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4.美しい光はだいたい頭上からくる(ライティングの考え方と、ストロボ光を不自然に見せないための話①)

ストロボを使用したライティングの配置を考える上で、僕がいつも意識していることは、できるだけ「ストロボで照らしました!」感を出したくないなぁというところ。ストロボを使う際には、自分なりに納得できる理由付けがしたくなる。

ライティングについて、というのは深すぎるテーマではあるが、今回は「わざとらしい光」に見せないために意識したいポイントを、複数回に渡ってまとめていく。

【ヘッダーModel:さやさん】(F1.4 1/200s ISO400)


①美しい光はだいたい頭の上からやってくる

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【ジャンヌ・ダルク:ゆよりさん】(F1.4 1/200s ISO200)

ライティングについての考え方はそれぞれだと思うが、僕は、ライティングで使用するストロボの光をあくまでも「演出」として捉えている。

被写体の種類にもよるが、「被写体を美しく照らす」とかの一般的なスタジオライティングの考え方よりは、ストロボの光を世界観作りのためのものとして考える癖がある。

僕の撮影では、ライティングのイメージはなんらかの照明を真似たり、「自然光を偽造する」ことに重きを置くことが多い。

太陽、街灯、天井照明……我々が目にする光の多くは、我々の頭より上からやってくる。

例えば、「美しい光だなぁ」と思いながら多くの方が目にされるものの代表といえば、「夕陽」ではないだろうか。

夕陽も我々の頭より上からくる光だ。ただ、日が傾いているおかげで、真昼の太陽よりも低い位置からくる。

真昼の太陽は真上から降り注ぐために、きつい影を生むので、屋外での撮影をされるとき、苦戦された方も多いのではないだろうか。

対して、夕陽を被写体の後方に置いた写真にはだいたいハズレがない。これは、真上からの光ではないから、というのと、逆光ぎみに使うことで顔に直射日光が影響しないから、というのが大きい。

室内のスタジオや、曇りの日などは夕陽のような光を偽造する。

ストロボはライトスタンドをできるだけ高く伸ばして配置してもよいが、位置によってはライトスタンドの映り込みが気になる。

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そんな時には、百均のソフトワイヤーが使いやすい。しっかり巻き付けて捻じればクリップオンストロボを固定できる。天井などにフックとかがついていたり、細い柱などのあるスタジオで便利。

ただ、ストロボを固定する際は、その場所が重さに十分耐えるか、安定しているかの確認をしっかり行おう。

ストロボを落として壊すぶんには自己責任だが、モデルさん・レイヤーさんに怪我をさせたり、スタジオを破損してはシャレにならない。安全確認は十分に。


また、上からのライトは被写体の真上ではなく、ある程度後方に置くのがポイント。ライトスタンドであれば画角の横ギリギリに置くのが定番だが、先程のワイヤーを使えば、その自由度も上がる。

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【燭台切光忠:舞姫神楽さん】(F3.2 1/200s ISO200)

後ろ上方からの光の角度は、「夕陽」をイメージすると作りやすい。

また、後方からのストロボのパワーは、被写体を際立たせるための「エッジライト」として使われることが多い。

その場合は弱めでもよいが、僕は世界観を作るライトとして使うので、後上方からのライトをメインとして捉えることが多い。

後上方からのライトのパワーをいちばん強く、必要に応じて手前から被写体をはっきりさせるためのライトを加える。


ちなみに、フレアを入れたり、ふんわりさせたければ、後方からのストロボは、できるだけレンズの中心に近くなるように配置するとよい。

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【巴御前:袴さん】(F5.6 1/200 ISO2500)逆光でふわふわさせた例。画角の左上に強いストロボを配置している。

詳しくは逆光について書いた、一つ前のnoteをご参照いただきたい。

3.レンズと地球は丸い(逆光撮影での注意の話)


・まとめ

美しい光はだいたい頭上から来る。ライト位置は夕陽をイメージして、画角に入らない範囲である程度角度をつける。

あとは、光の足りない箇所や見せたい箇所にストロボを足したり、露出を調整して組み立てる。ただ、あくまでも後ろ上方のストロボを一番強くすればよい。

以上、今回のnoteは、被写体の後ろ上方からのライトを一番強いメインの光と捉えることで、自然光に似せることができるというお話でした。


💡<ストロボは落とさないでね。


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