50音アナグラム「静寂の青き星」
鴎 白溶けむ空へ急いて
裸亀貝 濃紺な海神は揺れる
小夜 不意に消え 踏まぬ地をあやす
かもめ しろとけむそらへせいて
くりおね のうこんなわたつみはゆれる
さよ ふひにきえ ほまぬちをあやす
カモメは白い雲が溶け合う青空の遥か彼方へ飛び去った。
果てのない地の底の色を彼らは知っているのだろうか。
忙しない声とはためきは、まるで世界から逃避しているようだ。
クリオネは深い海の底、濃い青の揺らめきに身を任せていた。
射す日の光の眩しい色を彼らは知っているのだろうか。
時の流れと無縁の場所で、何も変わらない世界を悟っているようだ。
夜という概念が消えるとき、きっとこの地は終わりを告げる。
消えるときはきっとほんの一瞬だ。誰にも気づかれないまま終わる。
その時が来るのをある者は恐れ逃げ出し、ある者は諦め留まっているのかもしれない。
自然のアルゴリズムだけがこの地球をあやし続ける。
赤子のように弱く強かな青き星を守り続ける。
空にも海にも、無垢な彼らが息をし続ける。
P.S.青が好きすぎる。