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【読書日記】カエアンの聖衣 / バリントン・J・ベイリー

2022年7月14日読了。

スーツの繊維が知性を持ち人間を支配するという、アニメ『キルラキル』の元ネタになったSF小説。あとがき解説も中島かずきが書いている。
キルラキルの元ネタと書いたけど、中島かずき自身が「この作品がなかったらグレンラガンもキルラキルも生まれなかった」と言っているくらい、キルラキルに限らずそもそもの中島かずきの創作観に影響を与えているとのこと。

実際読んでみるとめちゃくちゃ納得。完全にTRIGGER作品だこれ。派手派手でスピード感のある展開、やたら濃いキャラクター、笑っちゃうくらいアホなSF設定で、脳内でトリガー作画の映像が勝手に再生される。ワイドスクリーンバロックと呼ばれるジャンルのSFで、「中核となるアイデアを軸にハチャメチャでスケールのでかい大法螺話を展開する」という手法もまさしくグレンラガン、キルラキルだった。

中肉中背で弱気な主人公・ペデルが、特殊なスーツを着た瞬間にスタイリッシュになって語気も強くなるシーンとか、服着た瞬間に巨大化して暴漢となるキャラとか、キルラキルだ〜と思いながら読んだ。めちゃくちゃ面白かった。
キルラキルとの比較ばっかり挙げてしまったけど、銀河や惑星が国家と化したSF設定のなかで描かれる文明や、「受動的な知性」という要素など、SFとしてオリジナリティに溢れる面白いアイデアも盛りだくさんでとても良かった。

あとがきにはキルラキルのキャラクター「鮮血」が誕生したエピソードなんかも書かれていて、アニメを見返したくなった。余談だがキルラキルは自分が今まで見たアニメの中でもトップクラスに大好きな作品だ。その原点となる小説もとても面白く、読んで良かった。

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