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GAFAに続く次世代の企業像とは・・・”FAT PROTOCOL”理論


Winner take all!(勝者総取り!) これが今のインターネットの世界のルールです。Google, Amazon, Facebook, Apple, Uber, AirBnB・・・どれもそうですね。総取りってことは1業種1社? これからの社会は多様性ではなく画一性?永久的にそうであるなら、もうGAFAに勝てることはないってことになります。本当にそうでしょうか?

ITの世界でいうと初代の覇者IBMからMicroSoftへ、そしてGAFAに移ってきました。GAFAの次はどんなモデルか。

このヒントになるのが、Joel Monegro氏が提唱した”FAT PROTOCOL”理論。
原文: https://www.usv.com/writing/2016/08/fat-protocols/
和訳: https://markets.bitbank.cc/article/fat-protocols

彼が提唱したことは、ブロックチェーンの産業構造においてはプロトコルレイヤーの価値がアプリケーションレイヤーを上回り、プロトコルこそ価値がでるという予測です。

インターネットの世界では、共有プロトコル(TCP/IP、HTTP、SMTPなど)は、広く使われています。その優れたプロトコルには技術的価値は高いものの金銭的価値は”薄い”状態です。そのプロトコルの上に乗るアプリケーションレイヤーに価値が集約し、GAFA(Google、Amazon、Facebook 、APPLE)が”厚い(FAT)”金銭的価値を享受しています。

プロトコルとアプリケーションのこの関係は、ブロックチェーンの世界では反転します。価値は共有プロトコル層に”厚く(FAT)”集中し、アプリケーション価値は”薄く”分配されます。
事実、ブロックチェーンの世界では、プロトコル(BTCやETH)に先に価値がつき、この部分の価値がアプリケーションレイヤーの価値に比べ大きく評価されています。

そのうちアプリケーションも百花繚乱になり、プロトコルレイヤーの価値を大きく超えるのではと思う人がいるかもしれません。けれどそうなった場合、そのプロトコルレイヤーの51%を押さえれば、プロトコルより価値の高いアプリケーション全体をも我が物にできてしまいます。逆にいえばプロトコルの価値が相対的に低いといえますのでプロトコル価値は上がることになります。つまり、ブロックチェーンの世界では、常に プロトコル>アプリケーションの関係だということ。

BTCやETHなどの古参ブロックチェーンの成功を受け、また古参のそれがもつ技術的弱点やビジネス的個性化を持った新興のパブリックブロックチェーンが勃興しています。その数、数千とも数万ともいわれています。EOS・Dfinity・COSMOS・Zillica・Tezosあたりは特に注目度が高いですね。

ブロックチェーン技術の活用方法は、概ねこの6つに大別できます。
本人確認活用、電子契約活用、トレーサビリティ活用、知財管理活用、オープンデータ活用、仮想通貨活用
それぞれの活用方法は複数の企業がコミュニティやユニオンの形成が前提となります。特定のブロックチェーンが社会的存在感が大きくなるとそのプロトコルの価値も当然大きくなっていきます。

アプリケーションレイヤーに軸足を置く従来型企業ではなく、プロトコルレイヤーに軸足を置く企業が、今後の社会を創造していくように感じます。

そしてもっと極端な予測をするならば、本人確認活用、電子契約活用、トレーサビリティ活用、知財管理活用、オープンデータ活用などの付加価値を勘案し、個別のプロトコル自体が仮想企業として認定され上場取引されるかもしれませんね。

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