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世界の中心で愛を叫んだけもの / ハーラン・エリスン

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2021年7月12日 読了

某アニメの最終話サブタイトルとして有名だが、庵野監督はこの作品を当時読んだことがなかったとか。

たった16ページしかない表題作はまったく意味がわからず、解説ブログなどを読んでなんとかあらすじは理解したものの、それでもやっぱり何が言いたいのかの意味は理解できなかった。
しかしcrosswhenという宇宙の中心が、都市のような政治を行い機能しながらも、すべての時間・空間とリンクしている設定は面白かった。

表題作以外はわかりやすく、B級っぽいバイオレンスな話が多かった印象。
面白かったのは、地下に眠る「スリーパー」が全人類の思考とリンクして制御し、戦争が起こらない平和な世界を保ち続けているという設定の『眠れ、安らかに』、人から忘れられることで透明人間(しかも世界に干渉すらできない存在)になる『聞こえていますか?』あたり。

『星ぼしへの脱出』『少年と犬』あたりも、くだらないがどこか爽快感があった。

あとから知ったが、『少年と犬』はマッドマックス2の元ネタで、映画化もしているらしい。Z級映画らしいが(そりゃそうだ)。
うろ覚えながらあらすじを書くと、世紀末のような荒廃した地上では、犬とテレパシーで会話できる荒くれ者たちが暮らしていて、女は犯されすぎてほぼ絶滅。そんななか地下には文化が発達した統制された世界があって、逆にそこでは男が足りなくて、主人公は種馬として拉致される。これで女とヤリ放題だぜヒャッホーってなるんだけど、生活がつまらなすぎて脱走。セックスの快楽を覚えたヒロインがついてくるけど、やっぱ最高の相棒である犬といるほうがいいぜってことでヒロインを犬に食わせて終了………このあらすじの書き方は乱暴すぎて怒られそうだが、それくらい乱暴なお話。ひどすぎる話だが、正直面白かった。

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