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「報酬はローストチキンレッグ」ー1月1日の日記

・おはよう。5時起きだよ。今から友人と3人で地元の小さめの山に登山します。

馬鹿寒い。氷点下だわ。いつも10分くらい遅れてくる友人二人だがこの寒さの10分間は殺気が立つ。

コンビニで水分と朝食を購入したが俺は魔が差してこの寒さなのにアイスクリームとホットスナックにあったクソデカローストチキンを買ってしまった。
時期も若干ずれているしアホのクリスマスのようだ。

とりあえずアイスクリームを食べながら登山を始める。クソデカローストチキンのことなんてもう知らない。

なんだろう、この寒さでアイスクリーム食べたせいか口が凍傷しちゃった。めちゃ血の味がするし痛い。

早朝だからか基本的に仲間はとち狂っている。音楽をかけだした。現在6合目。

こんな山中に絶対に停まらないバス停があった。この暗さでこれはなかなかホラー。

この怖さを紛らわすために友人がキモすぎる話をしてくれた。

俺と友人の共通の知り合いがSwitchのアカウント名をクラスの女子の名前にしていて成りすましていた時期があったという話。

これはキモいというより面白いが勝つかも知れない。こんな勇気面白過ぎる。聞けてよかった。

山道の距離は7kmぐらいであんまりない。あんまりないんだけれど俺たちは今、自転車を押しながら登山している。「帰りが楽そうだから」という浅はかな考えによって。流石にきつくなってきた。現在4合目。

なんとこんな山道にも下り坂があった。自転車は意外とありだったかも知れない。

下り坂があったお陰か残りの数㎞は難なく進むことができた。

日の出まではあと20分ある。

ここで一番の難所がきた。

山頂までの階段がクソ過ぎる。軽く200段はある。

軽くってなんだよ軽くって。軽くと言って良い限度をとうに越えている。ふざけやがって。友人と絶叫しながら階段を登る。さながら共鳴し合う野鳥のような侘しさがある。

階段を登りきったところで思い出した。ローストチキンのことを。俺のリュックの中には油でまみれたチキンが入っていた。

取り出す。食う。

これがびっくりする程美味しくない。冷めた味のないゴム推定200g(450円)を日の出までにひたすら食らいつくしてる。

こんなやつ日本のどこにもいない。近くの大学生が俺に手をふってきた。俺はローストチキンをふりかえしてやった。ざまぁみやがれ。

ついに日の出。雲はかかっているが驚く程きれい。ローストチキンが浄化された。

あ~このままローストチキンが浄化されて消えてくんねぇかな~。もうゾンビ肉だよ。消えろよ。

帰ろう。けれどただ犬死して終わる俺じゃない。無理やり友人にローストチキンを食うように契約した。

ひとまず下山する。エグい。速度が。エグい。曲がり角が。エグい。風が。今これ。

これ。

自転車で出せる角度じゃない。死ぬ死ぬ。

若干命を残しつつ下山成功。

俺が購入するという条件で友人にローストチキンを食わせた。俺と同じ目をしていた。それほど美味しくないのだ。だって多分これクリスマスの売れ残りなんだから。もう半ば腐ってるんだから。

食べ終わった彼の口臭は俺と同じだった。それほどこのローストチキンは臭いのだから。

そんな彼を見て俺は満足した。もう帰ろう。

帰ってもまた食材の買い出しが待っている。また出かける。

帰ったら親戚が全員集まっていた。何枚もの大皿に集められた食材をつつきながら会話をしている。今年のお年玉はかなり早い段階で渡された。

親戚の中で働いていないのは俺と兄(これ学生って意味ね!!!ニートではない、まだ。)ぐらいなのでほぼ総取り状態だ。そこそこの金額だ。

そこからはいつも通りだ。飯を食らいつくしお開き。この時点で午後9時半。すぐ寝る。疲れた。

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