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ぶっ飛んだ塾のおかげで、勉強が楽しいになっていた話

小学校、中学校のとき

「学校って場所」が堅苦しくて窮屈で好きじゃなかった。

みんなと同じペースで進まなくちゃいけないのが、

わりと苦痛だったし、自由度が低すぎて楽しくなかった。


それが中学3年生のとき

塾に行き出してから、塾では勉強するのが楽しくなった。

先生との距離感が近くて、

仲良い近所のお兄さん、お姉さんみたいな感じだったから。

あだ名で呼んでたし、普通にタメ語だった。

そんな環境だったから、

分からないときは、その場で「わかんなーい!」って言えたし、

お互い良い意味で遠慮がなくて居心地が良かった。


塾の席は定期的に行われるテストの結果で決まる。

成績トップの人から前から順に座っていく。

成績の良さが常に見える化されている。

殺伐としてしまいそうなもんだが、

アットホームな雰囲気だったから、

「いえーい!〇〇よりも前だ~♫」

そんなノリだったし

成績もゲーム感覚で、

「次は△△ボスをやっつけて〇番目に行ってやるぞ!」

そんな感じだった。

なにより小さな目標があってわかりやすくて楽しかった。

その日の授業の終わりには問題が出されるんだけど、

正解した人からさっさと帰れる♪

早々と正解した人が、解けなくて苦戦している友だちをフォローしたりしている姿もよく見かけた。


夏季講習では、

みんな家から布団を持ち込んで、

塾に泊まり込みで勉強した。

「我慢強さをつけるため」

そんな名目で

真夏の昼間の教室で

暖房をかけて

みんな白湯を飲みながら

勉強をした。

大量の汗でプリントが書きづらくなるし、

パンツまで汗だくだったけど、

終わったときの窓を開け放ったときの爽快感と

外でホースで水浴びしたときの開放感は

今でも忘れられない。


それよりも更に忘れられない出来事は、

塾主催のサマーキャンプだ。

いくつかのグループに分かれて活動するんだけど、

それぞれのグループにアイテムが1種類ずつ渡される。

Aのグループは薪

Bのグループは食材

Cのグループは鍋類

といった具合に。

物々交換しないとご飯にありつけないようになっていた。


そして、縄に繋がれたにわとりが数羽いた。

そのにわとりはペットではなく

卵のためでもなく

あくまで食料として存在していた。


グループごとに、ああでもない、こうでもないと言いながら交渉し

必要なものを手に入れた。


そして、にわとりと向き合う時間になった。


グループごとに1羽ずつさばくように言い渡された。

それからレクチャーがあり、泣きだした子もいたし、冷静に聞いている子も

いた。私は半ベソをかきながら目をそむけてしまった。

先生に逃げずにちゃんと話を聞くようにと、強めのお叱りをうけた。


何が抵抗あるかって、

自分たちで命を取るということだ。

それまでは、誰かがその役目をしてくれていて

罪悪感も感じずにのうのうと、肉を食べてきたから。


私たちのグループは、にわとりを絞めるのはジャンケンで決めることにした。

私は運良くジャンケンに買ったが、今思えば運が悪かったと思う。

恐怖でしかないけれど、自分の体験にする機会を逃したからだ。


工程はこうだった。

まず最初ににわとりの首の骨を折る

つぎに首を切り落とす

それから逆さまにして吊り血が抜けるのを待つ

ここまでがなんとも言えない緊迫感と、恐怖感が漂う。

不思議とその後の工程からは

「命→食べ物」って意識になる。

茹でて毛穴を開かせて羽をむしりやすくする。

そしてひたすら羽をむしる。


怖くて泣いたのに、

食べたらめちゃくちゃ美味しくて、

単純で残酷なもんだなと思った。

そんな中3の夏でした。


今日もあなたに心の安らぎと幸福感が訪れますように♪



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