で得たお金だ。

その対価として、【私が受け取ったお金】だ。


そして、そのお金を使って【カゴバック】を買った。 

友人が山に入り、
クルミの木を切り
シカのツノを使って皮を剥ぎ、
乾燥させ、
ちょうど良い厚みのものを選んで、
一目一目編んで
カタチになったカゴバックを。

自分がどうやってお金を得たのか体験していて、
目の前にあるものが、どうやった経緯で出来ているのかを知っている。

だから、より心が震えるのだ。

嬉しすぎて一人撮影会。



本当に小さな小さな循環だけど、経済を回しているという喜び。

それを実感できた。

ほんの小さなステップで、ささやかな出来事かもしれないけど、
私はこの経験をこの先も忘れないと思う。

小さくても、巡らせた経験は強いから。

お金をいただくありがたさと、モノが存在し、それを手に入れる喜びを実感した日。

この日の感覚と感動は、これからの仕事に、より深い感謝としあわせをもたらす。
そんな気がしています。




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