現代ロシアの軍事戦略

▶結論:ウクライナへの侵攻はロシアから見れば自国の安全確保のためである。今や戦争は武力だけではなく、情報が鍵となる時代である。

◆不確実性の時代におけるロシアの軍事戦略
 ◎ポスト冷戦時代の終わり
  ・ロシアのクリミア半島占領、ドンバス地方紛争によるウクライナ危機
  ・ロシアのシリアに対する軍事介入
  ・中国の軍事力の近代化や海洋進出で軍事的覇権を脅かし
  ・アメリカファーストでグローバルな秩序から退く
 ◎軍事力の効用
  ・21世紀の現在においては戦争はもはや存在しない
  ・核兵器の登場によって20世紀後半以降の世界では古典的な国家間戦争を遂行することは不可能になった
  ・核兵器による戦争は人類を滅ぼすため、政治的目的を無意味にしてしまう

◆ウクライナ危機とハイブリット戦争
 ◎NATO拡大
  ・ロシア間の相互関係、協力、安全保障に関する基本文書、NATO
  ・両陣営の敵対関係を集結させ、実質的な戦闘部隊を常駐させないこと
  ・NATO拡大は国家全保障上の脅威とロシアは位置付けている
 ◎2014年にウクライナで起きたこと
  ・ロシア主導のユーラシア経済連合の加盟
  ・EUとの高度かつ包括的な自由貿易圏締結(DCFTA)
  ・ロシア側からの圧力によりDCFTAを離脱、それによりデモ隊と治安隊の衝突が激化
  ・ロシアはそれに直接介入し、クリミア半島の議会、行政施設、マスコミ通信施設、空港を制圧
  ・その後、自治政府の解散、ロシアへの併合を求める住民運動、ウクライナ本土との交通遮断
  ・クリミア半島の独立とロシア併合、3週間の間にクリミア半島が失われた
 ◎人間の認識をめぐる戦い
  ・人間の認識を標的とする能力をロシアが大々的に行使した
  ・ウクライナの多くの住人はロシアのテレビやインターネットで情報を得ている
  ・ウクライナ住人はキエフでの政変は米国が仕掛けた陰謀
  ・政治的にはウクライナ国民ではあるが民族的にはロシア人である
  ・武力だけではなく情報で人間の認識を操作する

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