環境選別。

人の感覚や能力は
環境によって
発現するパターンが異なる。

人は生まれながらに
固定された環境で育てられるため
皆からは一様な感覚しか
発現しなくなる。

生活環境を
制御してあげれば
人々の感覚、能力的な優劣を
意図的に作り出すことができる。

我々は
どちら側の人間なのか。

解説

「環境の影響と感覚の発現」（出典：Gibson, E. J., & Walk, R. D. (1960). The "visual cliff". Scientific American, 202(4), 64-71.）では、環境が人々の感覚の発現に与える影響について研究されています。この論文では、赤ん坊を傾斜したガラス面の上に置くことで視覚的な奥行きを感じさせる「ビジュアル・クリフ」の実験が行われました。その結果、環境の奥行き情報が赤ん坊の行動や感覚の発現に影響を与えることが示されました。環境が人々の感覚の発達に重要な役割を果たすことが示唆されています。

「環境制御と人間の能力発揮」（出典：Bandura, A. (1986). Social foundations of thought and action: A social cognitive theory. Englewood Cliffs, NJ: Prentice-Hall.）では、環境の制御が人々の能力発揮に与える影響について述べられています。この論文では、人々は環境の刺激や評価によって自己効力感を形成し、それが彼らの行動や能力に影響を与えるとされています。環境の制御や調整によって、人々の感覚や能力の優劣を意図的に形成することが可能であると示唆されています。

以上の2つの論文から、人々の感覚や能力は環境によって異なる発現パターンを示すことが分かります。生まれながらの固定された環境や環境の制御は、人々の感覚や能力の発現に大きな影響を与えると言えます。したがって、我々は環境の選別によって人間の感覚や能力の優劣を形成している存在であり、その選別された環境によって我々の特性が形成されていると言えます。