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対話はライブ

花屋に行って、花と一緒に物語を買った。

以前行ったときは、お客さんがたくさんいて、説明を受けただけで会話することはなかった。

今日はたまたま近くを通りかかり、ふらりと立ち寄ってみた。
すると、「コロナ感染予防のため、購入する方、予約受け取りの方のみの入店をお願いしております」と入り口に張り紙があった。
購入するか分からない者としては、なんとも高いハードルである。
店内にお客さんは誰もいなくて、さらに入りづらい雰囲気だったのだけれど、勢いよく「えいや!」と入ってみた。
店主に確認してみると、「どうぞどうぞ」といった感じで、なんとも気さくな方で拍子抜けしてしまった。

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店内はおとぎ話にでも入り込んでしまったかのような雰囲気で、店主から花にまつわるエピソードや、たくさん飾られている「花の絵」やアンティーク品の話など、次から次へとつむぎ出され、それは店主の物語でもあって、その世界を覗かせてもらうことでわたしは幸せな気持ちになった。

店内には、アンティークのおさるの人形が置いてあって、それを「かわいい」と言ったところから、アンティークの価格についての話になった。例えば小さな人形が5000円と言われたとき、その反応はお客さんによってさまざまで高いと感じる人もいれば安いと感じる人もいる。
その人がその物の価値をどのように判断するかで感じ方はまるでちがう。

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今回わたしは花の入った手のひらサイズのこのガラス瓶を3800円で買った。
家に帰って「いくらすると思う?」と聞いてみると「800円」と答えた夫 笑
この瓶は実は100年前のもので、コルクが生まれる前だったから木で詮がしてある。もとは種を保管するものだったようだ。
昔のものだから、探しても出会うことが難しくなってきたと言っていた。
3800円のこの瓶の中にはそんな物語も入っていて、これからきっと、この瓶を眺めるたびにその物語が溢れ出して、気持ちがふっと軽くなのだろう。

店主は数年前まで東京に住んでいたそうで、まさか今の場所に住民票を移すことになるとは思いもしなかったそう。
このお店は1週間で店内に置く花ががらりと変わる。
1年間でお店の中のディスプレイもどんどん変わっていく。
花も、アンティークも一期一会だと言っていた。
拠点を変えるきっかけになったのもあるお店に出会ったからだそうで、「それもまさに一期一会ですね」と言ったら笑っていた。

途中で呼び出しの電話がかかってきてしまい、急いで帰らなくてはならなくなってしまった。
「話はまた今度」といってお店を後にした。

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人が大切に想っているものには物語がつまっていて、話を聴くと自分も体感したかのような感覚を味わえる。
苦労話もしてくれるのだけれど、話してくれるときにはたいてい笑い話になっている。
苦労も笑い飛ばせてしまうカラッとしている人は話していても楽しいなと感じる。

次はどんな花、どんな物語と出会うのだろう。
わたしにとっては体感できればそれで満足だから、話をあまり覚えていられないのだけれど 笑


10代の頃はライブハウスに
20代はクラブに通った。
気づかなかったけれど
ライブは日常の中にもあったのだ。
ライブの前はワクワクした気持ちになっていた。
人と話すときもそこに自由があればワクワクしてくる。
やっぱり対話はライブなのだ。

今日もあなたが心の安らぎと幸福感を感じられますように♪


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