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#1 『HELPING CHILDREN SUCCEED』

ここ最近は友人と非認知能力についてよく話し合う。

非認知能力とは「一つのことに粘り強く取り組む力」「内発的に物事に取り組もうとする意欲」などのことをいう。

この本では,非認知能力の育成のポイントを23の項目に分けて説明している。個人的には12個目の項目あたりからの内容が興味深かった。



現在,日本の子どもの貧困率は14%(約7人に1人)だそうだ。そんな中,近年,教育分野では非認知能力に関心が集まっている。

非認知能力の研究者として有名なヘックマンの研究によると,「就学前に適切な環境と関わりをもつことは,子どもたちの非認知能力の育成,ひいてはその後の人生にも決定的に重要な意味を持つ」そうである。

この本では,非認知能力を育てるには幼児期が最も適しているという実験結果と,そのためには子どもを取り巻く環境が最も重要であることが強く述べられていた。

また,非認知能力にも低次なものと高次なものがあるようだ。

学習への意欲や粘り強さ,好奇心,逆境に立ち向かう能力などは高次の非認知能力とされ,この能力のつけさせるためにはその基盤となるストレス管理能力や自制心が必須であるとされている。

このことは令和3年度から(小学校は令和2年度から)完全実施となる新学習指導要領ともかかわってくる部分であると感じている。

資質・能力の3つの柱の中の一つ,「学びに向かう力,人間性等」はまさにこの非認知能力と大きく重なると言えそうだ。

実際に子どもたちを評価する場合,「主体的に学習に取り組む態度」という観点として,子どもたちの成長をみとる。「主体的に学習に取り組む態度」の観点には2つの視点が与えられている。

1つが「粘り強く学習に取り組む態度」そしてもう1つが「自らの学習を調整しようとする態度」である。

当然,教師はこれらの視点で子どもたちが成長できているかわかるような取組をするよう注意が必要であるし,これらを意識した授業づくりが大切になってくる。

しかし,その根底には,幼児期,小学校期に培われた能力も関わってくるということである。

とはいえ,中学校側として取り組めることもたくさんあるだろう。

来年度,力を注ぎたいことを書いて終わりとする。

①子どもが自ら選択し,自らの意思で学習をしていると感じさせること

②子どもの取組または存在そのものを認めてあげること

ではこれらを具体的にどのように授業に結び付けるのか。そこが教師の力量なのではないだろうか。


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